ジーンズは、履けば履くほど魅力の増すボトムスです。
インディゴブルーが色落ちして白糸が表に出てくると、デニム特有の風合いが醸し出されます。
DIYでダメージ加工を行い、色落ちさせて楽しんでいるジーンズの愛用者も多く、SNSでの交流も盛んです。
では、ジーンズを色落ちさせるダメージ加工にはいろいろな方法がありますが、実際にはどのようにして行うのでしょうか。
ジーンズに関する基礎知識
ジーンズをより楽しむためにも、ジーンズの起源や歴史、特徴などを知っておきましょう。
また、SNSなどで交流を図る時に、共通する基礎知識があるかないかでは、交流の深まり方も違ってきます。
ジーンズとは一般的に、デニム生地で作られたズボンのことを表す言葉です。
デニム生地は、フランスのニーム地方で織られていた綾織物が起源となっており、デニムという名前にその痕跡が残されています。
このデニム生地がイタリアのジェノバから各国に輸出され、ジェノバがなまってジーンズになったという説もあります。
アメリカではゴールドラッシュの頃に、丈夫で擦り切れにくいズボンを必要とした鉱夫たちが、ジーンズを好んで履いていたと言われています。
日本では敗戦後に普及しましたが、そのほとんどはGHQが放出した古着でした。
国産のジーンズは、1960年に販売を開始しています。
初期のジーンズはインディゴブルーに着色されているものが多く、ワイルドでラフなイメージが若者たちの支持を集めました。
また、履いているうちに生じるジーンズの色落ちが、新たな魅力を生み出すということで、ダメージ加工をDIYで行うようになったのです。
インディゴブルーが白く色落ちする原因
ジーンズに使われているデニム生地は、インディゴという染料でインディゴブルー(青藍)に着色をされています。
インディゴという染料は元来、熱帯植物のIndigofera(コマツナギ属)から採取されることが多かったのですが、現在では合成のインディゴが使われるようになりました。
ウール生地をネイビーブルーに着色するためにもインディゴは使用されますが、繊維への定着があまり強くないという特徴があります。
そのため、履いていて何かと擦れたり、洗濯を繰り返したりしていると、徐々に色落ちをしてしまいます。
デニム生地は綾織物で、縦糸にはインディゴで染色された糸、横糸には未染色の糸を使用していることがほとんどです。
縦糸2本に対して横糸1本、または縦糸3本に対して横糸が1本で綾織されるので、デニム生地の裏側は白くなるというわけです。
表のインディゴブルーが色落ちをしたり、擦り切れたりすると、裏地の白色が目立ってきます。
これが、ジーンズが色落ちすると白くなる原因なのです。
ジーンズの色落ちは、膝や股下、ポケットや太もも、裾などでよく発生します。
もしDIYでダメージ加工をするのなら、これらの部分にダメージをほどこすと自然に見えるのでおすすめです。
インディゴブルーと白のコントラストがジーンズの魅力
鮮やかなインディゴブルーの色合いはジーンズの特徴の1つですが、そのインディゴブルーが色落ちすると、新たな魅力がジーンズに加わります。
購入したばかりのジーンズには当然色落ちがなく、インディゴブルー1色です。
その状態から、何度も履いたり洗濯をしたりすることで、他のジーンズにはない表情を持つにいたります。
左の太ももだけ色落ちが激しかったり、ポケットのまわりだけ色落ちが目立ったりと、それぞれの個性を主張するようになるというわけです。
インディゴブルーが色落ちをして白が混じるようになると、白と藍色のコントラストが鮮やかになってきます。
これにより1本ごとに違う個性を持つようになるのが、ジーンズの大きな魅力だと言えるでしょう。
また、色落ちとともにジーンズの魅力を増すのが、擦り切れた部分や穴の開いた部分です。
そのままの状態で履いてもOKですし、補修すればまた違う印象を醸し出します。
色落ちしたジーンズは主張が激しいので、コーディネートするなら素朴なシャツがおすすめです。
すっきりしたジャケットに、程よく色落ちしたジーンズはとても似合いますし、スタジャンなどにもぴったりです。
