ご自宅でウールのセーターを洗濯したら、生地が縮んでしまったことはありませんか?
お気に入りのセーターが縮んでしまうと焦りますが、直す方法はいくつか存在するのです。
そこで今回は、デリケートな動物性繊維のセーターに焦点を当て、手軽に試せる「縮みの直し方」を中心にご紹介していきます。
縮んだセーターを元通りにして、普段と変わらないオシャレを楽しんでください。
セーターの縮みが気になったら「ヘアコンディショナー」で直す!
この記事では、動物性の繊維を使ったセーターについてお話ししていきます。
羊毛を使用した「ウール」や、カシミアヤギの毛を使った「カシミア」などが当てはまります。
やさしい肌触りが心地よく、こうした素材のセーターを愛用している方は多いですね。
しかしながら、大変デリケートな素材であるため、洗濯する際は少し注意が必要です。
ウール100%のセーターをうっかり水洗いをしてしまえば、たちまち収縮化を起こして縮んでしまいます。
着られないほどに縮んでしまうこともありますが、あるアイテムを使えば元通りに直すことができるかもしれません。
まず、用意する物は、「ヘアコンディショナー」です。
必ず「アモジメチコン(ジメチコン)」という成分を配合した物を使ってください。
このアモジメチコンには、絡まって縮んだ繊維を伸ばす効果が期待できます。
それでは、セーターの縮みを直すやり方を見ていきましょう。
【用意する物】
・ヘアコンディショナー(適量)
・ぬるま湯(30℃)
・洗面器
【作業手順】
①セーターを洗面器に入れる
②ぬるま湯を注ぐ
③ヘアコンディショナーを入れる
④セーターをほぐしていく(30分程度浸けおきしてもよい)
⑤セーターを絞る
⑥セーターを広げて平干しする
少し縮んだ程度のセーターであれば、広げて平干しをするだけでも伸びるでしょう。
ただ、かなり縮んで裾が短くなってしまった場合には、次項でご紹介する干し方を参考にしてみてください。
縦縮みを直すならセーターの干し方も重要!
前項では、ヘアコンディショナーを使った直し方についてご説明しました。
もしも、セーターの縦縮みが激しいときには、干し方にポイントがあります。
セーターを前述した方法でヘアコンディショナーに馴染ませたあと、絞ってからハンガーにかけます。
そうしたら、セーターの裾に「重し」をぶら下げてみてください。
重しは水の入ったペットボトルなどで構いません。
これを取っ手のついたカゴに入れれば、引っかけて使えるようになります。
重しをぶら下げる裾部分には、パンツ用ハンガーを取りつけます。
パンツ用ハンガーとは、裾全体を挟むことができるハンガーのことを指します。
セーターの裾部分を挟めば、金具の部分は下を向きますから、カゴの取っ手をぶら下げることが可能になります。
縮みの度合いによって重しの重量を調整しながら、セーター生地を伸ばしてみましょう。
この方法で、裾が短くなってしまったセーターを直すことができるかもしれません。
縮んだセーターは「スチームアイロン」で直すこともできる!
