季節が変わると、以前履いていたスカートが突然きつくなる、ということが起こりますよね。
そんな時、皆さんは新しいスカートを購入しますか。
それとも、ウエストを直して履きますか。
そのほかの選択肢として、自作する、というのはどうでしょう。
せっかくなので、自分でスカートを作ってみませんか。
手作りスカートで一番難しいのが、ウエスト部分の縫製になります。
今回は、自分でスカートを手作りしてみたい人のために、ウエストの縫製についてご紹介します。
スカートのウエスト縫製!4つの方法
一般的に市販されているスカートのウエストの縫製方法は、大きく分けて4つの方法で作られています。
1つ目は、全体にゴムが入っているスカートです。
2つ目は、ウエスト部分にベルト芯という、ポリエステルやナイロンを使った芯を入れたスカートです。
3つ目は、前スカートがベルト芯で、後ろスカートがゴムになっているスカートです。
そして4つ目は、全くウエストの切り替えがないスカートです。
この中で、一番簡単な方法は、全体がゴムを入れたウエストになります。
手作りスカートの中でも、よく紹介されている方法です。
しかし、ウエストがゴムのスカートはしっかりと固定しません。
楽な分、ウエストのくびれがなくなるため、見た目から履きたくないという人もいます。
また、トップスの上にスカートを出すと、ゴムの部分が見えてしまい恥ずかしいという人もいます。
ベルト芯を使ったスカートは、スカート作りの基本です。
昭和のころは、中学生の家庭科の実技課題にもなっていました。
コツを掴むと、それほど難しいわけではありません。
前がベルト芯で後ろがゴムというのは一見難しそうですが、裁縫が得意な人ならコツを掴むと簡単にできます。
場合によっては、全体をベルト芯にするよりも簡単です。
一番簡単なようで、難しいのがウエストの切り替えがないスカートです。
スカート生地そのものでウエストを固定しますので、生地も制限されますしバランスも難しいです。
市販されているスカートにはありますが、手作りスカートではお勧めできません。
そこで、今回は家庭で普通にできる手作りスカートのウエストの縫製、「ゴムスカート」「ベルト芯のスカート」「ゴムとベルト芯のスカート」の3つの方法について、ご紹介します。
ウエストがゴムのスカートを手作りしてみよう
全体にゴムを入れるスカートは、簡単に手作りできるだけでなく着ている人も楽なので、子どもや高齢者のスカートでよく使われます。
若い人でも「今日は食べ放題」という時は、ゴムのスカートを選ぶ人も多いでしょう。
それでは、ウエストがゴムのスカートの縫製方法のご紹介です。
ウエストゴムは、どんな素材の生地でも利用することができます。
綿や毛、化学繊維でも簡単に縫製することができます。
手作りスカートの中で、一番簡単な方法と考えて良いでしょう。
ウエストがゴムのスカートにも、プリーツスカートやフレアースカートがありますが、その中でも簡単なのがギャザースカートです。
ギャザースカートは、ウエストの出来上がり周径の1.5~2倍の筒を作り、ウエスト部分を二つ折り、または三つ折りして、その中にゴムを通すだけです。
この時、太いゴムを1本通すか、少し細めのゴムを2本通すかで、スカートの雰囲気が違ってきます。
生地が厚手の場合は、1本太いゴムを通す方がしっかりとスカートを支えて、きれいに仕上がります。
薄手のポリエステルやナイロンといった化繊の生地を使った場合は、細いゴム2本を入れると柔らかい雰囲気のギャザースカートになります。
2本ゴムを入れる時は二つ折り、または三つ折りで縫ったところを上下2段に分けて、ほぼ中心にミシンをかけ、2本のゴムを通します。
ゴムの太さは1本の時は2.5~3cm幅を、2本の時は1~1.5cm幅くらいのものを用意すると良いです。
可愛い手作りギャザースカートのウエストの縫製方法