ジーンズを色落ちさせるダメージ加工の注意点とは
ジーンズをダメージ加工するなら、まず道具を揃える必要があります。
ジーンズの色落ちは通常、経年劣化によるものがほとんどです。
洗濯や他の物との接触がインディゴブルーから白色へと色落ちをさせるので、ダメージ加工を行うならその状況を作り出さなければなりません。
そのため、まずジーンズにダメージを与えるものとして、紙やすりやカッター、おろし金などを用意しましょう。
石などを使う方法もありますが、手を傷つける可能性があるので注意が必要です。
また、ダメージを与える方向も大事なポイントです。
自然な仕上がりを意識して、作業を進めましょう。
ダメージを与える場所や方向が分からないのなら、ジーンズのダメージ加工を扱ったブログや動画を参考にすることをおすすめします。
ダメージ加工の方法は沢山あるので、できるだけ多くのブログや動画をチェックして、自分に合ったやり方を探すのが肝心です。
洗濯の回数などでも色落ちは変わってくるので、SNSなどで先達に質問をするのもよいでしょう。
写真投稿サイトにも、数多くの役立つ情報があります。
積極的に他の人と交流し、知識と経験を増やすのが賢明なのです。
インディゴブルーと白のコントラストが強すぎるなら
ジーンズのダメージ加工は魅力を高めてくれるものですが、時には思ったような色落ちが出せない場合もあります。
たとえば、インディゴブルーと白のコントラストが強すぎたり、ダメージが大きくなり過ぎて履けなくなってしまったりすることがあるのです。
そういった場合には、違う方法でジーンズに手を加えるとよいでしょう。
コントラストが目立ち過ぎるなら、それを逆に活かす方法があります。
ジーンズに好きな文字やイラストをペイントすると、強すぎるコントラストの印象が薄まり、全体的に遊び心にあふれたジーンズが完成します。
ジーンズのペイントは、ペンキやスプレーで行います。
染めるための専用塗料もあるので、必要に応じて使ってみましょう。
また、ダメージが激しすぎて穴が開いてしまった場合には、ワッペンやアップリケを貼るとまた履けるようになります。
アイロンで簡単に貼りつけられるワッペンもあるので、手軽にチャレンジすることができます。
大手通販では、ワッペンやアップリケも数多く取り扱っているので、好みに合ったものを選ぶことが可能です。
ジーンズを加工する方法は沢山あるので、いろいろなやり方を試してみるとよいでしょう。
激しく色落ちしたジーンズはリサイクルで再利用しよう
ジーンズのダメージ加工に失敗したり、何らかの理由で激しく色落ちしたりしてしまったジーンズは、リサイクルで再利用しましょう。
専門のリペア業者に依頼して補修を行うこともできますが、場合によっては料金が高くなります。
また、傷み具合がひどいと、リペア自体が不可能なこともあります。
そのような時には、ジーンズを様々なものに加工して、新たなものに生まれ変わらせる再利用に注目です。
デニム生地は頑丈で、少々の衝撃には耐えることができます。
その特性を利用し、スマホカバーとしてリサイクルするのが静かなブームとなっています。
100均で売っているスマホカバーに、ジーンズの1部を貼りつけるだけで完成です。
ポケットの部分などを活用し、オリジナルなスマホカバーを作り上げてみましょう。
ノートや本のカバーとしてリサイクルするのも、ジーンズの有効活用の1つです。
デニム生地は厚いので、接着芯は必要ありません。
端の部分を折り返して縫うだけで、本のカバーができあがります。
また、デニム地のポシェットやポーチにリサイクルするのも人気のある方法です。
スマホを入れるインディゴブルーのポーチなどにリサイクルして、生活に取り入れましょう。
ジーンズの色落ちをうまく利用しよう!
ジーンズに色落ちは付き物です。
他のボトムスの場合は、色落ちしたものを外で履くのは躊躇するものですが、ジーンズは違います。
独特の個性として、かえってジーンズの魅力が増すのです。
自分でダメージ加工してもよいですし、リサイクルするのも楽しいものです。
色落ちを上手に活用し、ファッションや生活に役立てましょう。