ジャケットのボタンの付け方は意外と簡単!玉止めいらず

学生服やスーツのジャケットのボタンが取れた時、皆さんはどうしますか。

学生の時は、家に持ち帰って親に付けてもらった、という人もいますね。

しかし、大学生や社会人になってから、1人暮らしを始めたら自分でボタンの付け方がわからないと、困ることもあります。

そんな時、皆さんはどうしますか。

小学生や中学生の頃を思い出して、頑張ってつけてみますか。

それとも、お金を払ってお直し専門のお店で付けてもらいますか。

今回は、ジャケットのボタンの付け方のご紹介です。

テーラーカラーのジャケットボタンの付け方と数

制服やスーツのジャケットは、一枚仕立てのものもあれば、二枚仕立てのものもあります。

テーラーカラーのブレザーやジャケットは、前見頃の部分に表地と同じ生地で作られた身返し、という生地が付いています。

身返しの上の部分が、襟と一緒になってテーラーカラーの襟を作り上げます。

身返しが裏返しになって襟になるため、用いるのは同じ生地です。

ジャケットの第一ボタンは、右身頃と左身頃の前を合わせて、襟先がちょうど重なったところに付けます。

ジャケットは、ボタンを2つ付けるデザインから6つ付けるデザインまであります。

女性が着る短い丈のジャケットではボタンが1つというものもありますね。

2つ、3つボタンのジャケットは、襟を自然に合わせて縦一列にボタンを2つ、3つ付けます。

4つ付ける場合はダブルといって、襟を深く合わせて2列にボタンを2つずつ付けるデザインです。

6つの時は、3つずつ縦2列に付けます。

ジャケットのボタンは8~10cmの間隔を開けて付けますが、ジャケットの丈によって縦につけるボタンの数も違ってきます。

短めのジャケットなら2つ、長めのジャケットなら3つというように、ジャケットの長さによってボタンの数や付ける間隔を変えるのです。

前見頃の重なりがダブルになる、2列のボタンをつける時も横の幅を6~8cmくらい間隔を取ります。

その分、横に2列ボタンをつけるジャケットは、前見頃の重なり(打ち合わせ)が深くなり、体格の良い人はとてもかっこよく着こなせます。

一方で、小柄な人や細身の人は前身頃が狭いため、わりと難しいデザインになります。

ジャケットのデザインや着る人によって、ボタンの付け方はさまざまです。

ジャケットを作る時には、ボタンの付け方も考えて体格に合ったデザインを選ぶようにしましょう。

ジャケットの二つ穴ボタンの足の付け方は玉止めいらず

身返しが表地と同じ生地で作られたジャケットは、二つ穴のボタン付けの時に足を付ける必要があります。

ボタンをボタンホールに通す時、生地の厚みを考えなければなりません。

普通の生地は、ボタンの下にわざわざ足をつけなくても、自然とボタンを留めることができます。

しかしジャケットのように生地が厚いと、ボタンを留める際ボタンホールに通しずらかったり、ボタンが埋もれた感じで前見頃に不自然なしわが寄ってしまいます。

そのため、足つきのボタンを使うこともあるのです。

そこで、二つ穴ボタンの時は足と呼ばれる糸の巻き部分を作ります。

ボタンは、普通の二つ穴のボタンと同じように、生地とボタン穴に通しながら縫います。

その時に、少し緩めに縫います。

糸は二本取りで、ボタン付けようのしっかりとした糸を使いましょう。

ボタンと生地の間の3mmくらいの糸長さの糸6本を束ねるように、針についた糸で巻き付けます。

しっかりと3mmの糸が隠れるくらい巻きます。

これを「根巻き」といいます。

根巻きの部分がボタンの足です。

針を巻き付けた足を貫通するように通します。

これを3回違う場所から刺して通すを繰り返すと、玉止めなどをせずに糸を切っても糸が抜けることがありません。

しかし、初めてで不安ならそのまま裏側に針を通して玉止めをしても良いです。

この場合は、玉止めに頼るよりもしっかりと根巻きをすることが大切です。

ボタン付け上級者のほとんどは、この方法になります。

玉止めができない人でも、しっかりと止まるボタンの付け方です。

意外なことですが、しっかりと付きますのでぜひやってみてください。

ジャケットの足つきボタンの付け方

ジャケットのボタンを付ける時、二つ穴のボタンでは糸で根巻きという足をつけなければなりません。

それは四つ穴ボタンでも同じです。

根巻きは慣れると簡単ですが、慣れないと糸が絡んでしまう人もいます。

そこで、あらかじめ足つきボタンを使う人もいます。

足つきボタンにはプラスチックボタンのものもありますが、金ボタンのものもあります。

ジャケットによっては金ボタンを付けると少し豪華な印象です。

制服のブレザージャケットには、学校の校章が入った金ボタンがよく使われていますね。

こういったボタンの場合は、足つきボタンになります。

足つきボタンは、二つの付け方があります。

こちらでお勧めするのは、二本取りで初めにボタンの足に糸を通す付け方です。

まずは、針に糸を通し二本束ねて玉結びしたら、そのまま針をボタンの足に通します。

針の先を玉結びをした内側に通して、しっかりと引きます。

ストラップを通すような感じに、ボタンを糸で通します。

ボタンをジャケットの付ける位置に置き、針をジャケットの裏に通します。

ジャケットのボタン付けは、必ず生地の裏側まで針をしっかりと通しましょう。

シャツのように、ちょっと生地をすくっただけではボタンが取れてしまったり、生地が破けてしまうことがあります。

生地にしっかりと通しながら、ボタンを生地に留め付けます。

ボタンの足の部分の穴がふさがるくらいに、3~4回にわたってボタンの穴に糸を通します。

最後に、2回ほど根巻きをします。

ボタンの付け根のところで玉止めをし、そのまま針を裏に通してハサミで切ります。

玉止めも玉結びもジャケットの表側に出ますので、大きくなりすぎないようにきれいに作りましょう。

根巻きをしっかりすると、二つ穴と同じように玉止めをしなくても大丈夫な場合があります。

慣れたらやってみましょう。

ジャケットの裏についている小さなボタンは何?

