雨の予報が出たとき、用意するものは傘や長靴といったアイテムでしょうか。
車や電車での移動であればこうしたアイテムだけで雨風は防げるかもしれません。
しかし、自転車に乗って移動するとき、傘をさして運転すると視界が遮られて危ないです。
そんなときに利用したいのがポンチョやレインコートと呼ばれる雨具ですが、この2つの違いはあるのでしょうか。
雨の日に役立つポンチョとレインコートの違いや特徴、お手入れ方法などを解説していきます。
自転車の傘さし運転はダメ!ポンチョやレインコートを使おう!
自転車といえども、自動車と同様に車両扱いです。
2015年6月1日に施行された改正道路交通法では、自転車を運転するとき、傘などの物を持つ行為で視界を妨げる行為や、安定して自転車を走行できない場合は罰則があります。
なかには傘を自転車に固定できる器具なども見受けられますが、バランスを崩す可能性があるため、積載制限の違反とみなされるのです。
自分の体を守るためにも、まわりの人に迷惑にならないためにも、傘をさして自転車を運転することは止めましょう。
では、雨が降る日はどのようにして雨風から身を守ればいいのでしょうか。
雨の日に自転車を運転するときは、雨具を使用しましょう。
しかし、雨具といっても「ポンチョ」や「レインコート」「レインジャケット」などと呼びかたはいろいろありますよね。
次項から、ポンチョとレインコートの違いについて解説していきます。
ポンチョは頭からかぶるタイプの雨具
ポンチョとレインコートの違いについてお話ししていきます。
まずポンチョとはスペイン語で、四角形の布の中心に穴が空いており、そこから首を通して着る衣類のことです。
主に中南米で着られてる防寒・防風を目的とした衣類のことで、撥水性や断熱性に優れる毛織物のことを指します。
一方、雨具としてのポンチョは上記のような毛織物とは違い、防水性を維持できる素材で作られていて、頭を覆うフードが付いています。
四角形の中心に穴があり、そこから首を通して着るのは、毛織物と同じ構造です。
袖がないために全体的に緩やかなシルエットが特徴で、背中にリュックを背負っていても着ることができます。
また、使わないときはコンパクトに畳むこともできるため、携帯性に優れている雨具です。
バッグに入れておける大きさだと、急に雨が降ってきても対応することができますね。
ただし、ボトムスはないため、足元が濡れてしまう問題があります。
ポンチョとレインコートの違いは?
続いて、レインコートについてお話ししていきます。
レインコートは英語で、前項でお話ししたポンチョとは違い、袖のある洋服のような雨具です。
丈が短い物はレインジャケット、レインコートとボトムスがセットの場合はレインウェアと呼ばれていて、防水性のある素材で作られています。
もちろん雨風から頭を守るフードも付いていますよ。
雨をよりシャットアウトするための機能が備わっている印象ですね。
ただし、水を通さない素材でできているため、体から出た水蒸気も通しません。
すると、行き場を失った水蒸気はレインコート内で冷やされ、長時間着ていると蒸れるという問題もあります。
ポンチョとレインコートの違いについてお話ししてきました。
ポンチョは袖がなくて頭からかぶるタイプ、レインコートは洋服のように着るタイプであることがお分かりいただけたかと思います。
この違いから、それぞれのメリットとデメリットについてみていきましょう。
それぞれの違いから分かるメリットやデメリット
まずは、ポンチョの良い面、注意したい面をみていきましょう。
◯ポンチョのメリット
・通気性に優れている
・着脱が簡単
・荷物も雨から守れる
・デザインが豊富
△ポンチョのデメリット
・足元が濡れる
・風でめくれてしまう
・歩くとき傘が持ちにくい
以上のことから、長時間の外出時や激しい雨のときは、ポンチョは向きません。
近くのスーパーに行くときや、雨風が少ないときに利用するといいでしょう。
続いて、レインコートの良い面、注意したい面をみていきます。
◯レインコートのメリット
・ポンチョと違い動きやすい
・歩くとき傘を持ちやすい
・荷物が持ちやすい
・上下セットだと防寒着としても使える
△レインコートのデメリット
・素材によって蒸れやすい
・自転車を運転する際に裾が汚れやすい
・着脱が大変
・荷物は濡れてしまう
ポンチョと比べると防水性に優れているため、激しい雨に対応することができます。
長時間の外出時などに利用するといいですね。
ポンチョやレインコートのお手入れ方法!洋服と違い脱水しないこと!
雨が降っているときに活躍するポンチョやレインコートですが、多くの人が使ったあと自然乾燥させて保管していることでしょう。
乾燥させてから保管するということ自体は間違いではありませんが、このようなお手入れ方法だと劣化を進めてしまう原因にもなりかねません。
というのも、雨の中にはホコリなどが含まれているため、ポンチョやレインコートの汚れが蓄積されてしまいます。
すると、カビがはえたり撥水機能の低下を招いてしまうため、雨具を長く使用したいのであれば、お手入れは欠かせません。
洗濯表示を確認し、洗濯機が使えるようであれば洗いましょう。
【手順】
①泥などの汚れが気になるときは、中性洗剤を雨具に染み込ませておきましょう。
②雨具を畳んで洗濯ネットに入れます。
③洗濯表示に従い、すすぎまで終えます。
洗剤が残っていると劣化の原因になるため、液体洗剤を使用し、2回すすぎをしてください。
④すすぎまで終えたら、洗濯機から雨具を取り出します。
洗濯機で洋服を洗うときとは違い、脱水は行いません。
⑤タオル等で雨具の水気を拭き取り、風通しのいい場所で陰干ししましょう。
手洗いの場合はバケツにぬるま湯を張り、中性洗剤を数滴入れて溶かします。
そこに雨具を入れて、広げたり戻したりして優しく洗いましょう。
水を入れ替えながら数回すすぎ、タオルで水気を拭き取ったら陰干しします。
雨具を着て自転車を運転するときの注意点
これまで、ポンチョとレインコートの違い、お手入れ方法についてお伝えしてきました。
安全面から傘さし運転ができないことから、ポンチョやレインコートなどの雨具が活躍することでしょう。
ただし、使い方を間違えると、こうした雨具による怪我も報告されています。
●駆動部への巻き込まれ
ポンチョの裾が車輪に巻き込まれる可能性があります。
ロングタイプのポンチョは、十分に気を付けましょう。
レインコートでも、チェンカバーのない自転車に乗るとチェーンに巻き込まれることがあります。
●視界遮断
ロングポンチョを着る場合、裾尾が風などで舞い上がって視界が遮られることがあります。
留め具をきちんと行っていないと、とても危ないです。
また、レインコートでも、フードを正しくかぶっていないと視界が遮られてしまいます。
首回りの調節機能をよく確かめてから、正しくかぶりましょう。
以上のように、より安全に使用するためにも、自転車専用に開発された雨具や正しい着方、使用上の注意をよく確認して使うことが大切です。
目的に合わせて選ぼう!
ポンチョは着脱が簡単なので、近くに買い物にいったり、小雨のときなどに便利です。
一方、レインコートは強い雨でもシャットアウトできる機能があります。
このように、それぞれの特性を理解し、目的に合わせて選んでみるといいでしょう。
自転車に乗るときはどちらの場合でも正しく着用し、安全に走行してくださいね。