ファッションにおいて、合皮素材を使ったアイテムをよく見かけます。
中でもライダースが人気で、とても身近な存在となってきたように思います。
そんなライダースを着こなせたら、かっこ良いイメージでのおしゃれに磨きがかかります。
しかし一方で、合皮で作られたライダース特有の気になる症状というものもあります。
生地表面がボロボロになるなどが挙げられますが、その原因とは一体何なのでしょうか。
また、本皮のライダースとの違いなどについても詳しくご説明していきましょう。
ボロボロのデニムとも相性バツグン!ライダースのタイプとは
おしゃれなアイテムとして男女ともに人気のライダースですが、そのタイプは大きく分けて2つに分類されます。
まずは、そのタイプについて見ていきましょう。
・シングルタイプ
シングルタイプのライダースは、ジッパーが中央にあるのが特徴です。
細身のシルエットでシンプルな印象のため、ズボンやスカートにボリュームのあるデザインを選んでもバランスが良く見えます。
女性がライダースを着る場合、シングルタイプのものを着ると上品な印象になります。
ライダース初心者の女性にとっても、ファッションに取り入れやすいタイプと言えるでしょう。
・ダブルタイプ
ダブルタイプのライダースは、ジッパーが左右どちらかの上からななめに下りるようにあり、閉めると前身ごろが重なるような形状になります。
そのため、シングルタイプよりも中に風が入りにくく、防寒を目的とする方にもおすすめです。
襟も大きく男性らしいイメージもあり、男性がボロボロのデニムなどと合わせるとワイルドな印象になります。
女性がそのような組み合わせをするのもおすすめで、その際髪型を女性らしいアップスタイルなどにすると甘さが加わりかわいらしさも演出できます。
このように、ライダースには主に2つのタイプがあることが分かりましたが、素材としては本皮と合皮があります。
それぞれの特徴については、次項でご説明していきます。
独特の風合いでファンを獲得!本皮のライダース
ライダースを選ぶ際、本皮のものにするか合皮のものにするか迷うことはないでしょうか。
ライダースと言えば、しっかりした作りの本皮をイメージしますが、より汎用性の高い合皮も良いものです。
そこで、本皮で作られたライダースと合皮で作られたライダースについてご説明していきましょう。
まずご説明するのは、本皮で作られたライダースについてです。
本皮で作られたライダースは、ウシやヒツジなどの動物の皮を原料としています。
天然素材ゆえ、独特のつやや質感があり、ファッションにこだわりのある方にも人気のアイテムです。
年月の経過とともに色落ちなども見られますが、それがかえってファッションの観点からすると価値となることもあります。
また、耐久性があり、少し擦ったくらいではその部分が色落ちすることはあっても、ボロボロになるほどではありません。
多くのバイク愛好家が、本皮で作られたライダースを着ているのも納得ですね。
おしゃれに合わせて複数所有もおすすめ!合皮のライダース
次に、合皮で作られたライダースについてご説明していきましょう。
合皮で作られたライダースは、何といっても安価であることが特徴です。
そのため、ライダースを購入したいけれど、本皮で作られたライダースでは高価で手が出ないという方にもおすすめです。
安価ゆえ、色やデザインの違うものをいくつか所有しやすいのも、合皮で作られたライダースならではの魅力です。
また、ライダースはバイク愛好家が着るものという概念を覆し、多くの方がライダースをファッションアイテムの1つとして取り入れるようになったのも、合皮の存在が大きいのではないでしょうか。
それに加え、合皮で作られたライダースは、耐水性に優れているという特徴も持っています。
とりわけ日本は梅雨の時期があり、雨が降りやすい気候であるためこの点は大きいです。
素材の中でも、耐水性が高いものはそう多くはないため、雨の多い日本においても合皮で作られたライダースは使い勝手の良いアイテムと言えるでしょう。
もし雨の日に濡れてしまっても、さっと拭くだけで生地の内部まで水が浸透してしまうようなこともありません。
しかし、耐久性の点から見ると本皮で作られたライダースに劣り、年月の経過とともに表面がボロボロになってしまうという側面もあります。
表面がボロボロに!合皮のライダースの劣化理由
合皮で作られたライダースには、前項で述べた通り様々な特徴があります。
特に気になるのが、年月の経過とともに表面がボロボロになってしまうということではないでしょうか。
ではなぜ、合皮で作られたライダースは表面がボロボロになってしまうのかをご説明しましょう。
合皮は、織物などの下地にポリウレタン樹脂が塗られている構造です。
ポリウレタン樹脂は、年月の経過とともに、徐々に劣化が進んでいきます。
その原因は空気中の水分や、紫外線、熱などで、これらの影響によって結合部分が分解されていきます。
すると、いずれ合皮で作られたライダースの表面はボロボロになってしまうというわけです。
ボロボロだけじゃなくベトベトも!合皮のライダースの症状
合皮で作られたライダースについて気になることは、年月の経過とともに表面がボロボロになるということだけではありません。
購入して間もない合皮で作られたライダースは、柔らかく、そして袖も通しやすいですよね。
しかし、いつしか生地が堅くなったように感じることはないでしょうか。
これも、表面がボロボロになることと同様、合皮で作られたライダース特有の症状と言えます。
一方、本皮で作られたライダースであれば、反対に年月の経過とともに生地が柔らかくなり、身体にも馴染んで着やすくなるでしょう。
このように、本皮か合皮かによって、ライダースの着心地も変わっていくということも理解する必要があると言えます。
また、合皮のライダースは表面がベタベタするという声もよく聞かれます。
ライダースは、秋や冬などの寒い時期に着ることが多く、いざ衣替えをする際にベタつき、驚くこともあるでしょう。
まるで甘いジュースを零したかのようなこのベタベタも、年月の経過とともに起こってしまう合皮の宿命です。
その際、収納ケースなどに畳んで仕舞ってあった場合は、丁寧に剥がすようにしてください。
雑に剥がすと、表面の生地が剥がれてしまうこともありますので注意しましょう。
合皮のライダースがボロボロになる症状は保管方法で変わる!
合皮で作られたライダースに見られる劣化は、残念ながら避けられません。
一般にポリウレタンの寿命は2~3年と言われ、いずれはボロボロと剥がれてしまうでしょう。
しかし、保管の際にいくつかの点に注意することで、これらの劣化を遅らせることはできます。
そこで、ここでは合皮の保管方法についてご説明しましょう。
まずは保管場所ですが、湿気の多い場所や温度変化がしやすい場所は避けてください。
時々、屋根裏などに衣服を保管している方もいるようですが、屋根裏は高温多湿になりやすいためおすすめできません。
また、直射日光を避けることも心掛けてください。
直射日光は、時間によっても差し込む方向などに違いがあります。
どの時間であっても、直射日光があたらないような場所での保管が望ましいです。
また、ジッパータイプの袋に保管するのも避けましょう。
汚れの付着を防ぐ良いアイテムにも見えますが、衣服の保管に大切な通気性が確保できませんので注意してください。
このような点に注意し、劣化を少しでも遅らせることが大切です。
合皮のライダースは寿命がある
おしゃれなファッションアイテムの1つとして人気のライダースですが、本皮か合皮かによっても様々な違いがあります。
高価ですが、一生物としてライダースの購入を考えている方には、大切に扱うことにより長く愛用できる本皮で作られたライダースがおすすめです。
一方、合皮で作られたライダースは、安価なものであれば5000円以内で購入できるものもあります。
また、カラー展開も豊富なため、ファッションに合わせて選べるのも、合皮で作られたライダースの魅力と言えるでしょう。
ただし、素材の性質から、合皮には寿命があることも理解しておきましょう。