ストールはオシャレのアイテム、男性らしい巻き方をご紹介!

男性の中にはストールはオシャレだと感じていても、女性だけのアイテムと思っていたり、マフラーとの使い分けが思いつかないという方もいらっしゃるでしょう。

一体、ストールとは何なのか、どういう使い方はしてはいけないのか、どんな使い方をすれば良いのかを、ご紹介します。

男性のストールに憧れと共に苦手意識を持っている方も、巻き方がワンパターンになっていた方へも、新しい自分の開拓をご提案します。

ストールとマフラーの違い

ストールとマフラーは同じように首に巻くアイテムですが、この2つはもともと違うものでした。

ストールというのは肩にかける衣類の一種で、古代ローマのストラという高位の既婚婦人が着用したローブに起原を持ちます。

ストラは、キリスト教の司式で司祭や助祭に着用される、細長いスカーフとして名前を残しました。

その後もストールは、高貴さのイメージが残るアイテムとなりました。

昔は単に「ストール」というとファーストール、特にミンクのファーストールを指したものだといいます。

ストールは高貴な婦人の使う肩掛けをルーツに持つ、肩掛けの装飾品なのです。

それに対して、マフラーは首に巻く防寒具です。

その違いが、両者の生地や形の違いとなって現れます。

肩掛けであるストールは、正方形が基本となり、一般的な女性物で一辺が100cm~150cmくらいのサイズが多いようです。

肩掛けをしない男性向けのストールには長さも求められるため、180cmを基準に、使い方を考えて長さを調節します。

防寒具のマフラーと違い、ストールは生地が薄いというのも特徴のひとつです。

スカーフのように巻いてドレープを活かすだけで、全体のシルエットを上品に仕上げることができます。

また、生地の薄さを活かしてテーラードジャケットなどの内側にしまい込んでしまうこともできます。

ストールの上品な柄は、Vゾーンからチラ見えすることだけでも、着こなしを上品にします。

そして生地が薄いと言いながらも、保温性の高いカシミアやウールなどの生地を選ぶことで、ストールのマフラー使いができるようになります。

現在ではマフラーのような巻き方で使ってしまうストールですが、それぞれが持っている背景の違いが出来上がるイメージの差になることを意識しましょう。

ストールを使う男性はイメージ作りが難しい

男性がストールを使うのは、イメージ作りが少し難しいと考えられています。

よっぽどスタイルがよくオシャレな人でないと、失敗してしまうことも多いからです。

男性のストール使いの失敗は、本人の立ち位置と巻き方が合っていないからなのです。

ただ羽織るだけではだらしなく見えてしまい、首に巻いてしまうとマフラーと化してしまいます。

トータルコーディネートの中の一つのアイテムとして男性がストールを活かすのは難しいのです。

このことを踏まえて、男性がストールを肩に掛けるだけというのは、特別な狙いがないのであれば、避けたほうが無難なようです。

肩掛けさえ避ければ、個人をストールの作るイメージに合わせることができそうです。

ストールが作るイメージは、上品で知的なもの。

はしゃがない、着崩さない、ダンディーに振る舞えれば、ストールは多彩な巻き方でファッションに彩りを添えるアイテムとなります。

男性がストールを使うことのメリット

男性がストールを巻くのは少しハードルが高いことです。

巻き方が同じなら、マフラーで十分なのではないかと思えてきます。

しかし、男性がストールを使うことには3つのメリットがあります。

その3つを知り、キチンとイメージできることで、マフラーでは手に入れられないファッションセンスを手に入れることができます。

【小顔に見える】

ひとつ目のメリットは、なんと言っても小顔効果。

首の周りに広がる印象を持ってくると、相対的に顔が小さく見えます。

この効果は、首周りにボリュームを持たせる巻き方をするほど、大きくなります。

男性の小顔は、クールでスタイリッシュな印象を強めます。

ストールが作る知的で上品な印象に、クールでスタイリッシュな印象が加わります。

【重心が上がって脚長に見える】

ふたつ目のメリットは脚長効果。

足自体が長く見えるという訳ではないのですが、ストールによって重心を上半身に偏らせることになります。

その結果、出来上がるシルエットはYラインが際立つということなのです。

肩の高さから腰に向けて斜めに降りた線が、その下を直線で下ろすことで、脚長のイメージを作ることになります。

【フォーマルを崩すことができる】

ストールを組み合わせやすいのは、紳士的でフォーマル寄りの服装です。

カジュアルな服装よりも、スーツやジャケットとの組み合わせが自然です。

逆に言えば、本来のネクタイの位置にストールが入れ替わる形になります。

ネクタイでは肩苦しくなり過ぎる場面であっても、ストールを使えれば、ネクタイ無しのお付き合いを演出することもできるのです。

薄手で上品な柄の入った、ストールならではの使い方と言えるでしょう。

ストールの巻き方に合わせた選び方

それでは実際にストールの選び方について触れて行きましょう。

ストールを選ぶ際のポイントは長さ、色や柄、これに季節ごとにボリュームを加味して、ストールを選びます。

【長さ】

基本は正方形のストールなので、大きさと表現してしまいそうですが、男性の場合には肩掛けとして使うことを考えず、マフラーのように首の周りに巻く使い方を考え、長さで選ぶことにしましょう。

