今や女性ファッションの定番になっているスカートですが、どのような種類があるのかご存知でしょうか?
時代によって、スカートの形が変わっていくので、実にたくさんのスカートが生まれ、たくさんの名前が付けられています。
スカート丈や形、素材などの組み合わせ方などで、新しい名前が生まれることもあるので、今後もたくさんのスカート形と名前が生まれることでしょう。
今回は、基本のスカートの種類と名前についてご紹介します。
スカート丈で見る種類と名前
まずは、スカート丈の種類と名前から見ていきましょう。
スカート丈は大きく分けると5種類で、さらに細かく分けることができます。
【ミニ丈】
一般にミニスカートと呼ばれるもので、膝上丈のスカートのことです。
若さや自由を求める女性たちに支持され、1962年~1970年代にかけて大流行しました。
その後、1986年ごろに再びブームとなり、今では定番のスカート丈として定着しています。
・膝上丈スカート/膝のすぐ上の丈。
・ミニスカートまたはショートスカート/膝上10cm以上のもの。
・マイクロスカート/ミニスカートよりさらに短く、膝上約20cm~30cmのもの。
お尻を覆う程度の短いものや、股下ぎりぎりのものもあり、「超マイクロミニ」や「ウルトラマイクロミニ」などと呼ばれています。
短い丈のスカートは、女性らしさを出したり、カジュアルな着こなしもできたりと、幅広く使えます。
【膝丈】
膝丈スカートは名前の通り、ちょうど膝にかかるくらいの丈のスカートのことです。
膝丈スカートは上品で、年齢を問わず、誰でもきれいに着こなせることから、学生や企業の制服として採用されることが多いという特徴があります。
膝丈のスカートにパンプスを合わせれば、正式な場所でも充分対応できます。
また、中間を意味するミディスカートと呼ばれることもあります。
膝下のスカート丈3種類の名前
残りの3つのスカートの種類についても見ていきましょう。
【ミモレ丈】
ミモレと言う名前はフランス語で、モレ(mollet)は「ふくらはぎ」、ミ(mi-)は接頭語で「半分」「中ほど」という意味があります。
つまり、「ふくらはぎが半分隠れるくらいの丈のスカート」ということです。
足の露出が少ないので、上品で少しレトロな大人の雰囲気を演出できます。
少し長めという中途半端な丈なので、バランスが取りにくく着こなしが難しいと思われがちですが、トップスをインしてすっきりさせると、バランスが取りやすくなります。
【ロング丈】
ミモレ丈よりも長く、スカート全体の丈が70cm以上のものがロングスカートです。
ロング丈のスカートは大人っぽい、落ち着いた雰囲気になり、下半身をカバーし、足を長く見せる効果があります。
ミモレ丈と同じように足の露出が少ないので、上品でよりフォーマルな印象を与えます。
日本にスカートが入ってきたころは、ロングスカートが主流だったようです。
1960年代からスカート丈は短くなる傾向にありましたが、1970年代後半には再びロングスカートブームが起こり、現在では定番のスカート丈になりました。
【マキシ丈】
マキシとは、英語で「裾がくるぶしまである丈の衣服」のことです。
マキシ丈のスカートは、ロング丈よりもさらに長く、ドレスのようなイメージのスカートです。
1960年代にブームとなったミニスカートに対抗して作られたもので、その多くはたっぷりと広がるデザインで、ブーツと合わせて履かれていました。
しなやかなラインを出せるので、女性らしい着こなしができます。
以上が、定番のスカート丈の種類と名前です。
スカートの代表的なデザインの種類
スカートのデザインは多く、その種類と名前もたくさんあります。
代表的なデザインを見ていきましょう。
【タイトスカート】
タイトとは「ぴったり合った」という意味で、ウエストから腰にかけて、ぴったり体に合ったシルエットが特徴です。
ヒップのサイズで、まっすぐ裾まで作られています。
膝丈のタイトスカートはきちんとした印象になり、ロング丈ですと女性らしいイメージになります。
すっきりとして細身のシルエットが特徴のタイトスカートには、いくつかの種類があります。
・セミタイト/裾に向かってやや広くなるタイプ。
・ペンシル/膝丈ほどで、鉛筆のように細く真っすぐな細身のシルエットタイプ。
・ナロー/ナローとは「細い」という意味で、丈が長く細いタイプ。
・チューブ/ナローやペンシルに似た、筒のように見えるストレートで細身のタイプ。
・シース/ナローやペンシルに似た、剣のさやのように見え、丈が長めの細身タイプ。
