ダウンジャケットは、男性にも女性にも人気の冬用アウターです。
特に活動的なメンズにとって、ダウンジャケットはとても重宝するアウターだと言えるでしょう。
一口にダウンと言っても、いろいろな種類があり、グレードがあります。
では、ダウンの中でも高級品と呼ばれているものは、他とどこが違うのでしょうか。
ダウンジャケットの基礎知識
ダウンジャケットは、羽毛を詰めた防寒着です。
1930年代に考案され、軽くて保温性が高いということで、世界的な人気となっています。
ダウンフェザーは普通の羽根毛と比較して約10分の1という軽さを誇るとともに、汗を放出するという特性も持っていて、寒い地域で作業をする場合にとても役に立つのです。
アウトドア向けのジャケットとして、日本でも1980年代に普及し始めました。
羽毛はダウンパックという袋に入れられていることが多く、キルティング加工して使用します。
一般的なダウンジャケットはナイロン生地でできていますが、ウールやカシミヤなどといった高級素材を利用したものもあり、おしゃれなメンズからの支持を集めています。
ダウンジャケットの品質を決定する要素としては、次の3つが挙げられます。
・ダックとグースの割り合い
・ダウンの産地
・フィルパワー
高品質のダウンはお値段も高くなりますが、それだけの価値があるのも事実です。
まず、軽さと暖かさが違います。
良い品質のダウンほど軽くなりますし、保温力が増すのです。
また、高級なダウンは縫製もしっかりとしており、羽毛が飛び出すこともまれです。
結果的に長く使用できるので、高級品は長い目で見れば経済的で、おすすめということになります。
高級なダウンはグースの割り合いが高い!
ダウンには、大きく分けてダックとグースの2つの種類があります。
ダック(DUCK)とはアヒルのことで、グース(GOOSE)はガチョウです。
高級なダウンほど、グースの割り合いが高くなります。
ダックはグースよりも小さいので、ダウンボール(綿毛)も小さく、羽毛の体積が大きくなると重くなってしまいます。
雑食なので臭いやすいというデメリットもある反面、価格が安いというメリットもあります。
グースはダウンボールが大きく、少ない量でもボリュームが出ますし、草食なのでほとんど臭いませんが、その分高価です。
グースにはさらに、マザーグースという軽量でボリューム感のあるものも存在していて、高価ではありますが人気です。
もうひとつ、ダウンの品質を決めるポイントがあります。
ダウンには芯がなく、ダウンだけではダウンパックの膨らみに欠け、回復力も下がります。
そこで、芯のある「フェザー」を混入させ、ダウンパックの膨らみと回復力を高めています。
このダウンとフェザーの混合率も、高級なダウンを見分ける際のポイントとなっているのです。
一般的には、ダウンが90%以上、フェザーが10%以下のものが高級品の目安となっています。
メンズ向けダウンを購入する際は、ラベルに記載されている混合率をチェックするようにしましょう。
メンズに人気のダウン!その産地は
ダウンジャケットを特に愛用するメンズは、使われているダウンの産地にもこだわっています。
ダウンの主な産地としては、次の7か所が挙げられます。
・ハンガリー
・ポーランド
・カナダ
・アイスランド
・フランス
・ロシア
・中国
ハンガリーは冬の寒さが厳しく、自然が豊富なのでグースやダックの生息地として適している国です。
ハンガリー産のダウンはダウンボールが大きく、軽くて耐久性も優れています。
ポーランドもハンガリーと同様に、グースやダックの飼育に適しており、特に白さが際立つマザーグースの羽毛は、ダウンの中でも高級品に分類されています。
カナダも、保温力と軽さを兼ね備えたダウンを生産している国です。
また、フランスやロシア、中国も盛んにダウンを生産しています。
アイスランドで産出される「アイダーダック」は、最高級なダウンとして有名で、アイダーダックを使用したダウンジャケットはとても高価です。
とはいえ同じ産地でも、地方や飼育方法、羽毛の採取の仕方などに違いがあり、品質も変わってくるので注意が必要です。
結局のところ、ダウンの産地も重要ですが、それ以上に高級品を見分ける際に有効なのが、フィルパワーの数値による選別なのです。
高級品と呼ばれるダウンはフィルパワーが違う
