ダウンジャケットは、ほかのコート類と比べても非常に暖かく、防寒アイテムとして優秀です。
そして、物ものによっては、ダウンジャケット一つでオシャレに見せることができます。
しかし、ダウンジャケットを使用していると中綿が出てくる、といった問題が発生することがあります。
なぜダウンジャケットの中綿が飛び出てしまうのでしょうか。
ここでは考えられる原因を追究すると共に、対策についてもご紹介していきます。
ダウンジャケットは冬のマストアイテム
冬のおしゃれにも、防寒にも欠かせないのがダウンジャケットですね。
近年では比較的薄手のダウンジャケットも多く販売されており、シルエットをスマートにきれいに見せてくれるものなど、多種多様なものが取り揃えられています。
少し太めのワイドシルエットも着こなし次第でおしゃれに見えるので、雑誌などでも数多くのダウンジャケットが取り扱われているのを見ることがあります。
ダウンジャケットのブランドの中でも特に人気の高いのが、
・モンクレール
・カナダグース
・パタゴニア
・ザ・ノースフェイス
・デュベティカ
・タトラス
などです。
これらブランドのダウンジャケットの中には、非常に高価なものもあります。
しかし、ブランドや価格に関係なく、ダウンジャケットから中綿が出てきてしまうことはあるようです。
ここからは、中綿が出てくる原因、そして対策について考えてみましょう。
ダウンジャケットの中綿が出てくるのは製法にある?
ダウンジャケットの中綿が出てくるのは、まず製法が関係している場合があります。
ダウンジャケットに中綿を詰める方法は主に2つあり、1つは「パックイン」という製法で詰められます。
これは、羽をダウンパックと呼ばれるガーゼ状の袋に詰め、ダウンのモコモコした部分に封入する方法です。
パックイン製法は、ガーゼ状の袋に入れることで中綿が出づらくなります。
しかし、ダウンジャケット自体が重くなる、デザインに制約が出てきてしまうなどの欠点もあります。
基本的にはダウンジャケットの多くは、パックイン製法を用いられています。
しかし、パックイン製法で作られていないダウンジャケットもあります。
この製法を「ノンパック」製法といいますが、これはダウンパックを使用せずに、直接羽を入れる製法となります。
ノンパックの場合、直接詰めることでダウンジャケットの重量を押さえ、すっきりとしたシルエットで軽く、動きやすい着心地を実現しています。
ダウンジャケットのブランドの中でも「ノンパック製法」を採用しているものがあります。
デザイン性が高く軽いというメリットがありますが、直接中綿を入れるため、中綿が飛び出てきやすいという欠点があります。
このように、ダウンジャケットの製法によっては中綿が出やすいものもあります。
ただし、ガーゼ状の袋に詰めるパックイン製法のように、いくら中綿が出にくい作りであるといっても、絶対に中綿が出ないわけではありません。
それでは、ほかに考えられる原因を解説していきます。
中綿が出てくるのはフェザーの割合が多いから
ダウンジャケットから中綿が出てくるのは、ダウンよりもフェザーの割合が多いことも原因の1つといわれています。
そもそも、ダウンとフェザーは何が違うのかご存知でしょうか。
ダウンは水鳥の胸元部分の羽で、タンポポの綿毛のようにふわふわとしており、芯がない部分のことをいいます。
一方、フェザーは羽の芯があるものを指します。
赤い羽根募金などで使用されるものを想像していただければ、わかりやすいかと思います。
基本的にダウンのほうが軽く暖かいという特徴があります。
また、水鳥の大きさにもよりますが、ダウンの摂取量は一羽につき5~10gといわれており大変貴重なものです。
そのため、ダウンの割合が高いものは価格帯も高くなる傾向にあります。
話は戻りますが、ダウンと比べるとフェザーは硬い芯がありますので、ダウンジャケットの縫い目や生地を突き出てくる可能性が高くなります。
ダウンジャケットの中綿の割り合いを一度確認してみてください。
フェザーが多いと、どうしても中綿が出やすくなります。
ダウンジャケットの生地や縫い目から中綿が出てくる!?
