ニットは冬の必需品ともいえます。
トレーナーよりも暖かく、コートのインナーとして活躍するアイテムです。
そんなニットですが、その素材ゆえ、袖や襟元が伸びてしまうことがあります。
おしゃれに着こなすためには、伸びた部分を直したいですよね。
今回は、ニットが伸びてしまう原因と、伸びたニットの袖などの直し方をご紹介していきましょう。
ニットの袖が伸びてしまう主な原因とは?
ニットは冬場に着用する機会が増えますが、気が付くと袖が伸びてしまっていることがあります。
手のひらを覆うくらい伸びてしまうと、全体のバランスが崩れ、おしゃれが台無しになってしまいます。
ニットの袖が伸びてしまう、主な原因は何なのでしょうか。
それはニットの「伸縮性」によって起こることなのです。
何度も頻繁に同じニットの着用を続けると、袖や襟元はだんだん伸びてしまいます。
また、よく伸びが見受けられるのが、ニットを洗濯した場合です。
ニットを洗濯すると、水分を含んでずっしりと重くなりますよね。
それをハンガーに吊るし、干して乾かすとしましょう。
すると、重力の関係で下へ下へと伸びていき、結果として袖や襟元が伸びてしまうのです。
以上のことから、ニットを乾かすにはハンガーは使用せず、「平干し」にして干すように心掛けましょう。
こうすることで、型崩れを起こすことなく乾かすことが可能です。
平干しが難しい場合は、物干し竿にニットを縦半分に折るようにして、引っ掛けて干してみましょう。
こうすることで、ニットの伸びは最小限で済ますことができるでしょう。
頻繁な着用を避け、洗濯をした際は工夫して干すことで、ニットの伸びは起こりにくくなるでしょう。
ニットは縮んでしまうことも多い!その原因は?
前項では、ニットを洗濯した際に、吊るして干すことで、袖や襟元が伸びてしまうとお話ししました。
しかし、洗濯することによって、逆にニットが縮んでしまうこともあります。
これはニットの素材が深く関係しています。
ニットの素材の中で代表的なものの中に「ウール」があげられます。
ウールは羊の毛からできている天然素材で、拡大してみるとうろこ状になっていることが確認できます。
このうろこの部分が洗濯機の回転によって絡まりあい、結果としてニットが縮んでしまうのです。
最初はふわふわな手触りだったウールも、フェルトのようなごわごわな感触に変わってしまうでしょう。
ニットの縮みを防ぐには、洗濯表記に従った洗濯をすることが重要です。
表記に「ドライ」マークが記載されている場合はクリーニング店へ、「洗濯機可能」表記があれば洗濯機のドライコースで洗いましょう。
また、ニットは必ずネットへ入れ、おしゃれ着洗いの洗剤を使うことも忘れてはいけません。
「手洗い」マークが表記されている場合は、温度を30度くらいにして、洗剤を溶かし、ニットを押し洗いしていきましょう。
脱水にかける場合は30秒以下にし、干す際は先ほどと同様、物干し竿に縦半分に折るようにして、引っ掛けて干してください。
こうすることで、ニットの縮みも防ぐことができるでしょう。
ニットの袖が伸びてしまった!お湯につけて直す
ここからは、伸びてしまったニットの袖の直し方をご紹介していきましょう。
まず、1つ目におすすめするのは「お湯」を使った方法です。
大き目の桶を用意し、お湯を注いでいきます。
この時、お湯の温度は「50度」くらいに設定しておきましょう。
ニットの袖のみが伸びているようでしたら、袖部分のみをお湯につけていきます。
そのまま、袖のサイズが元通りになるまで待ちます。
30秒~1分ほど待てば元に戻ることが多いので、1度お湯から出して確認しましょう。
また、直ったか確認するためにも、ニットは片腕ずつ浸していった方が分かりやすいです。
ニットが袖だけでなく、全体にわたって延びている場合は、手洗いする際に50度のお湯に浸せば、洗濯と同時に元のサイズに戻すことが可能です。
いずれにしても、お湯の温度が高めなので、やけどなどには注意して行ってください。
なお、ニットの種類によっては色落ちする可能性がありますので、最初は少しだけ浸して様子を見てから行うようにしてください。
時間がないならドライヤーで応急処置
出掛ける前にニットの袖に腕を通したら、いつの間にか伸びていたということもあるでしょう。
前もって考えていたコーディネートを突然変更するのは大変です。
両袖をお湯につけると元に戻りますが、ニットを乾かす時間がない場合はどうしたら良いでしょうか。
その場合は、「ドライヤー」を使用しましょう。
伸びた袖の部分に少しだけお湯をかけ、ドライヤーを当てていきます。
温風を「強」で当てていきましょう。
ただ温風を当てるのではなく、形を整えるようにしながら行うのがポイントです。
袖なら「袖から肩へ向けて」、裾なら「裾から襟元へ向かって」といった具合です。
お湯につけるほどには元に戻りませんが、熱風を当てるだけでも繊維が引き締まり、ある程度はニットを縮ませることができるでしょう。
ニットの袖の伸びはアイロンでも直せる?
お湯やドライヤー以外にも、ニットの袖の伸びを直す方法があります。
それは「アイロン」を使う方法です。
アイロンは、どのご家庭でも1台はあるのではないでしょうか。
このアイロンを使い、ニットの袖の伸びを直していきましょう。
まず、アイロン台の上にニットを広げて置きます。
アイロンを「スチーム」にして、伸びてしまった袖部分を十分に蒸らしていきます。
蒸らし終わった後、袖あたりをぎゅっと手で抑えて、形を整えていきます。
その上から、再度アイロンをかけていくのですが、そっと軽く押し当てる程度にしましょう。
スライドさせながらアイロンがけすると、余計にニットが伸びてしまう原因になるためです。
上から優しく押してアイロンがけするのがポイントとなります。
なお、アイロンがなく、新たに購入する場合は「スチーム付機能き」のタイプを選ぶようにしましょう。
ニット全体の伸びには乾燥機を使おう
日々の着用で、袖だけでなく、ニットの全体が伸びてしまうこともあるでしょう。
その場合は「乾燥機」を使ってニットの伸びを解消することができます。
おすすめの乾燥機は「タンブラー乾燥機」です。
タンブラー乾燥機とは、よくコインランドリーに置いてある、回転式の乾燥機のことです。
熱を加えながら回転して衣服を乾かす乾燥機で、伸びたニットを中に入れて「乾燥させて縮める」といった方法です。
とても簡単に行えますが、注意点があります。
それは、乾燥機にかけられる素材が「綿」や「アクリル」であることです。
ウール素材のニットなどは傷んでしまうため、この方法に向いていません。
また、綿やアクリルにウールが少し混ざっているニットもあり、こちらに関しても乾燥機は使用できません。
乾燥機にかける前に洗濯表示を確認し、乾燥機にかけても大丈夫な素材かどうか確認しましょう。
ニットの袖が伸びてしまっても元に戻せる!
伸びてしまったニットは見栄えが悪いと感じ、捨ててしまう方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ニットの伸びは直すことができるのです。
今回ご紹介した方法は自分で試せるものばかりですので、簡単にチャレンジできるものから試してみてはいかがでしょうか。
また、日々の洗濯の中でも、ニットを伸ばしたり、縮めたりしないように、細心の注意をもって洗濯を行ってください。