コートにはさまざまな生地が使われています。
しかし、共通して悩みの種となるのが毛玉の処理方法です。
生地によって有効な毛玉処理の方法もあれば、してはいけない毛玉処理方法もあります。
さまざまな生地のコートを持っているという場合には、特に毛玉処理は重要な問題です。
ここでは実際にコートに使われていることが多い生地の、毛玉を処理する方法を確認していきましょう。
それぞれの生地の毛玉処理方法を知っておくことの利点
コートの生地に毛玉がついているときのお手入れ方法をご存じですか。
そのお手入れ方法さえ身につけておけば、洋服全体のお手入れをすることができるという利点があります。
どういうことかというと、毛玉がついてしまう洋服や布の生地はかなり限定されるため、お手入れの方法も共通でつかうことができるということに繋がります。
間違った毛玉処理をしていると、服そのものも傷みやすくなってしまうため、早く寿命が来てしまいます。
できるだけ長く服をもたせたいのであれば、毛玉処理の方法を知る必要があるのです。
自分自身がその洋服をもう着ることがない場合は、現在は古着の買い取りやインターネットで販売するためにお手入れをすることもできます。
したがって、持っているコートの生地の毛玉処理について知っているだけでも、数多くの服を再利用する方法に繋がるということです。
コートに使われていることが多い生地
コートに使われている生地にはどのようなものがあるのでしょうか。
コートに使われる生地の代表格として、動物繊維と化学繊維の合成繊維があります。
本来羊毛など、毛質が弱い繊維が100パーセントである場合は、毛玉が発生しにくい特徴があります。
だからといって、動物性繊維に毛玉は発生しない、と限られているわけでもありません。
ポリエステルなど丈夫な繊維が混ざっている動物性繊維でも、毛玉は発生してしまうのです。
動物の繊維が多い場合は毛玉ができやすい分、そのまま擦れて毛玉が自然に落ちてしまうことも多くあります。
毛玉が発生、かつ残りやすい製品は、合成繊維の使用率が高いほど毛玉が残ってしまいやすくなっているのです。
毛玉は発生しない、というわけではなく、毛玉が発生しても自然に落ちるか落ちないかということで変わってくるのがわかります。
コートの生地についた毛玉を取るときに覚えておきたいこと
まず、コートの生地から毛玉を取るときに、知っておきたいことを確認していきます。
毛玉が出てきてしまうのは、服が摩擦してしまうからです。
動作に気をつけていても、なんども繰り返し着ていたり、洗濯するときに摩擦がかかったりしています。
どんなに気をつけても、多少なりとも摩擦は絶対にかかってしまいます。
ですから、毛玉ができないように着ることも、毛玉を避けることもほぼ不可能と言えます。
さらに、摩擦がかかりやすい襟やボタン、袖や肩口は特に毛玉が発生しやすい特徴を持っているのです。
毛玉はこのように、コートの生地そのものから生まれるので、毛玉取り機で毛玉を取りすぎると、生地そのものを切り取ることにも繋がっています。
長持ちさせたいコートほど、丁寧な毛玉処理が必要になってくるのです。
かばんに潜ませてあるかも?化粧ハサミが毛玉取りにも使える!
コートの生地についた毛玉を適切に処理するために、生地を傷めずに使える方法として、化粧用の小さなハサミを使った毛玉処理があります。
100均で気軽に購入できるほか、顔のお手入れのために、多くの人が身近に置いてある刃物の1つでもあるので、新しく購入する手間がかからない人も多い道具となります。
特に毛玉の量が多くない場合には、最も怪我のリスクも少なく、手早く扱うことができるという特徴を持っています。
手芸専門店でも、毛玉取り用の専用ハサミとして販売されています。
特に化粧用の小さいハサミの場合は先端が緩やかに曲がっているので、必要ない部分まで切ってしまうことがありません。
毛玉を処理する方法は、毛玉がついているコートを床に置いて、少しずつ毛玉の根本から糸を切っていきます。
このとき、毛玉の玉の部分を軽く持ち上げると、根の部分から切り取ることが可能です。
小さいハサミ以外にも、普通の大きさのハサミでも同様の方法で毛玉を切ることができます。
同じく刃物類では使用済みのカミソリがありますが、カミソリの場合は毛玉がない生地部分に傷をつけてしまう可能性もあります。
最悪の場合、コートに傷が付いてしまい、修復や着用ができなくなってしまう場合もあるので注意が必要です。
プロも活用!専用ブラシを使ってコートの毛玉を取る
確実で安全な毛玉取りのもう一つの方法には、毛玉取り専用ブラシがあります。
毛玉取りのプロであるクリーニング屋で使用している毛玉取りブラシと、同様のブラシが購入可能です。
こちらもコートを床で広げ、コートの布地の繊維にそってブラシをかけていきます。
慣れるまでには時間がかかりますが、手慣れるほど早くキレイに毛玉が取れるようになります。
注意しなければいけない点として、毛玉が取りにくいからと、力任せにブラッシングをしないことがあります。
コートのみに限定せず、ブラシで毛玉を取る場合は、力任せにしないで布地の繊維に逆らわないことがなによりも大事な点です。
布製品は傷が付きやすく、ブラシで生まれた繊維で新たな毛玉が生まれてしまうことも考えられます。
できるだけ早いうちからコート以外の生地で練習しておくと、毛玉にすぐ対応できるようになります。
ブラシと同様の原理の毛玉処理方法には、電動毛玉取り機があります。
しかしながら電動毛玉取りの場合、生地を取り扱うときに力を入れすぎると、そのまま穴があいてしまう可能性が高いというリスクもあります。
繊維を切ってしまわないように、刃にカバーをつけている毛玉取り機を使用しましょう。
コートにできた毛玉の取り方でNGな方法
コートの生地についた毛玉に対して、絶対にしてはいけない点もあります。
生地によって毛玉のできやすさや、服の生地の傷みやすさが大きく異なってきます。
したがって、毛玉取りに使う道具は慎重に選ぶ必要がでてきます。
先に挙げた小さいハサミや毛玉取りブラシは、カミソリや電動毛玉取り機よりも、生地の傷みがほとんどありません。
この二点以外の処理方法は生地の傷みに大きく左右していきますので、使われている生地の性質によっては、使うことを絶対にしてはいけない方法も出てきます。
中でも大切なコートやニットといった服に、カミソリは絶対に使用しないでください。
ほかにもスポンジを活用する方法でも簡単に毛玉を取ることはできますが、生地を大きく傷めてしまいます。
同時に、新しい毛玉が作られやすくなってしまうので、同じことを繰り返すだけになってしまうのです。
こちらも大事なコートには使わないほうが良い方法です。
もう一つ、してはいけない方法には、毛玉を手でちぎることも含まれます。
手で毛玉をちぎると、繊維が引っ張られて生地が薄く弱くなっていきます。
この引っ張られた繊維から、さらに新しい毛玉が作られていきます。
毛玉取りの効果が全く無いばかりでなく、同じことを繰り返してしまい本末転倒となりかねません。
コートにできた毛玉は適した方法を選んで取る!
コートの生地の毛玉取りの方法には、ブラシか小さいハサミが適しています。
狭い範囲であれば小さいハサミを、広い範囲であればブラシを使いましょう。
毛玉そのものはコートに使われている生地から発生します。
したがって、毛玉の範囲によって道具を選ぶことにより、コートの生地そのものが傷みにくくなるのです。
毛玉の処理はおざなりにせず、適切な処置を施してお気に入りの一着を大事に長持ちさせましょう。