スカートのホックが取れてしまったとき、皆さんはどうしていますか?
「お気に入りだったのに!」と落ち込みつつ、渋々買い直して気分を切り換えようとしても、後ろ髪が引かれるものです。
そこで、お気に入りのスカートを捨てる前に、自分で直してみませんか?
この記事ではスカートのホックの直し方をお伝えしていきますので、もう一度お気に入りのスカートでおしゃれを楽しみましょう。
スカートに用いられるホックの種類
スカートのホックに用いられるのは、鍵ホックと針金を曲げたような形のスプリングホックです。
スカートの種類によって、鍵ホックが使われるときと、スプリングホックが使われるときがあります。
同じ鍵ホックでも、ホックがシングル幅のものや幅広いもの、2列が横並びになったものもあります。
スカートの場合は、ウエストベルトの幅でホックの幅が違うこともありますね。
皆さんも、自分のスカートをご覧になるとわかるのではないでしょうか。
材質も、ニッケルのほかに真鍮、プラスチックのものもあり、金属アレルギーの人でも使える種類もあるようです。
最近は、鍵ホックを留めるための前カンが伸びるというものもあります。
鍵ホックを留める前カンが1段のものと、3段になっていてウエストの位置が調節できるものもあります。
3段前カンや伸びる前カンは、ゴムのスカートは履きたくないけれど、ウエストがきついのは嫌というときに便利です。
普段はしっかりと止めて、ちょっと食べすぎたときにホックを留める位置がずらせるので、誰にもばれずにウエストの位置を直せます。
成長期の子どもの服にこういった前カンを使うと、成長後しばらくは同じスケートを履くことができて、ウエストを直す必要がありません。
ただ、スカートによっては鍵ホックが使われていないものもあります。
例えば、スカートのウエスト位置にウエストベルトがないものにはスプリングホックが用いられます。
スプリングホックと鍵ホックでは形が異なるため、種類によって付け方が違ってきます。
また、ホックが取れてしまった後も直し方が違います。
今回は、ホックが取れてしまったときの直し方をご紹介しましょう。
スカートホックが取れたら?直す前に準備をしよう
ウエストベルトがあり、しっかりとスカート部分の上に2~3cmのウエスト部分があるスカートは、鍵ホックが使われているものがほとんどです。
鍵ホックやスプリングホックが取れかけているときや、取れてすぐのときは糸が残っていますので、すぐに取り付ける位置がわかります。
しかし、取れてからしばらく経つとホックを付ける位置がわからなくなり、改めて位置を決める必要があるのです。
それでは、鍵ホック、スプリングホックの直し方に入る前にポイントをお伝えしていきます。
まずは、ホックを付ける場所を決めることです。
取れかけていたら、糸切ばさみで一度ホックを取り外します。
糸切ばさみで取ったら、残っている糸の場所をチャコペンなどで印を付けておきましょう。
ホックが取れてしまっても、取れてすぐなら糸が残っていることもあります。
残った糸があるとホックの位置がわかりますので、印を付けてから糸を抜いてください。
後が残っていない場合はファスナーをしめて、ウエストベルトをしっかりと重ねて、残っているホックのかける側、または前カンに合わせて位置を決めます。
それでは、ホックを取り付けるための用具を準備しましょう。
糸はボタン付け用の糸を用意します。
何でもいいのではなく、しっかりとボタン付け用の手縫い糸を用意します。
ボタン付け用の糸は滑りにくく、太さも適していますのでホックを付けるときにも縫いやすいです。
ボタン付け用の糸がなければ、細口、普通地用の糸を用意しましょう。
細口の糸なら二本取りで、普通地用、ボタン付け用の糸なら一本取りでホックを付けます。
針は、手縫い用の針を用意します。
針は「三ノ四」「メリケン針6~7号」が、ある程度の太さがあり縫いやすいです。
直し方は簡単!スカートのホックをしっかり留めよう
それでは、スカートの鍵ホックの直し方の手順を見ていきましょう。
鍵ホックには穴があります。
まずは、針に糸を通して玉結びをします。
糸が細口のときは二本の糸を合わせて二本取りに、ボタン用の糸や普通地用なら一本取りにします。
玉結びや玉止めは、鍵ホックとスカートの生地の間に隠すのが一番ですが、手芸に慣れていない人はスカートの生地裏から針を刺して、縫い始めます。
初めの一針は、印をつけた場所に刺しましょう。
そのまま、鍵ホックの穴を通します。
このとき、左右や上下・裏表が逆にならないように注意しましょう。
刺したら、そのまま穴の外に刺してスカート生地裏に通します。
ウエストベルトがある場合は、しっかりとベルト芯にも通します。
二針目は、同じように穴に通したら、はじめに通した糸に引っ掛けるようにして、穴の外側を裏に刺して戻します。
これを繰り返し、穴の半円を縫い止めます。
最後まで縫ったら、スカート生地裏で玉止めをします。
かける側は3か所、前カン部分は2か所留め付けられたら、ホックのお直しは終了です。
スプリングホックも、鍵ホックと同じ用に直しましょう。
スプリングホックの場合は、ホックの穴の部分だけでなく、軸となる部分も糸を3~4重に通して留め付けて動かないようにします。
初めは難しいため、少しの慣れが必要になります。
