肌寒い季節が近づくと、今年はどんなアウターを着ようかとあれこれ考えるのもファッションの楽しみの一つです。
アウターは必需品というだけでなく、秋冬のコーディネイトの仕上がりを左右する重要なアイテムです。
特徴を理解すれば、自分に合ったアウターを選ぶ際にとても役立ちます。
今回は、アウターの種類を特に冬を中心に取り上げ、おしゃれで人気のブランドもご紹介します。
外国でのアウターという意味や種類の違い
一口にアウターと言っても、正確に何を指すのかよく分からない方も多いのではないでしょうか。
まず、よく使われるアウターはアウターウェア(outerwear)の略で、誰でも知っている言葉ですよね。
しかし厳密には、アウターの意味合いは日本と海外では違いがあるのです。
アウターウェア(outerwear)は、英語圏ではジャケット(jacket/上着)と総称されます。
外側に着る服という意味で英語では、日本より幅広い意味合いを持つのがが「アウターウェア」です。
コートだけでなくジャケットやブルゾンもその種類に含み、「ウェア」を付けずにアウターと呼ぶカテゴリはありません。
一方、日本では「アウター」をアウターコートという独立したものと捉え、ジャケットやブルゾンとは違うカテゴリ分けにしています。
秋冬に着用する「アウター」と外国人に言っても通じない訳ではありませんが、知識として違いを知っておくとよいでしょう。
アウターの中で冬前から着られる定番のトレンチコート
それでは具体的に、日本でアウターの種類に入れられるアイテムを、冬を中心に見ていきましょう。
寒い季節の始まりから重宝するアウターとしてまず挙げられるのが、トレンチコートです。
永遠の定番とも言えるデザインと質感、コーディネイトの幅広さなどから、どなたでも1枚は持っているアイテムでしょう。
かっちりしたシルエット、ハリのある素材、肩や袖に付いたボタンなどが特徴で、きちんと着たり、こなれ感を持たせて気崩したりとおしゃれ心をくすぐります。
ヨーロッパの映画にもさまざまなトレンチコートが登場し、そのシーンは多くの女性の憧れでした。
英国のブランド・バーバリーは、確かな品質と長い歴史、着こなしの幅広さや裏地の存在感で真っ先に思い浮かびます。
トレンチコートは真冬というより、秋や春先に着用する目的でしたが、最近ではキルティングの取り外せるインナーが付いたものもあり、長い期間着用することが可能です。
ユニセックスでアウターとして冬活躍するダッフルコート
寒い地域などでは、冬にトレンチコートでは保温性の面で物足りなく感じることもあります。
イメージが近いアイテムで、よりカジュアルで男女問わず人気なのが、ダッフルコートです。
こちらもヨーロッパ(北欧)で生まれたアイテムで、大き目のフードと木のトグルと革のループで留めるデザインが特徴です。
ずしりと厚手で起毛されたフェルトのような生地で、衣類の種類としては漁師達の防寒着や海軍の衣類だったダッフルコート。
一般的なアウターとして広まるに従い、素材もメルトンウール素材など、軽くて着やすいタウンユース仕様になって来ました。
実用性から生まれたトグルも、いかついものからおしゃれっぽさのある洗練された素材とデザインに変わり、女性にも合う冬のアウターとして人気です。
ベージュ系が多いトレンチに比べ、ネイビーやグレー系、温かみのあるキャメルなどが多くカジュアル感の強いアイテムです。
英国の老舗、マッキントッシュのダッフルコートは、高い品質と伝統のデザインに細身にした身ごろが特徴です。
現代にマッチした種類のダッフルとして評価や人気も高く、冬の代表的なアウターの一つと言えます。
女性らしさが出せる冬のノーカラーコートと種類
より女性らしさを出せるアウターが好みの方におすすめなのが、ノーカラーコートです。
日本では2017年頃からとても人気が高まって、着丈や素材・デザインなどさまざまな種類があります。
冬向きの素材で作られたものならとても暖かく柔らかいイメージも出せます。
襟がなくすっきりとしたデザインのノーカラーコートの種類はとても豊富で、選ぶのに迷ってしまうほどです。
レディースがほとんどのため、色合いも優しいものや色物もあり、素材もハードなものは少なく、柔らかいウールやふわふわのエコファー素材なども人気です。
海外の有名高級ブランドでは昔からコレクションで発表され、セレブにも愛用されて来ました。
日本で近年人気のノーカラーコートは、より一般向けなファッションブランドやメーカーのものです。
首周りのデザインもV字開きやラウンド、きちんとしたきれい目テイストからオーバーサイズのカジュアルテイストまでさまざまな種類があります。
通勤に取り入れる女性も多く、寒い冬には襟元にマフラーやファーをプラスするのが人気です。
アウターの中でも冬抜群の保温性を持つダウンコート
より保温性が高く、タウンユースから通勤、アウトドアまで幅広くカバーしてくれる種類のアウターが欲しい方に人気なのがダウンコートです。
あまり気温が低くない時期まではトレンチコートを着て、本格的な寒さが到来したらダウンという方も多いようです。
アイテムとしてはユニセックスに入る種類、素材や詰め物も他のコートと比べれば選択肢はそれほど多くないので選びやすいアウターとも言えます。
水鳥の羽毛と羽根が持つ軽くて抜群の保温性が、冬の厳しい寒さでも暖かく快適な着心地で、一度着用すれば外せないアウターになる魅力があります。
ダウンに特化した海外の有名ブランドの高級ダウンも人気で、モンクレール、TATRAS(タトラス)、EFFE BEAMS(エッフェビームズ)などがよく売れています。
一方で、毎日ヘビロテするアウターだからリーズナブルなものがいいという方も多く、プチプラのダウンもとても種類が豊富です。
今では最もカジュアルな冬のアウターであるダウンも、発祥は極寒地域の作業着でした。
1980年頃ですら、アメリカ空軍のイメージだったのですから、その普及ぶりは驚きですね。
ちなみに、ダウンも海外ではダウンジャケットと言い、ダウンコートは日本での呼び方です。
進化系アウターも冬に人気の種類
代表的な冬のアウターを取りあげて来ましたが、最近の日本のファッションの多様性は、海外からも注目されています。
そのため、従来の枠にとらわれない柔軟な発想から生まれたさまざまな種類のアウターも登場し、一見春や秋向けのようなステンカラーコートを真冬に着ることもできます。
最近人気なのが、カーディガンをロング丈にしたコーディガンや、羽織りものとして便利なガウンコートです。
羽織りものは、薄手のものから冬にも着ることのできる厚手の素材のものまであり、手軽に重ねられて、上にさらにアウターコートを着ることもできます。
また、見た目は普通のステンカラーでも、インナーが取り外し可能なファー素材の3WAYなどで暖かく、着丈もミディアム丈からロング丈と種類も豊富で人気です。
その他、春や秋向けだったモッズコートも、フードに取り外し可能なリアルファー付きや、インナーをブルゾンとして着られるものなどもあり便利なアイテムです。
冬のアウターは見た目の暖かさも重要なので、表がライトな質感の場合は色合いなどで暖かみを加えたりするとよいでしょう。
数多いアウターから冬に最適な1着を
このように、冬のアウターは伝統のある定番と言えるものから、よりカジュアル感やトレンド感のあるものまでさまざまです。
一つのアイテムをとっても、デザインや表地、中綿などの種類も違います。
どのようなシーンで着用するか、どのようなテイストに仕上げたいかをよく考えたいものです。
今回の記事を参考にして、冬の寒さをブロックし、かつおしゃれにしてくれるお気に入りの一着を見つけてくださいね。