それでは、ウエストに2本ゴムを入れる手作りギャザースカートのウエストの縫製です。
【作り方】
①スカートの形が全体に筒状になっているところまで仕上げます。
この時、生地の耳部分以外はジグザグミシンか、ロックミシンをかけておきます。
②ウエスト部分で二つ折りします。
折るのは、ゴムの幅の2倍にゆとりと縫い代を足した分です。
今回は1cmのゴムを入れるということで、4cm折ります。
手作りの時はジグザグミシンやロックミシンをかけておくと、三つ折りする必要がありません。
スカートのウエストがすっきりと仕上がります。
③折った部分の上から2cmのところにミシンをかけます。
ゴム通しの口を1cmほど残しておきます。
④さらに、縫ったところから1.5cmのところにミシンをかけます。
こちらも同じ場所にゴム通しの口を1cmほど残しておきます。
⑤ゴムを通して、開いている口を手縫いで留めます。
最後に裾を上げます。
ウエストがクシュクシュとなった、可愛いギャザースカートが出来上がりです。
この時、はじめに縫った2cmのところにゴム通しの口を開けず、閉じてしまいゴムを1本しか通さないという方法もあります。
ウエストの部分がフリルのようになり、2本通すのとはまた違う可愛らしさがあります。
生地にハリのあるものなら、ゴムは0.8cmくらいの細めのものでもきれいに仕上がります。
ゴムの太さや入れ方で雰囲気が変わりますので、色々と作ってみてもいいですね。
わざとクシュクシュ感を出すなら、少しハリのある薄手のナチュラルカラーの生地を選びます。
出来上がったら細く絞るように捻じって1日以上置きます。
全体にナチュラルなひだが入って、ちょっと変わった雰囲気のギャザースカートが出来上がります。
セミタイトスカートは手作りの基本!ウエストの縫製を知っておこう
王道のセミタイトスカートは、しっかりとベルト芯でウエストをしめます。
この時に必要なものが、ベルト芯、鍵ホック、ファスナーです。
ベルト芯で固定されたスカートは、ファスナーを使って開きを作らないと履くことができません。
ゴムのスカートよりも技術が必要な作り方ですが、コツさえつかめば簡単につくることができます。
まず、スカートの形を作るための型紙を用意します。
この時、7号・9号・11号・13号なら「かこみ」と言って市販されているスカートの型紙を使うことができます。
もちろん、ソーイングのための雑誌や本にもついていますので利用してください。
一般的なセミタイトスカートの作り方には大きくわけて2つあり、左脇にファスナーを持ってくる方法と、後ろ中心にファスナーを持ってくる方法があります。
左脇ファスナーの場合、スカートの生地は前と後ろの2枚になりますが、後ろファスナーは前と後ろの右、左の3枚になります。
後ろファスナーの場合は、後ろ中心が開きになります。
前は生地の「輪」と呼ばれる折り目を中心線として裁断しますが、後ろは耳と呼ばれる端を中心線の縫い代分として裁断します。
簡単な方法は左脇になります。
空き部分が目立たない方が良いなら、後ろ中心です。
しかし、どちらを選ぶかは好みと考えて良いと思います。
セミタイトスカートは手作りスカートの基本となりますので、縫製方法を知っておくと便利です。
手作りセミタイトスカートのウエストの縫製方法をご紹介
後ろ開きを覚えておくと、ワンピースや8枚剥ぎというスカートも作れます。
そこで、今回は後ろ中心にファスナーを付ける時の、ウエストの縫製のご紹介をしましょう。
【作り方】
①まずは、ギャザースカート同様に、耳以外の部分はジグザグミシンかロックミシンをかけます。
②後ろ中心に耳を持って来るようにします。
③ダーツを縫います。
④ベルト芯を作ります。
ベルト芯を、ウエストベルト用として裁断した生地の上に乗せます。
囲み製図を使う場合、製図に印がついていますので、必ず生地にも転記しておきます。
ベルト芯を乗せる時には生地の中心ではなく、後ろウエストベルト生地の上に乗せます。
