寒い冬場には、暖かくて軽いダウンがとても有り難いものです。
すでに愛用している人や、これから購入することを検討している人も多いことでしょう。
日本の冬にすっかり定着したダウンですが、羽毛が飛び出てきて困ることがあります。
そこでこの記事では、羽毛をダウンから飛び出させないようにするための対策や、ダウンの選び方などについてご紹介します。
羽毛対策の前にダウンの基本的な情報を知っておこう!
一口にダウンと言っても、羽毛の種類や生地の縫い合わせ方などによって違いが生じます。
こういったダウンの基本的な情報について知っておくことが、ダウンを長く愛用するためには大事になってくるのです。
まずダウンの品質ですが、大事な基準として羽毛のフィルパワーがあります。
フィルパワーとは、羽毛30gあたりのふくらみ具合を数値化したものです。
たとえば500フィルパワーのダウンとは、30gあたり体積500立方インチにふくらむ羽毛を使用している商品ということを表します。
この数値が大きければ大きいほど、高品質だということになります。
というのは、ふくらみ具合の大きい羽毛ほど暖かさが増すからなのです。
一般的に、500フィルパワーで普通、600フィルパワーで高品質、700フィルパワーを超えると最高品質に分類されます。
また、ジャケット内への羽毛の入れ方ですが、ダウンパックというパックに入れて使用する方法と、直接ジャケット内に羽毛を入れる方法の2つがあります。
羽毛の入れ方は、羽毛を飛び出させない対策にとって、とても大事な要素です。
ダウンパックに羽毛を入れて使用する方が、一般的に羽毛の飛び出しが少ないと言われています。
羽毛のグースとダック、フェザーとダウンの違いって何?
羽毛には、グースとダックの2種類があります。
これは、羽毛を採取する水鳥の種類を表しています。
グースとはガチョウで、ダックはアヒルです。
羽毛としては、グースの方が高品質だと言われています。
フィルパワーもグースの方が上ですが、その分高価です。
ダックは食用としても飼育されているので、グースと比べると安価ですが、雑食なので臭いがすることがあります。
最高級グースは、アイダーダウンと呼ばれるアイスランド製の羽毛です。
ほかにもポーランドやハンガリー、フランスやカナダ産が高品質ダウンとして人気になっています。
日本に入ってくる羽毛の多くは、アジア産のダックです。
また、羽毛にはダウンとフェザーという分け方もあります。
ダウンは羽根と羽根の間の丸まった羽毛で、フェザーは少し硬い芯のある羽根のことです。
ダウンは暖かく、保温性も高い羽毛で、しかも軽くて長持ちします。
フェザーはダウンと比較すると重くなり、保温性能も劣ります。
ただ、100%ダウンにしてしまうと押しつぶされた時の回復力が弱くなるので、ある程度はフェザーを混合させた方が良い製品になります。
つぶれ対策として、フェザーは有効だということですね。
ダウンから羽毛が飛び出る理由は空気の出入り!
ダウンは内部に羽毛をそのまま入れるか、ダウンパックに封入された羽毛を入れることで、暖かさと保温性を実現しています。
かなり寒い日でも暖かさを保てるダウンは冬にはとても重宝しますが、ダウンを着ていると羽毛が飛び出てくることがあります。
ではなぜ羽毛は飛び出してくるのでしょうか?
