冬のファッションは、アウターにもこだわりたいですよね。
アウターはデザイン選びは大切ですが、「暖かさ」も選ぶべき重要なポイントです。
今回は、アウター選びの際に悩むことが多い「コート」と「ダウン」について、詳しくお話ししていきます。
どちらのほうが暖かいのか、またそれぞれどのくらいの暖かさなのか、ご説明していきましょう。
コートとダウン暖かさはどちらが上?
秋ごろになると、冬へ向けてアウターを探し始める人は多いと思います。
アウターを選ぶ際のポイントとして値段やデザインも大事ですが、「暖かさ」も重視したいところです。
特に「コート」と「ダウン」では、どちらを購入しようか悩む人がとても多いのではないでしょうか。
コートとダウンでは見た目の印象も大きく変わるため、自分に似合うのか、また、より暖かいのはどちらなのか、見極めるのが難しいようです。
実際に、コートとダウンではどちらのほうが暖かいのでしょうか。
登山や南極探検の環境を思い浮かべてみると、ダウンジャケットを着ている人がほとんどです。
気温の低い過酷な環境でダウンを選ぶということは、ダウンはコートよりも暖かさが上だということが分かりますね。
とは言っても、ダウン自体に発熱する効果はありません。
アウターを着る上で、熱源となるのはあくまで人体です。
人体から発熱された熱を逃がさず、服に熱を移し、保温できることに優れているのがダウンということになるのです。
ダウンの暖かさは繊維の長さで決まる?
ダウンはコートよりも暖かさが上だとお話ししましたが、保温効果が高いのは、「繊維の長さ」が関係しています。
そもそもダウンの中身は、「ダウン」と「フェザー」の2種類が入っていることをご存知ですか。
ダウンとは、水鳥の胸のあたりの柔らかくふわふわとした羽根のことを言います。
一方、フェザーとは、真ん中に軸のある羽根のことを言います。
ダウンの羽根は毛足の繊維が長いため、人体から発熱した熱をしっかり捕まえ、逃がさないという特徴があります。
ダウンジャケットの品質表示を確認すると「ダウン◯%」「フェザー◯%」などと記載がありますが、ダウンの割合が多ければ多いほど保温効果が高いと考えられるでしょう。
また、ダウンの羽根は「グース(がちょう)」と「ダック(あひる)」に分けられます。
一般的にはグースのほうが暖かく、高額であると言われています。
まれに、お店で安価なダウンジャケットを見かけますが、中身は羽根ではなく「ポリエステル」で作られていることがあるため、注意が必要です。
購入する際は品質表示を忘れずにチェックしましょう。
暖かさを重視?ダウンなら「ジャケット」「ベスト」どちらがおすすめ?
アウターの暖かさを重視して、コートではなくダウンを選ぶ人は多いでしょう。
ダウンには「ジャケット」と「ベスト」がありますよね。
どちらを選んだら良いか迷う人のために、それぞれのメリットをご紹介しましょう。
●ダウンジャケット
より暖かさを重視するのなら、ダウンジャケットがおすすめです。
袖があるとかなり保温効果が高く暖かいため、寒冷地に住む人や、屋外で働いている人には特におすすめです。
また、ダウンの羽根は軽いので、アウターの重さによる動きづらさはあまり感じないでしょう。
●ダウンベスト
軽い着心地を求めるなら、ダウンベストがおすすめです。
袖がないことで動きやすく、冬以外でも気軽に着用することができます。
秋口はニットやシャツの上に重ねておしゃれな着こなしができ、冬はブルゾンやジャケットの上に着ても良いでしょう。
さらに、ダウンベストはスーツの上に着てもおしゃれです。
さまざまな着こなしをしたいのなら、ダウンベストをおすすめします。
街使いなら「コート」のほうがおすすめ!
暖かさで比べると、コートよりもダウンのほうが上であるとお話ししました。
しかし、街使いをするならダウンよりも「ウールコート」を選ぶことをおすすめします。
ウールコートとは、羊の毛などを使った素材のコートのことで、暖かく保温効果に優れています。
街は、屋内では暑いくらいに暖房が効いていることが多く、ダウンでは暑すぎてのぼせてしまう人も中にはいます。
脱いで持ち歩くにはダウンはかさばるため、街使いにはあまり向いていません。
一方のウールコートですが、ウールは天然素材のため、環境に適した働きをしてくれます。
寒い屋外では保温効果を高め、体温をコート内に閉じ込めてくれます。
また暑い屋内では、コート内の湿度を放出して快適さを保ってくれます。
そのため、真冬に屋外で着用しても暖かく、屋内に行っても暑くなりにくいのです。
一般的なスーツでも、ウール素材が多く採用されているのは、温度調節の機能が高いためだと考えられます。
カジュアルなイメージのダウンよりも、フォーマルなイメージを好む人には、ウールコートはよりおすすめだと言えるでしょう。
コートを選ぶなら!耐久性の高い「メルトンコート」にしよう
普段、街使いが多いのなら、ダウンではなく温度調節に適しているウールコートがおすすめです。
ただ、一口にウールコートと言っても「カシミヤ」や「メリノウール」、「ラムウール」など、さまざまな種類があります。
ではどのように購入するコートを決めたら良いのでしょうか。
まず、ウールは基本的に上質になればなるほど、取り扱いがデリケートな生地です。
デリケートな生地は耐久性がないため、普段使いのコートとして着用するにはあまり向いていません。
そこでおすすめなのは「メルトン」素材のコートです。
メルトン素材とは、ウールを圧縮して密度を高めた、耐久性の高い素材のことを言います。
ピーコートやダッフルコートに多く使用されており、たくさん着用しても型崩れしません。
もともとピーコートやダッフルコートは、猟師や水兵が船の上で着用していた作業着で、暖かさと頑丈さが求められるものでした。
そのため、ウール特有の温度調節機能はそのままで、耐久力が高くなったメルトン素材のコートは、普段使いのコートとしておすすめなのです。
「ナイロン製コート」でも寒さはしのげる?
ここまで、ダウンやコートの暖かさ、またおすすめのアウターについてご紹介してきました。
ここでは、「ナイロン製のコート」についてご紹介していきます。
ナイロン製のコートを、スーツの上に着用するビジネスコートとして使う人も中にはいるようです。
ダウンやウールコートの保温効果には及びませんが、冬以外も使用できるため、選び方次第でナイロン製コートは年間を通して長く活用できることになります。
ナイロン製のコートの選ぶべきポイントは、「ボンディング加工されているもの」「ライナー付きのもの」にすると良いでしょう。
ボンディング加工とは、コートの内側の生地の層に、接着剤で防風・撥水機能の高いフィルムなどを貼り付けることを言います。
こうすることで、体温を下げる原因となる雨風から体を守ることに繋がります。
また、ライナー付きのコートとは、中綿入りのインナーダウンなどがついているコートのことを言います。
中綿はポリエステル素材なので、保温効果が期待できるでしょう。
ナイロン製のコートは夏以外であれば使えるため、上記でご紹介した加工が施されているものなら、冬を含めた3シーズン着用できるでしょう。
コートとダウンはどこで着用するのか見極めてから選ぼう
コートとダウンでは、暖かさはダウンのほうが上です。
それはダウンに使用されている、水鳥の胸の羽毛が長いことで、高い保温効果が発揮されるためです。
しかしダウンは暖かすぎるゆえに、暖房の効いた屋内には向いていません。
そのため、街で着用することが多いのであれば、ダウンではなくウールコートを選びましょう。
ウールコートを普段使いに選ぶ場合は、「メルトン」素材などの、耐久性の高い素材を選ぶように注意してくださいね。