何となく物足りなくて、タンスで眠っているデニムはありませんか?
可もなく不可もない、そんなデニムにはサクっとダメージアレンジを施してみましょう。
遠ざけていたありきたりのデニムが、ビンテージもののように、お洒落なダメージデニムへと変身します。
今あるものをお洒落に変身、そんな究極の今風活用方法を詳しくご紹介いたします。
デニムのダメージアレンジとは!
今回、デニムに施すダメージアレンジの方法をご紹介いたしますが、その前にデニムにおけるダメージアレンジにはどのような加工があるのでしょうか?
実は明確な定義がなく、メーカーや使う人によって様々あるようです。
デニムのメジャーな加工はいずれも中古感・ビンテージ感を表現させるもので、それらを称して「中古加工・ダメージ加工」と呼ぶ場合が多いですよね。
しかし、その中でも「クラッシュ加工」とも称される、デニムを破いたり穴をあけたりするものを「ダメージ加工」と呼ぶような場合もあります。
ここでは、全てひっくるめた総称としての「ダメージ加工」を定義として使い、「クラッシュ加工」を中心にしたデニムアレンジをご紹介してまいります。
【クラッシュ加工(一部ではダメージ加工)】
クラッシュそのものは、砕けるや壊れるという意味で、デニムに穴を空けたりしたダメージを与える加工方法になります。
デニムに穴を空ける以外にも、縦糸を抜き、横糸だけの損傷状態の生地にしたりと様々な工夫があります。
これには、シェービング加工と称されるやすりやサンドペーパーなどを使うものを含める場合がありますね。
最もメジャーな加工方法で、若い世代を中心に非常に人気があります。
また、もう少しソフトなアタリやヒゲと称される腰部分にできる座り皺や曲げ皺、膝裏のハチノス皺などをつけるものも含んで、広義に使われる場合もあるようです。
その他のダメージアレンジの加工法!
前項でご紹介したダメージ加工以外にも、デニムのダメージアレンジには次のような加工法があります。
【ストーンウォッシュ】
こちらは、色落ちによるビンテージ感(使用感)を与えるために用いられる加工方法で、デニムを軽石と一緒に洗います。
【ケミカルウォッシュ】
ストーンウォッシュの応用版で、軽石と一緒にブリーチ剤などの化学薬品を使い色落ちさせます。
ストーンウォッシュよりも効果的に部分脱色ができますよ。
【ブリーチ・ケミカル加工】
こちらは、ケミカルウォッシュとは異なり、化学薬品にデニムを浸して脱色する加工になります。
全体的な脱色を目的とし、ブリーチアウトと称される場合もありますね。
また、部分的に漂白剤をふりかけて脱色するやり方もあります。
【トッピング加工】
部分的に染めることで汚れを表現し、ビンテージ感をくわえる加工になります。
主に茶系や灰色系、緑系などの染料が用いられます。
また、ペンキを使ったペンキ加工もこちらの一種ですね。
以上が大まかなデニムにおけるダメージ加工の種類になります。
ここから波及する細かいものを含めれば、まだまだたくさんの加工種類があるようですが、今回はこのくらいで。
ダメージ加工と言っても様々な種類があることに、改めて驚いてしまいます。
デニムに縦糸抜きダメージアレンジを施す!
それでは、実際にデニムへのダメージアレンジの施し方をご紹介しましょう。
最初にご紹介するのは、最も定番となる縦糸抜きダメージアレンジです。
用意するのは、「ハサミ」「ピンセット」「紙やすり(粗目)」の3つになります。
①ハサミで2センチメートル程度の間隔をあけて、数か所横向きに切れ目を入れます。
この時の幅はお好きな広さで大丈夫ですが、3~4センチメートル程度が理想です。
②ピンセットを使い、縦糸を抜き取ります。
白い横糸を残して青い縦糸を綺麗に取り除きましょう。
はじめは難儀するかもしれませんが、コツを掴めば簡単に行えます。
③ピンセットで端部分を調整します。
完成した四角い「横糸のみ」というダメージ部分の端を、ピンセットでボサボサな感じに調整してナチュラルに仕上げます。
そのままだといかにも人工的な感じがしてしまいますので、この一工夫が必要なのです。
④紙やすりで雑味を加えます。
仕上げに目の粗い紙やすりで、ダメージ部分特に周り部分を丁寧にこすり雑味を加え馴染ませます。
ある程度のナチュラル感が出てきたら完成です。
1つで物足りなく感じたら、違う箇所に同じような手順で施せばオリジナリティ溢れるダメージが作れます。
複数作る場合にはバランスなど考えて、縦横の長さに変化を与えましょう。
デニムにダメージアレンジで皺を付ける!