玉止めや玉結びを表に出したり、ただ針を通すだけが不安という人は、裏側で玉止め玉結びをしても大丈夫です。

そして、この時もう一つのボタンを付けると、よりボタンが取れにくくなります。

「力ボタン」といいます。

皆さんのジャケットの裏側に小さなボタンが付いていませんか。

ジャケットの裏側に付いているこのボタンは、何のためについているのかご存知ですか?

これが力ボタンです。

最近はジャケットやスーツの価格も低下し、力ボタンが付いているものはあまり見かけなくなりました。

しかし、良いスーツやブレザーの場合は、今でも力ボタンが付けられていることがあります。

表地のボタンと対となるように、ジャケットの生地を通して、裏側に小さなボタンを付けます。

すると、糸が抜けにくくなり、ボタンを強く引いても取れることがありません。

力ボタンはワイシャツのボタンよりもさらに小さな、白や黒のプラスチックボタンを使っています。

表に付けるボタンと一緒に、そのまま同じ糸で裏側にこのボタンを付けます。

針で表のボタンを通したら、生地をちょっと通すのではなく、しっかりと裏まで通して力ボタンに通し、また表に戻るという付け方を繰り返します。

力ボタンが付いているジャケットは、それだけ丁寧に縫製されているものになります。

大切に着てくださいね。

ミシンで付けるジャケットボタンの付け方

どうしても手縫いが苦手という人は、二つ穴ボタン、四つ穴ボタンはミシンで留めることもできます。

ミシンのボタン付けモードを使うか、ジグザグモードで生地を送らないようにすると、縫い付けることが可能です。

市販のジャケットの多くは、手縫いでボタンが付いているものは少なくなっています。

シャツなどはほとんどがミシンで縫っていますね。

手縫いで丁寧にボタンを付けていることの方が手間と人件費がかかってしまうので、大量生産のジャケットはミシン縫いになっているのです。

しかし、ミシンで縫った場合は、ただ穴の右と左を何度も上から針で刺しているだけです。

ボタンの付け方としては雑になります。

そのためほんのちょっと糸が引っかかったり、糸が劣化するとすぐにボタンの糸が緩んできます。

そのまま放置しておくと、ボタンが取れてなくなってしまうこともあるのです。

就職の面接や会社の大切な会議など、重要なシーンで着る前にジャケットのボタンをしっかりチェックしてください。

そして、ミシンがあるならミシンで付けても良いですが、できれば手縫いで付ける方法を覚えると良いでしょう。

足つきボタンは、最悪の場合裏側から安全ピンで留めることができます。

あくまで簡易的なボタンの付け方ですが、覚えておくといざという時に役に立ちます。

ジャケットでも使える変わったボタンの付け方

ジャケットにはスーツやブレザー、制服といったフォーマルなものだけでなく、デニム生地や綿生地などカジュアルなものもあります。

カジュアルなジャケットには、針や糸を使わないボタンの付け方もあるのです。

プラスチックボタンや金ボタンの他に、木づちで打ちつけるタイプのスナップボタンもあり、これをリベットボタンといいます。

リベットボタンはジーンズなどで使われますが、時々デニム生地のジャケットや綿のジャケット、バッグなどでも付けることがあります。

針や糸は使いませんが、専用の金具とボタンを打ち込む時の木づちが必要です。

リベットボタンはデニム生地を通すだけの耐久はありますが、二枚のウール生地を通すことはできません。

そのため身返しのある、きちんとしたジャケットでは使うことができません。

二つで一つのボタンになり、ボタン本体にバーと呼ばれる留め具が付いています。

ボタンの表を生地の上に乗せて、生地の裏側にバーを置いて、上からはめ込むように留め付けます。

針や糸が苦手だから簡単と思われるかもしれませんが、ずれないようにまっすぐにボタンを付けるのは難しいです。

リベットボタンを使う場合は、一枚仕立てのカジュアルジャケットに使ってください。

他にも、カフスボタンのように使うことができるスタッドボタンなどもあります。

カフスボタンやスタッドボタンも針や糸で縫い付けませんが、こちらは逆にフォーマルな衣装で使われるおしゃれなボタンになります。

中には貴金属が入っているものもあり、ジャケットというよりもタキシードなどの中に着るワイシャツに使いますね。

ジャケットのボタン付けを知っておこう

お直しの専門店ではボタン付け1つでも、しっかりとお金がかかります。

ジャケットのボタンの付け方を知っておくと、さまざまなシーンで役に立ちます。

ビシッと決めたいシーンで着用するジャケットのボタンは、かっちり自分で留めておきましょう。