ここでは、「スチームアイロン」を使った直し方をご紹介していきます。
もともとウールやカシミアは動物の毛なので、人間の髪の毛と同じような構造をしています。
我々もヘアアイロンを使って、髪の毛をストレートに伸ばすことができますよね。
スチームアイロンを使った直し方も、それと同じ原理です。
熱いスチームを当てていくことで、セーターの縮みを直すことが可能になります。
それでは、作業手順を見ていきましょう。
【用意する物】
・スチームアイロン
・アイロン台
【作業手順】
①アイロン台の上にセーターをのせる
②セーターにスチームを当てる
※アイロンは直接セーターに当てないでください。
数センチ間隔をあけて、浮かしながらスチームを当てていきます。
③セーターを手で伸ばす
※アイロンで火傷をしないように、十分注意しながら行ってください。
さまざまな方向から生地を伸ばしていきます。
④何度か(2)と(3)の作業を繰り返す
ヘアコンディショナーを使った方法と併せて覚えておきましょう。
セーターの正しい洗い方!ぬるま湯で手洗いが基本
セーターの縮みを直すことができたなら、正しい洗い方についても学んでおきたいところですね。
まず、ご自宅でセーターを洗濯していく前には、必ず「取扱い絵表示」をチェックしてください。
「水洗い不可マーク(バツ印がある絵表示)」の場合には、水洗いができません。
このようなセーターは、水を使わない「ドライクリーニング」が最適です。
水洗いが可能だった場合には、ご自宅で洗濯をすることが可能になります。
オシャレ着用洗剤を使って、ふんわりと仕上げていきましょう。
ここでは、手洗いするときの手順をご紹介します。
【用意する物】
・オシャレ着用洗剤(中性洗剤)
・ぬるま湯(30℃)
・洗面器
・タオル
【作業手順】
①洗面器にぬるま湯を入れる
②オシャレ着用洗剤を溶かす
③セーターを入れてやさしく洗う
※強く揉んだり擦ったりしないでください。
④軽く絞ってから水気を切る
⑤タオルで包み水気を取る
⑥平らな場所で陰干しをする
擦ってしまうと縮みやすくなるので、やさしく扱うことがポイントです。
近年は洗うことができる「ウォッシャブルウール」という素材があるので、気になる方は調べてみるといいでしょう。
クリーニング店でもセーターの縮みは解消できる?
セルフで行える直し方や洗い方をご紹介しましたが、状況次第では「プロに任せてみる」という判断も悪くないと思います。
素人では直すことができないような度合いの縮みであれば、専門のクリーニング店に任せてみましょう。
家庭にはないような道具や薬剤を取り揃えていますし、なにより技術や経験のあるスタッフが対応してくれるので安心です。
しかし、セーターの縮み直しは全てのクリーニング店で頼めるというわけではありません。
単なるクリーニング作業だけでなく、衣類の修繕まで扱っているような店舗でなければ受けつけてくれない可能性があります。
縮み直しを扱っているクリーニング店を探すためには、「リフォームオプション」が豊富にあることを目安としてみてください。
また、「特殊クリーニング」「高級素材対応」とうたっているクリーニング店は、縮み直しに対応していることがあります。
可愛くリメイク!いらないセーターは「フェルト化」させてみる?
これまで、縮んだセーターを直す方法についてご紹介してきましたが、ご自分に合ったやり方は見つかりましたか?
縮みが激しくなることを「フェルト化」と呼びますが、着なくなったセーターをあえて縮ませ、リメイクして楽しむ人も増えているようです。
セーターをフェルト化させれば、ハサミで切ってもほつれないので生地素材として扱いやすくなります。
ここではひとつの楽しみ方として、セーターをフェルト化させる方法についてご紹介します。
※フェルト化に適しているのは「厚手」で「動物性繊維95%以上」のセーターです。
それ以外だと、縮みの度合いが低くなります。
【用意する物】
・いらなくなった動物繊維のセーター
・洗剤
・お湯(60℃)
・冷水
・洗面器
・軍手
・ゴム手袋
【作業手順】
①洗面器にお湯と洗剤を入れる
②軍手の上にゴム手袋をはめ、セーターを洗う
※これを5回程度繰り返します。
③すすいで冷水に浸し、水気を切る
④よく乾燥させる(乾燥機でも可)
これでセーターのフェルト化が完了します。
フェルト化したセーターは、ポーチやルームシューズにリメイクすることができます。
「無理して縮んだセーターを直す必要はないかな?」という方におすすめです。
縮んだセーターを捨てるのはまだ早い!
この記事では、縮んでしまったセーターの直し方や、正しい洗い方を中心にご紹介しました。
どのご家庭にもある「ヘアコンディショナー」と「スチームアイロン」を使えば、セーターの縮みは解消することが分かりました。
ご自分で直せる自信がないときには、専門のクリーニング店へ依頼してみてください。
また、あえて縮ませてリメイクを楽しむという活用法もあります。
縮んだセーターをどうするのか、もう一度考えてみましょう。