冬に暖かさをくれるダウンジャケット。
しかし、冬が終わると一転かさばって邪魔になることがありますよね。
そんな時によくやってしまうのが、圧縮袋で潰して保管してしまうというもの。
次の冬に「いざ!着よう!」と開けてみたら潰れてシワシワ。
気分もすっかり落ち込んでしまいます。
そんなときに活用できる復活テクニックがありますので、ダウンを復活させてファッションアイテムのポイントにしましょう。
圧縮からの復活の前にまずは知ろう!ダウンジャケット!
今回、間違って圧縮してしまったダウンジャケットを復活させる方法を中心にお話をしてまいりますが、まずは主役となるダウンジャケットについてご説明いたします。
ダウンジャケットは主に「ダウン」と「フェザー」を中綿に使用しているものを指しています。
【ダウン】
ダウンというのは水鳥に生える羽毛のことで、カラスやニワトリなど水鳥でない種は持ちません。
芯のような羽軸がなく、綿毛のような形状になります。
しなやかな柔らかさを持ち、保温性に優れているのが特徴です。
羽が重なる部分に隙間が生じ、そこに空気の層ができます。
その空気の層が外気の遮断効果を生み、優れた保温効果を得ることができるのです。
その為、羽枝が多いものが良質とされます。
【フェザー】
一方フェザーは芯となる羽軸を持つ、正に羽根ですね。
6.5センチメートルを基準にスモールフェザー、ラージフェザーと種類分けされます。
スモールフェザーは弾力性に優れ、こちらをダウンと合わせてダウンジャケットに使われることが多いようです。
また、この「ダウン」と「フェザー」が使われる水鳥ですが、ガチョウとアヒルの2種が代表とされます。
ガチョウの方から良質な羽毛が取れるため、一般的には高級とされます。
またダウンジャケットの品質表示ではよく「ダウン何パーセント、フェザー何パーセント」とありますが、ダウンの率が高いほど高級品とされています。
ダウンジャケットを圧縮してしまうと潰れたまま?復活は?
さて、前項でお話ししましたように、ダウンジャケットはとてもデリケートな「ダウン」と「フェザー」が使われています。
圧縮袋で平らな状態に圧縮してしまいますと、「ダウン」は柔らかさを失い潰されてしまいます。
同様に「フェザー」も柔らかさを失い、羽軸は折れてしまい潰されてしまいます。
勿論生地もシワシワになってしまいますし、この圧縮した時の負荷で「フェザー」の羽軸が刺さるなどダメージの危険もあるのです。
そして最大の特徴である、「ダウン」と「フェザー」で作られた保温効果を発揮する空気の層は全て失われてしまいます。
「ダウン」と「フェザー」それに生地を圧縮したことにより最悪の状態が重なってしまうと、100パーセントの状態に復活させることは不可能になってしまいます。
これらのことからダウンジャケットには圧縮袋の使用はおすすめできず、非推奨行為と思われます。
ちなみに、これらは「羽毛布団」「羽根布団」も同様です。
それでも諦めずに圧縮したダウンジャケットの復活にチャレンジ!
前項の中でダウンジャケットを圧縮袋にしまってしまった場合に、最悪の状態が重なると100パーセントの状態への復活は難しいことをお話ししました。
しかしながら、最悪の状態が起こっていないことを願いつつ、もし仮にそうだとしても80パーセントいや90パーセント以上の復活を目指して試みるべきではありますね。
ここから、具体的に圧縮収納をしてペシャンコになってしまったダウンジャケットの戻し方を見てまいりましょう。
やってみるべき方法としては次のようなものがあります。
・厚目のハンガーに掛け風通しの良い場所で様子を見る
・手で揉み解してみる
・乾燥機にかける
・専門店に頼む
これより一つ一つご説明してまいります。
【厚目のハンガーに掛け風通しの良い場所で様子を見る】
まず、この「厚目のハンガーに掛け風通しの良い場所で様子を見る」ですが、圧縮時に湿気も一緒に入り込んでしまっている可能性もあります。
勿論、外からは湿気を感じることは無いかもしれませんが内部でそのような状態が起こっている可能性もあります。
とりあえずは、そのまま自然乾燥で3日から5日程様子を見てみましょう。
この時に幅の厚目のハンガーを使うのは、幅が細いと重さで中の羽毛が潰れてしまう可能性があるからです。
これは後述しますが、収納時も同様です。
圧縮してしまったダウンジャケットの復活方法「手での揉み解し」!