ここで、ベルト芯を生地にしつけ糸で固定します。
しつけ糸で縫って固定しても良いですが、接着芯を利用する場合もあります。
ベルト芯の両サイドの生地をミシンで縫って、縫い代を後ろベルト側に倒します。
上から被せるように、生地を表地にします。
⑤スカートは脇を縫い、後ろ中心でファスナーの開きどまりまでミシンをかけます。
ファスナーを付けます。
⑥スカートの生地を表にして、ウエスト部分にウエストベルトの前部分を乗せます。
スカート本体とウエストベルトの合い印を合わせます。
全体にしつけをかけて、ミシンで縫います。
この時、合い印通りにつけると、左後ろスカート側の後ろ中心には重なり部分が3cmほどはみ出すようになります。
⑦ベルト芯が前スカートにしっかりと乗るように固定して、縫い代をすべてウエストベルトの後ろ側に入れます。
後ろウエストベルトの生地を被せます。
後ろベルトの縫い代を、⑥で縫ったミシンの目の上に乗るように折り込み、手縫いで縫い代の上にまつり付けます。
後ろ中心のベルトの重なり部分を、奥まつりで縫って形を整えます。
⑧最後に重なり部分に鍵ホックを付けます。
この時、左後ろスカートのはみ出した部分を中に隠すため、鍵ホックの鍵の部分を右後ろスカートにつけます。
左後ろスカートの3cmは右後ろスカートのウエストの中に入るようにします。
セミタイトスカートを作っておくと、仕事や学校といったセミフォーマルな場で利用することができます。
手作りのセミタイトスカートができれば、色々な応用のスカートも作れます。
基本の方法を知っておくと便利です。
意外と簡単!手作りスカートのウエスト3つ目の方法
3つ目に上げたスカートのウエストの縫製「前がベルト芯で、後ろがゴム」というのは一見難しいようですが、意外と簡単にできます。
縫製の方法としては、手作りのギャザースカートのウエストにゴムを入れる時と同じです。
ウエストにゴムを入れるのとほぼ同じように、ウエストを折りミシンでゴム通しの場所を作ります。
この時、ゴム通しの口を脇線に持ってくることと、ゴムを1本用にすることが大切です。
また、できれば3つ折りの方が、よりしっかりとキレイに仕上がります。
【作り方】
①ウエストベルト用のベルト芯2.5~3cmと同じ幅のゴムを用意します。
芯とゴムを合わせて縫っておきます。
この時、縫うのは1か所だけで輪の状態にはしません。
②スカートの全体を筒状に縫います。
この時、左脇をすべて縫わずに、上から5cm開けておきます。
ゴムを通すだけのギャザースカートとの違いは、左脇線をすべて縫わずに、ゴム通しの口を開けておくことです。
③開けたところは縫い代を開き、端ミシンをかけて固定しておきます。
④ウエスト部分を縫い代1cm、4cmの三つ折りしてアイロンをかけます。
折ったところをミシンで縫います。
ゴムを通す口はすでにあるので、一周縫ってしまいます。
ミシンで縫うのは、上から3.5~3.8cmくらいのところです。
⑤左脇のゴム通しの口からベルト芯・ゴムの順に前まで通します。
⑥最後に、一番先頭のベルト芯と最後のゴムをミシンで縫い付けます。
この時ねじれないようにしましょう。
前がベルト芯、後ろがゴムのスカートの出来上がりです。
市販のスカートで良くある方法ですが、手作りのスカートでも作ることができます。
手作りスカートのウエスト縫製を覚えておこう!
ウエストの縫製方法を知っておくと、自分が履いているスカートが緩くなった場合に直すこともできます。
きつくなった場合でも、スカートの形によっては直すことができます。
お直しにお願いしたり、捨てたりするのはもったいないという場合は、自分でウエストを直せると便利です。
また、大人のスカートだけでなく、子どものスカートを縫うこともできます。
ぜひ、自分でウエストを仕上げる縫製方法を知って、自分だけのオリジナルスカートを作ってみましょう。