ジーンズの魅力のひとつには、穿き続けていくうちにできる「色落ち」も挙げられます。
その色落ちにも種類があり、ヒゲやハチノスというものもあります。
今回はそんなジーンズの色落ちについてお話をしていきます。
色落ちの仕組みについても知り、自分だけの特別なジーンズにしてみませんか?
ジーンズについて改めて確認しよう!
多くの方が1本は持っているであろうジーンズ。
子供の頃から当たり前のように穿いている方も多いと思います。
ジーンズとは一般的に、「デニム生地のズボン」を指しています。
しかしながら、ズボンに限らずデニム生地でつくられた衣類全般をジーンズと呼ぶこともあれば、生地自体を言い表すこともあります。
例えば、デニム生地のジャケットを「ジージャン」と呼びます。
これは、「ジーンズジャケット(ジャンパー)」の略語ですから、ジーンズがデニム生地のことを指していることがおわかりいただけると思います。
とはいえ、先述したように、一般的にはデニム生地でつくられたズボンをジーンズと呼びますから、ここでもデニム生地のズボンという意味で、ジーンズのお話をしていきます。
ジーンズには、たくさんの種類があります。
例えば、生デニムやワンウォッシュ、ハイライズ、クラッシュなどのものが挙げられます。
中にはストレッチ性の高いものもあるので、自分好みのジーンズを見つけることができるでしょう。
そして、そんなジーンズの魅力のひとつには、穿き続けていくうちにできてくる「色落ち」が挙げられます。
では、この色落ちの仕組みとは、どのようなものなのでしょうか。
後ほどヒゲやハチノスについてもお話ししますが、その前に色落ちの仕組みについて次の項でご説明します。
ヒゲやハチノスなどの種類があるジーンズの色落ちの仕組みとは?
ヒゲやハチノスなどの種類があるジーンズの色落ちですが、ここでは、色落ちが発生する仕組みについてお伝えします。
まず、普段穿いているジーンズの多くは、「綾織り」という織り方でつくられています。
ジーンズ表面のインディゴブルーは縦糸の色で、これには伝統的な藍染めの染料が使われていることが多いです。
ただしこの染料は、浸透力が低く、糸の中心まですべて染めることがほとんどできないといわれています。
そのため、糸の表面だけきれいなインディゴブルーに染め上げられていることが多いでしょう。
染められなかった糸の中心は、白のままです。
また、藍染めの染料は吸着力も弱いので、色落ちしやすい性質も持っています。
例えば摩擦が発生した場合、ジーンズの縦糸の表面はけずれていきます。
そうなると、外側の藍染めの染料もけずれていくので、次第に糸の中心部の白の部分が見えてきます。
これがジーンズの色落ちの仕組みなのです。
色落ちしてしまうと残念に思うかもしれませんが、ジーンズの場合はこの色落ちが魅力といえます。
ヒゲやハチノスなどの色落ちによってジーンズの価値も変化
お伝えしましたように、ジーンズを穿き続けることによってできる色落ちは、ジーンズの魅力のひとつです。
穿けば穿くほど、自分の身体に合わせてジーンズの色の濃淡も変化し、自分だけの模様のジーンズができあがります。
世界にひとつだけのジーンズともなれば、ジーンズを穿く楽しみも増えていきますよね。
また、ジーンズの色落ちは、ヴィンテージジーンズ市場では評価基準のひとつでもあります。
ヒゲやハチノスなどの色落ちの程度次第で価値も変化し、良い状態のものであれば高値で取引きされることもあるようです。
次の項から、いくつかジーンズの色落ちの種類をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
まずは「アタリ」についてお話をしていきます。
ジーンズの色落ちのひとつ!「アタリ」って何?
ジーンズの魅力でもある色落ちには、ヒゲやハチノスなどの種類があり、中でもアタリがしっかり出たものは、「かっこいい色落ちのジーンズ」と評価されています。
アタリとは、主にジーンズの縫い目や裾、ポケット部分の凹凸によって生じる、生地が擦れて色落ちしてしまった状態のことをいいます。
例えば、ジーンズの裏側を見たときに、縫い目に生地余りがありませんでしたか。
この生地余りによってジーンズの表面にに凹凸が生じ、線状の色落ちが発生するようです。
これが主なアタリです。
ただし、まれに生地余りが斜めに折れていたり、きれいに開かれていなかったりしていることがあります。
この場合、きれいな線状とはいえないアタリとなってしまいますので、しっかりとしたアタリを出したい場合は、癖付けが大切です。
ジーンズに癖を付けるには、やはり日頃からの穿き込みがポイントとなるでしょう。
ジーンズは穿き込むにつれて、生地の伸びや折り目などが定着してくるので、できれば購入後から癖付けしはじめると良いでしょう。
ヒゲはどういうもの?きれいに出すためには
ここでは、ヒゲについてご説明していきます。
ジーンズを穿いたまま椅子に腰かけると、脚の付け根周辺にシワができますね。
ここでできたシワが経年劣化によって色落ちを進め、股関節から太ももにかけて、放射線状に色落ちを発生させます。
この色落ちの模様が「動物のヒゲ」のように見えることから、「ヒゲ」と呼ばれています。
つまりヒゲとは、ジーンズのシワが経年劣化によってできた、ヒゲのような模様の色落ちのことをいうのです。
このヒゲをきれいに出すには、とにかくジーンズを穿く回数を増やすことが大切です。
アタリのご説明でも述べましたように、ジーンズに癖付けしておくことが、ヒゲをきれいに出すポイントともいえます。
穿く回数が増えれば、自ずとジーンズのシワがくっきりと付くようになるので、色落ちもきれいに出るでしょう。
次は、ハチノスについてお話しします。
ハチノスはどのような色落ちなの?
ヒゲの次は、ハチノスについてご説明します。
ハチノスはその名前のとおり、蜂の巣、もしくは蜘蛛の巣のような模様の色落ちのことをいいます。
膝の裏にできることが多く、色落ちの仕組みとしてはヒゲとほとんど同じです。
歩く・座るなどの動作によって、ジーンズに深いシワができるので、これが徐々に色落ちしていき、ハチノスになるというわけです。
ハチノスをきれいに出すには、アタリやヒゲと同様、着用回数を増やすことです。
シワを癖付けして、きれいな色落ちに仕上げられるようにしてみましょう。
ちなみに、ヒゲもハチノスも、しっかりと出したい場合は細めのジーンズのほうが良いでしょう。
タイトなジーンズのほうが、だぼっとしたジーンズよりもシワができやすく擦れやすいので、色落ち速度も速いようです。
ヒゲやハチノスがしっかりと色落ちするまでは、リジット(糊付きの未洗いの状態)から、だいたい2~4年後ともいわれています。
そんなにすぐに色落ちはしませんので、なるべく早くジーンズを色落ちさせたいという方は、細身のジーンズを選ぶと良いでしょう。
きれいな色落ちにするために!たくさんジーンズを穿こう
ジーンズの魅力でもある色落ちには種類があり、今回は3種類の色落ちについてお話ししてきました。
どれもきれいに色落ちさせるには、ジーンズの着用回数を増やし、シワを癖付けすることが大切です。
自分だけのジーンズになるとなれば、穿く楽しみも増えますよね。
たくさんジーンズを穿いて、自分だけの特別なジーンズにしていきましょう。