圧縮してしまったダウンジャケットを復活させる方法として前項では「厚目のハンガーに掛け風通しの良い場所で様子を見る。」ことを紹介いたしました。
それでも直らない場合には、次の作戦です。
【手で揉み解してみる】
完全に乾いている状態であるにも関わらず、戻らない場合には手作業で揉み解す作業も効果が期待できるようです。
塊になっていたり偏ったりしている状態の場合には、肩部分をもって揺すったり振ったり軽く叩くなどして羽毛に刺激を与えてみましょう。
これにより偏りが無くなることも期待できます。
また潰れてしまったダウンジャケットは、中に空気を戻す(含ませる)と復活しやすいです。
羽毛が潰れてしまっている、羽毛と羽毛が絡み合ってしまっているような状態ですと、空気の層が形成されず萎んでしまっています。
ジャケット内のダウンやフェザーを手で慎重かつ丁寧に揉み解していきましょう。
上記同様に、この場合もある程度定期的に肩部分を持って上下に振って振動させ、羽毛を内部で移動させる作業もくわえるとより効果的です。
こちらの作業は非常に根気が必要です。
均等になるように「揉み解し」と「振り・揺すり」を繰り返し行っていけば徐々に元の姿に近付いていきます。
時間はかかりますが、安全な方法ですしこれによりダウンジャケットを復活させた人も多くいるようです。
なお、ある程度復活してきたら前述のようにハンガーに掛けて干しておき馴染ませておきましょう。
圧縮してしまったダウンジャケットの復活方法「乾燥器の使用」!
引き続き圧縮してしまったダウンジャケットを復活させる方法をご紹介します。
【乾燥機にかける】
こちらの乾燥機は自宅できる最後の手段かもしれません。
こちらは洗えるダウンジャケットというのが条件になりますのでご注意ください。
潰れてしまったダウンジャケットを乾燥機にかけてふっくらとさせる方法になります。
この際、先に一度洗濯すると仕上がりもよくなりますし、乾燥時にはダウンジャケットと一緒に硬式のテニスボールやドライヤーボールを2、3個入れると揉み解し効果も期待できます。
低温設定機能があるドラム式乾燥機であれば大丈夫です。
テニスボール3個と洗濯し終わったダウンジャケットを裏返しにし、乾燥機に入れて低温で乾燥させます。
時間は機種によって異なると思いますが、必ず低温で対応してください。
テニスボールの揉み解し効果で余分な水分除去に羽毛の立ち上げが期待でき、これによって空気層の確保に繋がりふっくらとした仕上がりが期待できるのです。
ご自宅に乾燥機がない場合にはコインランドリーでも対応が可能ですが、低温設定があるかは確認が必要です。
もし水洗い不可のダウンジャケットであればこの対応はできません。
その場合は、最後にご紹介した「専門店に頼む」ことに期待をかけましょう。
ただ、ダウンジャケットの場合にクリーニング店で失敗した例も多く聞きますので、工場隣接の職人がいるようなお店で確認できると安心です。
圧縮から復活したダウンジャケットの適切な保管法!
さて、圧縮という危険から何とか復活させた愛着のあるダウンジャケットをどのように保管するのが良いのでしょうか?
もう潰すようなことはご免被りたいですよね。
基本的にダウンジャケットは幅の厚いハンガーにかけて日のあたらないクローゼットで収納をしましょう。
前述のように幅の厚いハンガーは接触部分の羽毛が潰れないように面積の大きなものが理想なのです。
場所を取るので丸めたりたたんでしまいたくなるのですが、あの復活の手間を考えれば空気を含ませた状態で保管しましょう。
この際に、他の衣類に潰されないようにゆったりとしたスペースの確保と、羽毛は虫が付きやすいので防虫剤の使用も必要です。
このように収納には気を使うダウンジャケットですが、一生使いたいような高価なものであればなおさらこれら収納時のケアは必要です。
高級になればなるほど通気性も良く湿気も吸いやすいので、定期的に陰干しなどをするのも湿気対策になりおすすめです。
お気に入りのダウンを復活させたら充実ケアしよう!
今回、ダウンジャケットを圧縮してしまった際の復活方法についてご紹介してきました。
意外に知らなかったことも多いかもしれませんね。
ダウンジャケットは寒い冬に身も心も温めてくれる素敵な相棒ですから、大切に扱い長い付き合いをしたいものです。
少々面倒なところもありますが、長く愛用できる相棒ですから心を込めてケアしてあげれば、その分きっと暖かさも倍増してくれますね。