続いて、ダウンジャケットの中綿が出てくる原因について見ていきましょう。
ダウンジャケットに採用されている生地の中では、ナイロンがポピュラーな素材として知られています。
ナイロンは、雨風に強く強度もある上、風を通しにくいという特徴があります。
ナイロン製のダウンジャケットの生地を見て分かるとおり、非常に細い糸で編みこまれています。
そのため、「中綿が出る隙間はないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、フェザーの細い芯先は小さい生地の隙間をつつき、出てきてしまうことがあります。
また、ダウンジャケットの縫い目から中綿が出てきてしまうことも多いです。
縫い目はいわば、布と布を糸で繋ぎ合わせた部分です。
そのため、針穴を通している糸との小さな隙間から中綿が飛び出てきてしまうことがあるのです。
また、縫い目は非常にデリケートであるため、無理な力を加えた場合、ずれてしまうことも考えられます。
このような状態になると隙間が開いてしまうため、中綿が出やすくなってしまいます。
ダウンジャケットから中綿が出てきたらどうする?
ダウンジャケットから中綿が出てきてしまうことは、上記のことが原因として考えられます。
いくら高価なダウンジャケットであっても、製法などの違いによって中綿の抜けは避けることが難しい問題であるかもしれません。
では、中綿が飛び出てしまった場合、どのように対処するのがよいのでしょうか。
中綿が出てくると、どうしても指で抜いてしまいたくなりますが、これは避けるべき行為です。
飛び出た中綿を抜いてしまうと、その他の中綿が次々と出てしまうことが考えられますし、そこから生地の繊維が広がり、さらに中綿が抜けやすい状態になってしまうことも考えられます。
もし中綿が出てきてしまったのならば、可能であれば内側から引っ張って中に引き戻すようにしてください。
また、中綿の抜けを減らす対策としておすすめなのが、「摩擦を減らす」ことです。
肩掛けのバッグを使用しない、椅子によりかかるときは脱ぐなどの対策を行うことで、ダウンジャケットの生地を摩擦から守ることができます。
こうした対策はちょっとした心がけで簡単にできるので、大切なダウンジャケットの中綿の抜けを軽減するためにも、ぜひ実践していただきたいですね。
ダウンジャケットの中綿は少しの抜けなら問題なし!
ここまでお伝えしたように、ダウンジャケットの中綿が出てくるのは、さまざまなことが原因で起こります。
また、完璧に中綿が出ないようにすることは難しいといわれています。
基本的に抜けてしまった中綿に関しては、もとに戻すことは難しいでしょう。
ただ、着る度に中綿が出てくる場合、「ダウンジャケットがスカスカにならないのか」「形が変形してしまわないか不安」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ダウンジャケットの中綿は少々抜けた程度では、形が変形したり品質に問題が出ることはほとんどありません。
どうしても、「中綿が出てくるのがいや!」という方であれば、「中綿が出ない」ことを売りにしている商品もあります。
そういったダウンジャケットを選ぶのも1つの選択肢として考えてみるのもよいかもしれませんね。
また、ダウンジャケットの中綿の抜けは使い込むことで落ち着き、気にならなくなる場合もあります。
お気に入りのダウンジャケットなら、中綿の抜けが気になるからという理由でしまい込まず、どんどん活用していきましょう。
お気に入りのダウンジャケットは大切に長く愛用しよう
ダウンジャケットは、非常に高価な製品も多いですよね。
そのため、中綿が出てきてしまったときには、非常に残念に思うかもしれません。
しかし、ここまで見てきたとおり、ダウンジャケットの中綿は絶対に出さないことは困難であると感じます。
ただし、中綿が出るからといってその製品が不良品であるわけではありませんし、品質が下がったり、形が変形することもほとんどないと思って大丈夫です。
また、ダウンジャケットを長持ちさせるためにもしっかりとケアを行い、扱い方にも注意してみましょう。
その心掛けだけでダウンジャケットの劣化を抑え、より長く愛用できるでしょう。