メンズとして作られたものの中心値は180cmになるようです。

ほとんどのブランドの製品は、この180cmを中心に、±10cm程度の中に収まっているものが多くなります。

この長さは、多くの巻き方に対応できる長さなので、特に大柄な男性でなければこの枠内のサイズのものを購入しても失敗は無さそうです。

敢えて言えば、巻き方で軽快さを強調したいなら短めに、ストール自体に存在感をもたせたい時には長めと考えれば良いでしょう。

【柄】

生地や色は気にかけることが多いのですが、ストールについては柄が重要な個性になります。

色や柄は、あくまでも本人の好みによるのですが、そのストールを使ってどんな巻き方をするのかをイメージして選ぶことが重要です。

色については、合わせるインナーやアウターを考えることで、選択のミスマッチを避けることができます。

ジャケットの下から覗かせるような使い方なら細かい柄の方が馴染みますし、首に巻くのであれば、生地上を流れるような柄も有りになります。

【ボリューム】

首の周りに巻いてボリュームを出したい時、ジャケットの内側にしまうためにボリュームを抑えたい時と、使い方によってストールに求めるボリュームは変わってきます。

ストールのボリュームは生地の厚みではなく、幅の太さで差を出します。

幅の広いものを大判として扱っているブランドが多く、その表記を目安にすることができますが、実際には生地との組み合わせでもボリュームは変わってくるものです。

実際に手にとって、そのボリュームを確認してみることをお薦めします。

男性のストールの巻き方

男性向けのストールの巻き方のうち、代表的な巻き方をご紹介しましょう。

【垂らし巻き】

名前には「巻き」と付けられていますが、首に巻かずに掛けるだけで両脇に垂らすだけのスタイルです。

ジャケットの襟に沿って内側に仕込む場合にも、垂らし巻きになります。

さりげないアクセントになりますが、縦のラインが強調されるために身長が高く見えるという効果もあります。

【一周巻き】

マフラーの巻き方としてお馴染みの、首の周りを一周させるだけのシンプルな巻き方で、エディター巻きとも言います。

アウターの上から巻くのが基本で、簡単であることと同時に、どんなアウターとの相性も悪くならないのが特徴です。

マフラーと違って生地に柔軟性が有るため、キッチリと巻かずにルーズにしたり、捻じれを加えて雰囲気を変えるような演出もできます。

【ワンループ巻き】

ストールを半分に折った状態で首にかけ、折返し部分を輪にみたててもう一方を通すだけの簡単巻きです。

巻き方は一周巻きと同様にシンプルですが、首元に隙間ができないことで、防寒性はこちらの方が優れています。

折返し部分が大きくなって収まりが悪いようであれば、軽く捻ってから巻くと収まりが良くなります。

【プレーンノット巻き】

ネクタイの結び方を応用したのがプレーンノットです。

その名の通り、結び方はネクタイのプレーンノットと同じですが、ストールの場合には首元から少し下ろした位置に結び目を持ってきます。

ネクタイのような締りの有る印象を作ることができますが、そのポジションは、キッチリ締まったネクタイよりもユルく、緩めたネクタイよりもキチンとしてるといったところです。

Vゾーンに立体感を演出できますが、ボリュームが出過ぎると鬱陶しくなるだけですので、大判は避け、薄手の生地のものを選ぶようにしましょう。

【ジョルジナ巻き】

イギリスのスカーフデザイナーが考案したとされる巻き方です。

イタリアの伊達男の定番として、雑誌でよく紹介される巻き方で、「ダブルクロス」「ミラノ巻き」「ピッティ巻き」とも呼ばれています。

左右を交差させる結び方で、結び目らしい結び目を持っていないにもかかわらず、崩れにくく、形を長時間キープできる巻き方としても紹介されます。

【ツイスト巻き】

ツイスト巻きは、有名な俳優がよくそのストールの巻き方をしていることから、認知度が高いかもしれません。

首元のアクセントとしては優れたデザイン性を持っています。

【アスコット巻き】

Vゾーンを埋めるアスコット巻きは、コートやスーツに相性良くはまります。

横向きの区切りを持たないアスコット巻きは、縦長のラインでスッキリした印象を作り出します。

少し変わった巻き方

男性向けの巻き方には、マフラーのような巻き方が多いのですが、ストールならではの巻き方も存在します。

【アフガン巻き】

アフガン巻きは、ストールを三角形に使います。

正方形のストールを半分に折り、三角形を首の前にくるようにして両端を首の後から一周させた後で三角形の下で結びます。

ストールの使い方の中ではかしこまらない使い方で、Tシャツとも相性が良い巻き方です。

カジュアルな出来上がりになりますので、ストールはハードルが高いと感じている人にも、挑戦しやすい巻き方かも知れません。

正方形のストールを使いますので、長方形のストールでは上手くできない点に注意が必要です。

【スヌード巻き】

ストールでネックウォーマーの様なスヌードを作る巻き方で、長方形ストールを対角線で使います。

対角線上の両端を結んで輪を作ったストールを、結び目が後ろに来るように首にかけます。

前で一捻りして、輪を8の字にして、首にかけると出来上がりです。

別名8の字巻きとも言われる所以です。

暖かく形が崩れにくい巻き方なので、寒い日に外で活動するような時に合うでしょう。

ストールは表情豊かな巻き物

男性用のストールと考えると、どうしてもマフラーのような使い方になってしまいがちです。

しかし、ストールはその生地の薄さから、マフラーからは出ない表情が出てくるのが特徴です。

また、そのルーツから、コーディネートに上品さを加えるアイテムにもなります。

少しハードルが高いかも知れませんが、使い始めれば色々な意味で便利であることが分かっていただけると思います。