ニットに刺繍するのは難しい!簡単な刺繍のやり方をご紹介!

一針一針こつこつと進めてゆく刺繍は根気のいる作業ですが、その分、でき上がったときの感動も大きいですね。

刺繍の中でも作成が難しいといわれるのが、ニットへの刺繍です。

編み目がはっきりとしたニットへの刺繍は、うまくできると絵柄がはっきりとしてとてもきれいです。

ここでは、ニットに刺繍するやり方について、さまざまな工夫や便利なグッズをご紹介します。

刺繍とはいつ、どこで始まったもの?

刺繍とは、ご存知の通り、針と糸を使って布に施す装飾のことをいいます。

絵を描くように縫い込まれた刺繍は立体的で、その緻密さに思わず見入ってしまいます。

刺繍がいつから、そしてどこから始まったのかということは、実際に特定するのは難しいようです。

一説には、布を使い始めたと同時に、刺繍の技術も広まったといわれます。

エジプトからヨーロッパ各地、そして中国を経て日本にも伝来したのです。

現代のように機械によるプリントの技術のなかった時代には、刺繍による装飾はインパクトのあるものだったことは容易に想像がつきます。

中世ヨーロッパでは、刺繍が大変大きな意味をもっていたといわれます。

権力のある人物や聖職者などの衣類には、豪華な刺繍が施されていたようです。

刺繍によって、地位を表すということがなされていたのですね。

刺繍のやり方は国や地域によりさまざまな手法があります。

また、刺繍に使う布もひとつではありません。

綿、麻、ニット、帆布など、あらゆる布に、刺繍を施すことができます。

国ごとに異なる刺繍には、その国の風土、国民性、感性などが、鮮やかに再現されているのです。

刺繍のやり方!基本を知ろう

みなさんは、刺繍のやり方をご存知でしょうか。

まずは、基本的な刺繍のやり方を学びましょう。

刺繍の主な手法は、布に描いた図案に沿って糸で絵を施してゆくフランス刺繍、布目に沿って×印をいくつも並べて図案を作るクロスステッチなどが主な刺繍の手法です。

これらの刺繍に初めて挑戦する方は、まず何を準備したらよいのかを確認することから始めましょう。

刺繍に取り組むためには、糸、針、布、図案を描くもの、布をぴんと張るための道具が必要です。

刺繍には、刺繍専用の針、糸を使用します。

刺繍する際には、25番刺繍糸と呼ばれる糸を使います。

フランス刺繍とクロスステッチでは、針の太さが異なります。

購入する際にはパッケージに描かれた名称をよく確認してください。

布は、フランス刺繍ならば薄手、かつ布目が細かいものがよいでしょう。

クロスステッチは布目がはっきりとした、専用の布を使います。

ニットなどの凹凸のある生地、またガーゼなどの柔らかく薄い生地への刺繍は、刺繍初心者の方には難度が高いようです。

あらかじめ布に図案を描く手法のフランス刺繍では、チャコペンシルやトレーシングペーパーがあるとよいでしょう。

プラスチックや木でできた刺繍枠があると、刺繍面をぴんと張ることができ刺繍しやすくなります。

初心者の方は用意することをおすすめします。

ニットの刺繍のやり方が難しい!その理由とは

シンプルなニットは、おそらく多くの方がお持ちでしょう。

シンプルさに飽きたら、刺繍で柄を施して変身させてみてはいかがでしょうか。

しかし、ニットに刺繍するのには少し工夫が必要なのです。

その理由は、ニットの生地の特徴にあります。

編み目が緻密で表面がつるりとした綿などの布と比べると、ニットは表面の凹凸が大きいのです。

そのため、ニットに図案を描くことは容易ではありません。

また、ニットによっては編み目が大きくざっくりしたタイプもあります。

刺繍針ではなく編み棒を使う必要があるニットもあります。

このように、ニットへの刺繍のやり方は、薄手の布と比べて難しい要素が多いのです。

刺繍に慣れた方でも、工夫することが必要なものといえるでしょう。

ニットに刺繍するとき、あると便利なグッズはこれ!

