冬のコートは、シーズンオフの期間中にドライクリーニングに出す人が多いですよね。
しかし、いざドライクリーニングからコートが返ってくると、臭いが気になるという声を多く耳にします。
せっかくコートをクリーニングしたのに、嫌な臭いがしては、クリーニングに出す意味がありませんよね。
この嫌な臭いの原因は何なのでしょうか。
今回、当記事では臭いの原因を探るとともに、解決策をご紹介していきましょう。
ドライクリーニングしたコートの嫌な臭い!原因は汗?
コートをドライクリーニングに出すと、嫌な臭いがついて返ってくることがあります。
これは洗濯による臭いではなく、実は「汗」などの臭いが原因であることが多いのです。
ドライクリーニングに出せば、どのような汚れや臭いも、きれいに落ちるものだと考えている人は多いでしょう。
しかし、汗などの臭いはドライクリーニングでは完全に落とすことはできません。
・首元の汗
・暖房による脇汗
・汗による臭い
・加齢臭
・ワキガ臭
・汗染み
これらは、ドライクリーニングでは落としきれないため、嫌な臭いが残る原因となります。
冬場、コートを毎日着用しますが、暖房がついている室内に出入りすることも多いですよね。
すると、私たちは知らず知らずのうちに汗をかいています。
その汗がコートに残り、ドライクリーニングに出した後の臭いの原因となってしまうことが多いのです。
臭いの解決策を探る前に、まずはドライクリーニングの方法から頭に入れていきましょう。
詳しく知りたい!ドライクリーニングとはどんなもの?
そもそも、ドライクリーニングとはどのような洗濯方法なのでしょうか。
「自宅で洗うことのできない衣類」を、何となくドライクリーニングに出すという感覚の人は多いと思います。
今は、ほとんどのクリーニング店でドライクリーニングを取り扱っています。
ドライクリーニングとは、石油系の「有機溶剤」と呼ばれる専用の洗剤を使い、水に代わって汚れを落とす洗濯方法です。
有機溶剤が適している汚れは、油汚れや皮脂汚れ、すすやホコリなどです。
ドライクリーニングで落ちる汚れは、主に油汚れとなるため、汗が原因となる臭いには適していないことが分かります。
また、ドライクリーニングには以下のような利点があります。
・衣類の型崩れが起きない
・色落ちしにくい
・仕上がりが良い
・油汚れが良く落ちる
以上のことから、コートなどの水洗いできない衣類はドライクリーニングが適していると言えるでしょう。
汗をあまりかかない人は、コートを通常通りドライクリーニングだけ行っても問題はありません。
臭い対策!汗のついたコートはウェットクリーニングがおすすめ!
ドライクリーニングは、水に代わって有機溶液で汚れを落とす、脂汚れに適した洗濯方法であることが分かりました。
では、コートに汗の臭いが染みついていた場合、どのようなクリーニングを行えば良いのでしょうか。
おすすめなのは、「ウェットクリーニング」です。
ウェットクリーニングとは、別名「汗抜き加工」のことを言い、ドライクリーニングにオプションとしてプラスすることができるものです。
一般家庭で水洗いできないコートなどの衣類を、高い技術を持ったクリーニング職人が、水を使って汚れを落とすという洗濯方法です。
高度な知識と技術を要するため、プロしかなせない業です。
汗などの臭いは水洗いで落ちやすい特徴があるため、ウェットクリーニングが大変適しているのです。
しかし、ウェットクリーニングは料金が割高であるというデメリットがあります。
クリーニング店にもよりますが、ドライクリーニングの約2~10倍の料金であることも珍しくありません。
インターネットで少し安く行えるクリーニング店もあるようなので、よく探すことをおすすめします。
また、ウェットクリーニングを取り扱っていないクリーニング店も多く存在するため、まずは問い合わせをしてみましょう。
ウェットクリーニングをしないコートはどうなる?