では、フィルパワーとは一体、どのようなものを表す数値なのでしょうか。
フィルパワーとは、直径288mmのシリンダー内に30gのダウンを入れ、上から94.3gの重りを載せて計測した場合の数値(IDFB法)を表しており、フィルパワーが高いダウンは体積が大きいということになります。
一般的には、500フィルパワー以下が低品質ダウンで、500から700フィルパワーが良質、700フィルパワー以上のものを高品質ダウンと呼んでいます。
つまり、ラベルを見て700フィルパワー以上のダウンを選べば、高級なダウンを手に入れることができるというわけです。
フィルパワーが高いと、次のようなメリットが生じます。
・軽くて保温力が高い
・折りたたみやすい
同じ重さのダウンでも、フィルパワーが高いダウンは体積が大きくなるので、保温力が高まります。
というのは、体積が大きくなればなるほど内包する空気の量が多くなるので、熱を逃がさなくなるからです。
また、同じ保温力の場合、フィルパワーが高いダウンの方が羽毛の量を少なくすることができます。
羽毛の量が少ないとコンパクトになるので、バッグに保管することも容易です。
このように、フィルパワーが高いダウンほど扱いやすくて暖かく、活動的なメンズにぴったりなのです。
最高級グレーグースを求めるメンズが急増中
ダウンの中ではアイダーダックが最高級品とされていますが、さらに高級なダウンを求めるメンズたちが増えています。
ダウンの品質は下から、ホワイトダック、グレーダック、ホワイトグース、そしてグレーグースという順番になっています。
つまり、最高級ダウンジャケットとは、グレーグースの羽毛で作られたダウンジャケットだと言えるのです。
ではなぜグレーグースよりもアイダーダックの方が有名なのかというと、グレーグースの産出量がとても少なく、流通量も限られているためです。
グレーグースは、南フランスのペリゴール地方で最上級フォアグラ用に飼育されています。
この地方でのみ飼育され、しかも飼育方法が他では真似のできない伝統的なものなので、大量生産することができません。
数が少ないというだけではなく、放し飼いで飼育されているため、極めて健康的なこともグレーグースの特徴となっています。
このグレーグースの胸元からとれるダウンだけを使用したダウンジャケットが、おしゃれなメンズの注目を集めているのです。
貴重なダウンなのでダウンジャケットも高価になりますが、もしグレーグースを使用したダウンジャケットを見かけたら、手に取ってみるのもよいでしょう。
ダウンジャケットではこの生地がメンズに人気
ダウンジャケットの品質を決定する大きな要素は、ダウンパック内のダウンの種類やフィルパワーですが、ダウンジャケットそのものの生地も重要なポイントとなっています。
ダウンジャケットの生地は、ナイロン製のものがほとんどですが、ナイロン製以外の生地でできているダウンジャケットが、メンズの密かな人気を集めているのです。
ダウンジャケットに使われている生地の素材にはナイロン以外に、「ポリエステル」や「レーヨン」、「カシミヤ」や「ウール」、そして「レザー」などがあります。
これらの中で人気となっているのが、ウールとカシミヤです。
ウールの特徴としては、使用していてシワになることが少ないという点が挙げられます。
また、ウール自体の保温性も高いので、冬用アウターにはぴったりの素材なのです。
カシミヤは高級素材の代名詞で、手触りの良さが特徴です。
毛織物なので防寒具に適しており、高級なダウンジャケットに使用されることが多くなっています。
ダウン自体の性能と生地の違いを考慮し、自分の好みや使うシーンに合ったダウンジャケットを選ぶのが賢明です。
デニム生地のダウンジャケットは少ないですが、他者との差別化を図りたい場合に選んでみるのもよいでしょう。
他のメンズに差をつけるなら高級なダウンがおすすめ
ダウンジャケットは冬用アウターの定番なので、愛用しているメンズも多いものです。
ダウンジャケットのブランドやメーカーも多く、選択肢はとても豊富です。
他のメンズに差をつけたい、あるいは少しでも快適に冬を過ごしたいのならば、高級なダウンジャケットを購入することをおすすめします。
高品質なダウンジャケットならば、きっと気に入ることでしょう。