続いてご紹介するのは、デニムに皺を付けるダメージアレンジの方法になります。
用意するのは、「スプレー式洗濯糊」です。
方法は至って簡単です。
①デニムを履いたままの状態で、皺を付けたい部分に湿り気が出る程度にスプレーのりを振りかけます。
皺を付けたい部分としては、ヒゲであれば腰のあたり、ハチノスであれば膝裏部分になります。
②そのまましゃがみこみ、皺を出しましょう。
しゃがんだ姿勢の状態で皺が付きますので、必要があれば適度にずらすなどしてお好みの皺に調整しましょう。
③ある程度皺が固まれば、脱いでそのままの状態にしておきます。
④そのまま乾けば皺付け完了です。
この工程はあくまでも皺を糊で固める方法です。
さらにこの皺部分を脱色したい場合には、「ゴム手袋」「塩素系漂白剤(キッチンハイターでOK)」「不要の布」を用意しましょう。
このとき必ず、ゴム手袋を着用して行ってください。
不要の布に漂白剤を付けて、皺をつまんで擦ります。
これを繰り返し行えば、趣のある皺の色落ちが完成していきますよ。
また、一度で完成させるよりも、何回かに分けて行う方が自然ですし、失敗の恐れがありません。
漂白剤を使ってデニムを脱色アレンジ!
続いてご紹介するのは、デニムを脱色するダメージアレンジになります。
用意するのは、「塩素系漂白剤(キッチンハイターでもOK)」「ゴム手袋」です。
このアレンジにはデニムを全体的に色落ちさせる全体脱色と、部分的に色抜きする部分脱色があります。
今回は、部分脱色でケミカルウォッシュ風のものをご紹介しましょう。
①タライやキッチンシンク、お風呂場などで、デニムに漂白剤を原液のまま振りかけます。
振りかける量は、脱色したい部分に応じて異なりますので調整してみてください。
基本的にはケミカルウォッシュ風なので、デニムは乾いた状態がおすすめです。
ぼやかしたような仕上げを望む場合には、デニムは濡らしておきましょう。
②漂白剤を振りかけた部分を馴染ませるように、揉んだり叩いたりして脱色をしていきます。
③複数個所施す場合には、これを繰り返し行いましょう。
④希望のように脱色ができたら、この時点で水洗いをして、漂白剤を綺麗に落としてから洗濯します。
漂白剤をきちんと落とさないと、洗濯中にまた脱色効果が出てしまいますのでお気を付けください。
⑤洗濯後、乾かして完成です。
【注意事項】
かならず漂白剤にある注意事項、「混ぜるな危険など」に従ってください。
また、漂白剤が身体や服に飛び散る危険があります。
汚れても良い服装で、手袋(できればゴーグルも)を必ず着用し、丁寧に気をつけながら施しましょう。
ペンキ加工でカラフルなダメージアレンジも!
最後にご紹介するのは、デニムをペイント加工するダメージアレンジです。
こちらは先ほどの脱色アレンジとは反対で、色(汚れ)をくわえたダメージアレンジになります。
こちらは、市販されている「布用スプレー」「布用ペンキ」などを使って、ペイントをしていくものです。
どれを使えば良いのか分からない場合には、専門的に扱う「染めQ」ブランドなどを活用してみましょう。
様々な衣料用塗装アイテムがありますよ。
専門店やサイトなどでも入手できますので、興味がある方は一度探してみると良いですね。
もともと、ダメージとして汚れた印象を付加することが目的でしたが、今では文字を書き入れたり模様やマークなどを付ける方が主流かもしれません。
使用法は、スプレーやペンキにしろ、マーカーにしろ、デニムに塗り付けていくだけです。
ただし、ある程度の芸術的センスが必要となります。
そのあたりに自信が無い場合には、カッティングシートなどで型紙を施したり、マーキングシートを使ったりしてペイントするマークペイントの方がおすすめですね。
こちらは、かなり個性的なダメージアレンジが作れる分、失敗するとそのダメージも大きいので注意が必要です。
ダメージアレンジでデニム復活!そして気分も復活させましょう!
今回、履かなくなってしまったデニムの活用法として、ダメージアレンジの方法をお伝えしました。
デニムは長く付き合ってこそ、味わいと愛着が出てまいります。
仮に飽きてしまっても、様々なアレンジで華麗に復活させることができますね。
今以上に楽しいデニムファッション生活を送れるかもしれませんよ。