ニットへの刺繍のやり方をご紹介しましたが、難度がやや高めであることがわかりました。

そんな、ニットへの刺繍を助けてくれるようなグッズが、実は身近にあるのです。

刺繍に必要な針や糸、チャコペンシルなどは、100円ショップなどでも取り扱っています。

そんな100円均一に売られている刺繍用下地シートというものが、ニットへの刺繍に非常に役立つのです。

それでは、使い方をご紹介しましょう。

シール式になったこのシートに刺繍したい図案を描いたら、裏紙をはがして直接ニットにペタッと貼ります。

貼ったシートの上から、直接刺繍をしていきます。

刺繍が終わったら、シール部分を水に浸してしばらく置きましょう。

このシールは水に溶けるため、水に浸すとシールがなくなり、刺繍だけが残るというわけです。

あとは、濡れたニットを陰干しすればきれいで簡単なニットへの刺繍の完成です。

お近くの100円ショップの手芸コーナーをのぞいてみましょう。

意外な掘り出し物や便利グッズが眠っているかもしれません。

ニット刺繍の例!シンプルなニットが大変身

先ほどご紹介した刺繍用下地シートなどを上手に使って、お手持ちのニットを可愛くデコレーションしてみませんか。

装飾や柄などのないシンプルなニットはあると重宝しますが、飽きてきたらちょっと雰囲気を変えてみるのも楽しいものです。

それでは、やり方をご紹介しましょう。

まず、どのような絵柄をどのように配置するかを考えることから始めます。

テーマのある絵柄もよいですし、ハートや花柄、雪の結晶、音符などの単独の絵柄を、リズミカルな動きを感じる配置にしても楽しいですね。

刺繍の絵柄を集めた本なども市販されていますので、それらを参考にするのもよいでしょう。

絵柄および配置がざっくり決まったら、刺繍用下地シートを使って実際に配置していきます。

手順に沿って刺繍を進め、完成したらシートを水で溶かしてニットを干して乾燥させましょう。

自分で考えた絵柄をまとったニットは、袖を通すのが今まで以上に楽しくなりそうですね。

ニットへの刺繍は装飾だけでなく、小さなほつれ、穴などのカバーにも役立ちます。

気になる部分があれば、気軽に刺繍して隠してしまいましょう。

小物にも!ワンポイント刺繍のやり方

いつも持ち歩いているハンカチやタオル、ニット帽子など、お気に入りの小物にも刺繍をしてみませんか?

刺繍でワンポイントを入れるだけで、ぐっと特別感が生まれます。

やり方は、先にご紹介したものと同様です。

フランス刺繍、クロスステッチなどの手法に合わせた針を使い、あらかじめ考えた図案に沿って刺繍を進めていくだけです。

絵柄は図案本を参考にするほか、お気に入りのキャラクターを施してみたり、イニシャルなどを入れても楽しいですね。

小さな布をキャンバスにして、絵を描くつもりで刺繍をし、額に入れて飾るのも素敵です。

季節に合わせた柄を刺繍した布を使ってコースターを作り、春夏秋冬の移り変わりを感じるのもいいですね。

暑い夏には花火や金魚、スイカなど、冬には雪の結晶やサンタクロースなどをモチーフとして刺繍してみてはいかがでしょうか。

布も糸も、よほどのことがない限り、消えてなくなることはありません。

お気に入りの刺繍をしたハンカチやコースターなどの小物は、いつもそばで楽しむことができます。

刺繍そのものに慣れてきたら、大切な人に刺繍を施した小物を作ってプレゼントしても素敵ですね。

刺繍の素朴な絵柄を楽しもう!

刺繍の基本のやり方、ニットへの刺繍のコツ、刺繍を楽しむ方法などをご紹介しました。

刺繍の歴史は布の歴史と共にあり、いずれも非常に古いものなのです。

人々が昔から刺繍に魅了され続けてきたことは、刺繍のもつ素朴な美しさを見ると容易に想像がつきます。

一針一針、積み重ねてできる刺繍を、いろいろなスタイルで生活に取り入れ、楽しんでください。