ニットセーターは暖かいうえにおしゃれな着こなしも叶うアイテムで、毎日のように着ているという方も多いと思います。
そんな方にとって悩みの種となるのが、セーターにいつの間にかできている毛玉でしょう。
実は、毛玉ができやすい素材とできにくい素材のセーターがあることをご存知でしょうか。
この記事では、セーターに毛玉ができてしまう理由や素材による違い、毛玉ができるのを防ぐための方法などをご紹介します。
セーターの毛玉はなぜできる?
セーターに毛玉がたくさんできてしまうと、見た目が悪く、着るのが恥ずかしくなってしまいますよね。
取っても取ってもまた毛玉ができてしまうことに悩む方も多いでしょう。
そもそも、なぜセーターにいつの間にか毛玉ができてしまうのでしょうか。
それは、セーターの繊維の先端が、着ているときに起こる摩擦によって絡まってしまうためです。
そのため、特に摩擦が起こりやすいところに毛玉ができやすいのです。
例えば、
・服を着るときや首を動かしたときに擦れやすい襟元
・腕が擦れやすい脇~横腹のあたり
・テーブルなどに触れる袖口
などが、摩擦が起こりやすいところと言えるでしょう。
その他、ショルダーバッグやリュックサックなどが触れる肩のあたりなども毛玉ができやすいです。
価格の高いセーターなら毛玉ができにくいかというと、一概にそうとは言い切れません。
毛玉のできやすさには、その素材が大きく関係しています。
高価なセーターでも、毛玉のできやすい素材を使用しているものもあるでしょう。
では次項で、毛玉ができやすい素材とできにくい素材についてご説明します。
毛玉ができやすい素材とできにくい素材がある!
セーターの毛玉のできやすさは、その素材の強度によって変わってきます。
強度が高い素材ほど、毛玉はできやすいです。
なぜなら、繊維が絡まったときにほどけにくく、ちぎれにくいので、セーターの表面に毛玉がたくさん残ってしまうからです。
一方で、強度の低い素材であれば、絡まった毛玉が自然に取れて残りにくいので、毛玉ができにくいと言えます。
毛玉ができやすい、強度の高い素材としては、合成繊維のアクリルやポリエステルが挙げられます。
これらを使用したセーターは価格が安めなので購入しやすいですが、毛玉もできやすいため注意が必要でしょう。
また、これらの素材とウールなどの天然素材を混ぜている、混合糸のものも毛玉ができやすいです。
強度の低い素材は、ウールやカシミヤ、アンゴラなどの天然素材です。
一般的に天然素材のセーターは高価なので、「高いセーター=毛玉ができにくい」と思われがちですが、高価なセーターにも合成繊維を使用しているものはあるため、購入前に確認しましょう。
もしセーターに毛玉ができてしまったら?
素材による毛玉のできやすさの違いについてご説明しましたが、どのような素材であれ、毛玉ができることはあるものです。
もしセーターに毛玉ができてしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか。
外出先で衣類の毛玉に気づいたとき、手でむしり取ってしまう方もいるかもしれませんが、これは衣類を長持ちさせるためにおすすめとは言えません。
無理やりむしり取ることで衣類を傷めてしまいますし、引っ張ったところの繊維がまた絡みやすくなってしまうので悪循環です。
毛玉取り器か、小さなハサミやカミソリを使って丁寧に毛玉を取り除きましょう。
ただし、毛玉を取り除いたからといって、新品のセーターのようになるわけではありません。
毛玉は繊維の一部ですから、それを切り取ることで、その部分の繊維が薄くなってしまいます。
毛玉ができてから対処するのではなく、できるのを防ぐようなお手入れを普段からしていくことが大事なのです。
では、次項からそのお手入れの方法をご紹介しましょう。
セーターに毛玉ができるのを防ぐためには
セーターに毛玉ができるのを防ぐための方法についてご紹介します。
毛玉ができやすい素材かどうかにかかわらず、以下の点を意識しましょう。
●頻繁に洗濯しない
セーターは他の衣類と違って、着るたびに洗濯するのはおすすめできません。
洗濯によって起こる摩擦で、毛玉ができやすくなってしまうためです。
一回着たセーターは、洋服用のブラシをかけて表面のホコリなどを落としましょう。
ブラッシングによって絡まった繊維をほぐすこともでき、毛玉になるのを防げます。
また、袖口や襟元などの汚れやすいところは、ガーゼなどに水を含ませて叩くように拭き、汚れを落としましょう。
このとき、擦って拭くと毛玉の原因になるので、注意してください。
●連続で同じセーターを着ない
同じセーターを何日も連続して着ると、その分、摩擦で毛玉ができやすくなります。
一回着たら間を空けて、セーターを休ませてあげることが大事です。
●洗濯ネットに入れて洗う
セーターを洗濯機で洗濯する場合は、他の衣類との擦れるのを防ぐために、必ずネットに入れましょう。
また、おしゃれ着用のコースで洗い、洗剤もおしゃれ着用のものを使います。
●クリーニングに出す
家庭の洗濯機で洗うと、どうしても毛玉ができやすいものです。
高価なセーターなどはクリーニングに出すほうが、よりきれいな状態を保つことができるでしょう。
セーターを洗濯するときの注意!洗える素材か確認を
先ほど、セーターの洗濯について少し触れましたが、大前提として、そのセーターが家庭で洗える製品かどうかをタグで確認しておく必要があります。
合成繊維素材のものはたいてい洗えますが、ウールなど天然素材の場合、ものによっては洗えないこともあります。
洗濯機ではなく手洗いのみ可能な製品もあるでしょう。
洗ってはいけないものを洗濯機で洗うと、縮んでしまうこともあるので注意しましょう。
洗濯が可能なセーターであれば、先ほどご説明したとおりネットに入れて洗いますが、その際にはひとつのネットにたくさんの衣類を入れないでください。
せっかくネットに入れても、たくさんの衣類を詰め込むとその中で服同士の摩擦が起こり、毛玉ができやすくなってしまいます。
また、セーターに対してネットが大きすぎると、洗濯中にネットの中でセーターが動いて摩擦が起きてしまうので、セーターに合った大きさのネットを使用しましょう。
なお、セーターを裏返してネットに入れておくと、もし毛玉ができても裏側なので目立ちにくくなります。
毛玉の発生を防げるスプレーがある!
セーターに毛玉が発生するのを防ぐ方法として、毛玉防止のスプレーを使うという手段もあります。
このスプレーを使用すると、セーターの繊維をコーティングして摩擦の影響を受けにくくしてくれるので、毛玉ができにくくなるのです。
使い方は、着用前にハンガーに掛け、少し離れたところからスプレーを吹きかけて乾かすだけです。
基本的にどの素材のセーターでも使えるスプレーが多いですが、場合によってはシミや色落ちが発生することもあるので、まずはセーターの裏など目立たないところに使ってみましょう。
毛玉防止スプレーの他に、静電気防止スプレーでも毛玉ができるのを抑止する効果があります。
お気に入りのセーターを長くきれいに保つために、ぜひこのようなスプレーを使用してみてはいかがでしょうか。
毛玉を防ぐために普段からお手入れをしよう
今回は、セーターに毛玉ができる理由や、素材による毛玉のできやすさの違いについてご説明しました。
また、毛玉をできるだけ発生させないためのお手入れ方法もご紹介しました。
衣類を傷めないためには、毛玉ができてから対処するのではなく、毛玉ができないように気をつけることが大事です。
着用後にブラッシングをしたり、必ずネットに入れて洗濯をしたりなど、日頃からセーターを大事に扱うようにしてくださいね。