ボリュームがある定番のスカートはフレアとギャザー
引き続き、定番のスカートの種類と名前をご紹介しましょう。
【フレアスカート】
フレアとは「朝顔のような広がり」のことで、ウエスト周りはすっきりしていて、裾に向かって波打つように広がり、花びらのように見える優雅なデザインのスカートのことです。
ふんわりとしたラインは、女性らしさや可愛らしいイメージがありますが、ボリュームが出やすく、太って見えてしまうことがあるので、トップとのバランスを上手に取ることが大切です。
・セミフレア/フレアのボリュームを少し抑えたタイプ。
・ブルーミング/ミニ丈から膝丈ぐらいまでのもので、花びらが開いたようなシルエットになるタイプ。
短いフレアを「ペプラム」と言い、スカートのウエスト部分や裾に付けたものを「ペプラムスカート」と呼びます。
【ギャザースカート】
ギャザーとは、「縮める」「寄せる」「集める」などのことで、文字通り長方形の生地を縫い合わせ、ウエストの部分を絞ってシワを寄せたスカートのことです。
裾の部分にボリュームが出るのが特徴で、ベルト芯の下でギャザーを寄せているものや、ゴムのウエストにしてギャザーを寄せているものもあります。
・フレアーギャザー/長方形ではなく、裾が広がるようフレアを入れた生地で作ったギャザースカートで、通常のギャザースカートよりも裾周りが広いタイプ。
プリーツスカートは種類が豊富
次は、制服にも採用されている、清楚で清潔感のあるプリーツスカートをご紹介しましょう。
プリーツは、種類や名前がたくさんあるのが特徴です。
【プリーツスカート】
プリーツとは「ひだ」のことで、縦に折り目を重ねたものです。
広がりのある立体感や、動きやすさを高め、トラッドな雰囲気のなかにカジュアルな面も併せ持つことから、学生の制服によく使われているスカートです。
プリーツの数や幅には決まりはなく、加工の仕方でさまざまなデザインを楽しめます。
・アコーディオンプリーツ/楽器のアコーデオンのように、細く均一のプリーツで作られ全円裁ちしたタイプ。
・サンバーストプリーツ/雲間から日差しがさすという意味のサンバーストは、上は細かいひだで下に行くほどひだの幅が広がるタイプ。
・インバーティッドプリーツ/「裏」や「逆」という意味のプリーツで、スカート前後の中心線か、前後のどちらかで、ひだ山を突き合わせたタイプ。
・ボックスプリーツ/いわゆる「箱ひだ」とよばれるもので、プリーツが箱型に折り込まれたタイプ。
・ワンウェイ(サイド)プリーツ/「車ひだ」「片返しひだ」と呼ばれるもので、一方向にひだを倒したタイプ。
まだまだある!定番のスカートの種類と名前
スカートの種類と名前は、他にもあります。
【コクーンスカート】
コクーンとは「繭」のことで、タックなどで、腰回りをゆったりとさせ、裾をすぼめて全体に丸いシルエットになるようにしたスカートです。
腰回りがゆったりしたつくりなので動きやすく、タイトなスカートが苦手でも履きやすいデザインです。
【バルーンスカート】
バルーンとは「風船」のことで、ウエストと裾にギャザーを寄せて、風船が膨らんだようなシルエットのスカートです。
その時代の流行によって、ロングからミニ丈まで様々なバリエーションがあります。
【マーメイドスカート】
マーメイドとは「人魚」のことで、ウエストからタイトスカートのように体のラインにそって作られ、裾の部分が人魚の尾ひれのように広がっていることから、名付けられました。
裾の部分は、フレアやプリーツ、ギャザーなど形状はざまざまです。
元々は、ふくらはぎあたりまで体にそったラインでしたが、現在では短めの丈であっても、裾に広がりがあるものはマーメイドスカートと呼ばれるようになりました。
【チューリップスカート】
花のチューリップをイメージしたデザインで、チューリップの花びらのようなシルエットのスカートです。
コクーンスカートやバルーンスカートと同じように、腰回りにゆとりがあるデザインです。
裾にいくにしたがって自然に絞られたものや、花びらのように裾部分をずらして重ねるデザインなどがあります。
スカートの種類と名前はまだ増え続ける!?
今回ご紹介したのは、スカートの種類のほんの一部です。
よく名前を聞くスカートに絞ってご紹介してきました。
時代によって形を変えてきたスカートには、女性の考え方や生き方が反映されていると言われています。
また、縫製技術も進み、新しい素材やデザインも生まれてきています。
これからも、素材や組み合わせ方によって、スカートの種類や名前は増えていくことでしょう。