冬のコートはドライクリーニングだけでなく、ウェットクリーニングも一緒に行うことで、嫌な臭いがしなくなることをお話ししました。
しかし、ウェットクリーニングは価格が高いため、ドライクリーニングだけを行って、汗が残ったままのコートを放置してしまう人もいるでしょう。
汗をたくさんかいたコートをウェットクリーニングしないままでいると、汗のついた部分は時間とともに変色してしまいます。
時間の経過とともに、黄ばみとなっていくでしょう。
コートなので、主に変色するのは脇ではなく「首周り」だと考えられます。
首周りはコートを着用している状態では見えませんが、室内で脱いだ際、黄ばみが見えたらみっともないですよね。
大人のマナーとしても、シーズンオフ中にはウェットクリーニングを行うことをおすすめします。
また、ドライクリーニングによる嫌な臭いは、「汗以外」にも原因があると考えられます。
次項で詳しくご紹介しましょう。
ドライクリーニングしたコートは「有機溶剤」によって臭いが気になることも!
ここまで、ドライクリーニングに出したコートの嫌な臭いの原因は、汗によるものだとご紹介してきました。
実は、他に考えられる原因として、「有機溶剤」によるものがあげられます。
以下で有機溶剤による臭いの原因をご紹介していきましょう。
●有機溶剤が残っている
有機溶剤は石油を原料としているため、コートからしっかり溶剤を落とさないと、石油の嫌な臭いが残ってしまうことがあります。
また、乾燥の工程でしっかりコートを乾燥させないことでも、溶剤独特の嫌な臭いがついてしまうことがあります。
●有機溶剤が古い・汚れている
有機溶剤があまりに古いと、臭いが出る原因となります。
また、有機溶剤はろ過して再利用することがありますが、ろ過に使用するフィルターが汚れていると、有機溶剤は汚れた状態のままになります。
汚れはいずれ酸化して、脂肪酸臭となるため、嫌な臭いがコートに残る原因となります。
ドライクリーニング後の臭いがあまりに気になる場合は、クリーニング店に申し出て、再度クリーニングし直してもらいましょう。
コートに残った「有機溶剤」!自分でできる臭い対策とは?
ドライクリーニングに出したコートの、有機溶剤による嫌な臭いは自分で取ることができます。
臭いを取る方法を以下で詳しくご紹介していきます。
●ビニール袋を外して保管する
コートをドライクリーニングに出すと、必ずビニール袋を被った状態で返ってきます。
このビニール袋はすぐに取り外してしまいましょう。
ビニール袋をしたままのコートは、臭いが取れないだけでなく、カビの発生や虫に食われる心配があります。
クローゼットに入れておけばホコリを被る心配はないため、ビニール袋は外して保管しましょう。
●乾燥させる
ビニール袋を外したら、風通しの良い場所にコートを吊るしましょう。
扇風機をつけて風をあてるのも効果的です。
乾燥させることで次第に嫌な臭いが消えていくため、しばらく風通しの良い場所に吊るしておくことをおすすめします。
●衣類用ファブリーズなどを使用する
乾燥させても臭いが取れない場合は、衣類用ファズリーズなどをコートにかけましょう。
消臭剤は臭いをすばやく吸収することに適しています。
溶剤の臭いは石油の臭いのため、気分が悪くなることも少なくありません。
きちんと有機溶剤の臭いが消えてから、コートを着用するようにしてくださいね。
コートの嫌な臭いはウェットクリーニングが効果的!
ドライクリーニングに出したコートの臭いが気になったら、それは汗が原因の臭いであることが多いです。
汗をかいたコートにはウェットクリーニングが効果的なので、そちらを利用しましょう。
また、石油のような臭いがする場合は、有機溶剤が原因であることが多いです。
今回、自分でできる臭いを取る方法をご紹介したので、ぜひ参考にしてください。
また、あまりに臭いが気になる場合はクリーニング店に問い合わせて、クリーニングのやり直しをしてもらいましょう。