羽毛の飛び出しの原因としてはまず、外側の生地や素材の違いが挙げられます。
ポリエステルやナイロンなどの合成素材よりも、ウール素材のダウンの方が羽毛の飛び出しは多くなります。
一見隙間の無さそうなウールの編み目からでも、空気と一緒に羽毛は飛び出すのです。
特に芯のあるフェザーの割合が高いと、硬い芯が生地を突き抜けることが多くなります。
また、合成素材でできたダウンでも、縫い目の隙間から羽毛は出てきます。
ダウンは汗を外に放出する効果があり、暑くなった場合の蒸れを防いでいるのですが、そのため空気の出入りが少なからず生じます。
羽毛は極わずかな隙間からでも外に飛び出すので、空気の出入りのあるダウンではどうしても防ぐのが困難なのです。
では、羽毛の飛び出しを防ぐ対策は無いのでしょうか。
ダウンから羽毛が出ないようにする対策とは
ダウンから羽毛が飛び出さないようにする対策としてはまず、ダウンを乱暴に取り扱わないということが挙げられます。
羽毛は空気の出入りによって飛び出ますが、摩擦によって飛び出してくることもあるのです。
摩擦はダウンの使い方や、内側に着るインナーによって増加してしまいます。
家に帰りダウンを脱いだら、すぐにハンガーにかけるようにしましょう。
折り畳んだり、乱暴に扱ったりするとダウンがつぶれ空気が出ますし、摩擦が大きくなるので羽毛が飛び出しやすくなります。
また、ダウンを着ている時には激しい運動はせず、肩掛けカバンやデイパックなど、摩擦が生じそうなカバンを使用することは控えるのが賢明です。
中に着るインナーも、できるだけ摩擦が生じないような生地を着用するようにしましょう。
外側からの羽毛飛び出し対策としては、防水スプレーを使う方法があります。
縫い目の隙間や、生地がすれて薄くなっていそうな場所に防水スプレーをかけることで、隙間をある程度塞ぐことができるのです。
特に雨の日には、ダウン内部に湿気が入ることを抑えられるので一石二鳥です。
ダウンの賢い選び方を覚えておこう!
ダウンには様々な種類があり、値段も千差万別です。
本場の有名メーカー製のダウンはとても高品質ですが、それだけ高価になります。
アジア製の羽毛を使用したダウンは比較的安価ですが、中には低品質なものもあるので注意が必要です。
毎年買い替えるなら、その年の流行りの製品でもよいでしょうが、長年愛用するなら、できるだけよい製品を選ぶようにしましょう。
よい製品は軽く、暖かいだけではなく長持ちするからです。
ダウンを選ぶ時には、まず羽毛の割合をチェックすることが大事です。
産地が分かるならよいのですが、明記していない製品も多いものです。
羽毛の割合は、ほとんどの製品で表示されています。
羽毛の割合は、できるだけフェザーよりダウンの割合が高いものを選びましょう。
フェザーの割合が高いと、臭いが気になったり重くなったりします。
また、高価になりますが原材料はグースがおすすめです。
羽毛の封入方法は、羽毛の飛び出し対策を考慮してダウンパック方式のものを選ぶのがベターです。
というのは、ダウンパック方式の方が羽毛の飛び出しが少ないからです。
ダウンの厚みも大事なポイントになります。
薄いダウンだと、保温性能が落ちることがあるからです。
適切な洗濯方法はダウンの長持ち対策のひとつ
基本的にダウンは、自宅で洗濯をしないで使用するものです。
自宅で洗濯をすると、羽毛が水分を含んでしまいもとに戻らなくなります。
そのため春になったらクリーニングに出すのがおすすめですが、意外とクリーニング代は高くつくものです。
もし何着もクリーニングに出さなければならないとしたら、思わぬ出費となることもあります。
実はダウンの中には、自宅でも洗濯可能なものがあるのです。
ダウンに付いている洗濯表示をチェックすると、洗濯が可能か見分けることができます。
家庭での洗濯禁止マークがあったら、クリーニングに出しましょう。
洗濯表示には、手洗いなのか洗濯機でもOKなのか表示されています。
お湯の温度も表示されているので、それに従って洗濯をしてください。
洗濯に使用する洗剤も大事なポイントです。
ダウンの縮みや色落ちを防ぐだけではなく、羽毛の縮み対策としても、専用洗剤を使用することをおすすめします。
そして、洗濯機OKだとしても、できるだけ手洗いをするようにしましょう。
きちんと折り畳み、30℃くらいのお湯で優しく手洗いをします。
脱水機は使用せず、タオルなどで水分を取りさります。
けっして絞ってはいけません。
拭き終わったら、日陰で干すことが大事です。
適切に扱ってダウンを長く愛用しよう!
ダウンはとても軽く暖かいので、愛用する人の多いファッションアイテムです。
しかし中に入っている羽毛は自然のものなので、取り扱いには注意が必要です。
優しく扱えば長く着用できますが、乱暴に扱えばダウン本来の性能を発揮できなくなります。
羽毛の飛び出しを防ぎ、もともとのフィルパワーを維持するためにも、適切な方法で扱うようにしましょう。