どうしても糸をひっかけるのが難しい場合は、普通に糸を穴に通して留めるだけの直し方でも応急処置になります。
ただ穴に通すだけであれば小学校の家庭科範囲の技術で直すことができますが、ひっかけるように穴を止め付けることができれば簡単に取れなくなります。
しっかりと留めることで、再度直す必要がある、といった手間を省くことが可能です。
ホックの前カンがなくなった!そんなときのスカートの直し方
ホックをかける側そのものがなくなったときは改めて購入し直すことになりますが、かけられる側・前カンがなくなったときは他のものを代用する直し方もあります。
用意をするものは、ボタン付け糸と針。
糸ループを作って前カンにする方法です。
まず、糸を針に通したら、二本取りにします。
前カンの位置に合わせてスカートの裏側から針を入れます。
針をしっかりと引いたら、同じ場所に針先を入れ、ほんの少し生地をすくいます。
このとき、あまり少ないとスカート生地が切れてしまいますので、すくう長さは数mmですが、できるだけウエストベルトのベルト芯まですくうようにします。
そこで、指が三本くらい入る輪を作ります。
左手で針を持ち、右手の指を輪の中に入れます。
右手の指で、左手で持った針の下部分の糸を取り、輪の中に通します。
このとき、左手の針は絶対に離さないでください。
すると、また輪ができます。
これを繰り返し、ちょうどホックが通るだけの長さの糸ループを作ります。
スプリングホックの場合は、10回ほど繰り返すと十分な長さになります。
ループをしっかりと張って、前カンを付けるもう一方の印に針を刺します。
このままでは糸ループがほつれてしまいますので、針を再度表に出し、ループの最後の編みの部分に刺してもう一度裏側に刺します。
鍵ホックの場合は、この作業を数回繰り返しましょう。
最後に裏側でしっかりと玉止めをします。
以上が、前カンがなくなってもできるホックの直し方です。
スカートホックの直し方がどうしてもできない人のために
スカートのホックはプロの人にお願いして直すこともできます。
自分で直すことができれば修理依頼にかかる費用を抑えることができますが、人には得手不得手があり、自分で直すのは無理という人もいますよね。
どうしても針を持つことが苦手でできない、先端恐怖症で針が持てないという人のために、プロのお直し専門の人がいます。
そんな人はプロにお願いして、ホックを直してもらいましょう。
プロにお願いする直し方には、二つの方法があります。
一つは、衣服を直す専門のお店にお願いすることです。
衣服のリフォームやリメイクをするお店は、ボタン一つ、ホック一つからでも直してくれます。
流石にプロの直し方は丁寧です。
購入時、あるいはそれ以上にきれいにしっかりとホックが付けられて返ってきます。
ホックは一つ300円ほどで直してもらえますので、家に裁縫道具がないという人は利用するのも方法の一つでしょう。
もう一つは、ついでに直してもらう方法です。
何のついでかというと、クリーニングです。
クリーニング店にも色々あり、洗濯やクリーニングをするお店と、洗濯だけでなくきれいにリメイクしてくれるお店があります。
クリーニングをするときに、ほつれを直したり取れかけたボタンを直してもらうことができます。
中には、紛失してしまった鍵ホックやスプリングホックと同じものを用意して付けてくれることもありますので、不揃いさも気になりません。
クリーニング代そのものが少し高めのクリーニング店や、個人のクリーニング店ではこういった手直しもやっていますので、スカートをクリーニング店に出すときに問い合わせてみましょう。
料金がサービスのときもありますよ。
スカートのホックの簡易的な直し方
ホックのかける側が壊れたり取れたときは、針と糸で付けることになります。
しかし、前カンを落としてしまい、なくなってしまうこともありますね。
なくしてしまったら、同じようなものを探して付けなければなりません。
しかし、前カンがなくなったときは、他のもので代用することができます。
特に出先や、針や糸がないときは安全ピン一つで、簡易的な前カンが作れます。
邪道な直し方かもしれませんが、知っておくと便利です。
安全ピンでただスカートのベルトを直接留めるのではありません。
安全ピンをスカートのウエストベルトの裏側から、取れてしまった前カンの位置に留めます。
すると、ホックを外したり留めることもできるため、普通にスカートを履いたり脱ぐことができます。
しかし、安全ピンで留めるのはあくまでも簡易的な直し方です。
スカートを履いているうちに安全ピンが取れてしまったり、洗濯のたびに外したり留めることになります。
スカートの生地がダメになることもあります。
後日しっかりと前カンを探して、針と糸で直しておきましょう。
ホックが取れても修復可能!お気に入りのスカートを復活させよう
スカートのホックが取れてしまうと、もう使えないと落ち込んでしまいますよね。
お気に入りの一着であればなおさらです。
しかし、新しく買い直す前に直して復活させることは十分可能です。
あるいはプロに依頼すればホックを揃えてくれたり、既製品以上にしっかりときれいに留めてくれます。
お気に入りのスカートを直すことができたら、おしゃれに着こなして出かけましょう!