お洒落デニムの一つに、皺や色落ちがあります。
しかし、味わいのある色落ち、ましてやヒゲやハチノスなどには、かなりの月日を必要としてしまいます。
もっとも、それがデニム愛好家にとっては醍醐味でもありますね。
しかし、「時間をかけないでお洒落デニムを着こなしたい!」と望む方も多くいるようです。
今回はそのような方のために、糊付けスプレーを使った裏技をご紹介しましょう。
お洒落なデニムの色落ちとは?
今回は、デニムのお洒落な色落ち加工の裏技「糊付けスプレー」を使った、ヒゲやハチノスを簡単に作る方法をご紹介していきます。
その前に、ヒゲやハチノスはご存知でしょうか?
デニムに詳しい方には「何をいまさら」と言われてしまうかもしれませんが、これから詳しくなる人のためにもご説明しておきます。
【ヒゲ】
ヒゲというのは、足の上げ下げによってできるものです。
デニムの腰周辺の皺が擦れることによって帯状(線状)に生じる色落ちのことをいいます。
これはスリム・スキニーなど、フィットしたデニムによくあらわれます。
このヒゲは、デニム愛好家の間では非常に好まれる色落ちスタイルで、加工デニムにもよく見られますね。
通常はまっすぐ横に入りますが、斜めに入る「下がりヒゲ」もあります。
こちらは、余裕のあるデニムによくあらわれるので、好き嫌いが分かれるようです。
【ハチノス】
一方ハチノスは、同じように足を曲げた時にできるもので、デニムの膝裏の皺が擦れて作られる色落ちのことです。
形状が蜂の巣に似ていることから、こういった名前で呼ばれています。
こちらも身体にフィットした方ができやすく、また洗濯を控えた方ができやすいようですね。
もちろんそれ以外にも様々ありますが、ヒゲとハチノスが愛好家の間では人気の色落ち仕様になります。
糊付けスプレーでデニムに皺付け効果!
それでは早速本題に入りましょう。
糊付けスプレーを使った、デニムをお洒落にしてくれるヒゲやハチノスを付ける方法です。
まずは、市販されているスプレータイプの洗濯糊を用意します。
スプレータイプ以外の糊もあり、それらを使う方法もありますが、まずはスプレータイプの方が施しやすいのでこちらからご紹介しますね。
方法は至って簡単です。
ジーンズの表側から、腰や膝裏部分を中心に糊付けスプレーを吹きかけます。
吹き付ける量は、適度に湿り気が出る程度でOKです。
あまり強力にするとデニムへのダメージが心配されるので、ほどほどにしましょう。
糊が付いたデニムを履いて、スクワットなど足を曲げる少々の運動をしてデニムに皺付けを行います。
理想的な皺が付いたら、脱いで完全に乾かしましょう。
皺付けの体勢のまま乾くのを待つのが最良ですが、体勢維持が大変ですので綺麗に脱いで乾かしましょう。
すると、皺がそのままキープされます。
可能な限り、この皺付きデニムを履いて皺を馴染ませます。
もし皺が取れてきたら、再びチャレンジして皺付けを行いましょう。
こうして皺をつけることで、この部分のヒゲやハチノスとして色落ちを促進していくことができるのです。
糊付けスプレーでできたデニム皺をより効率的に脱色させる方法!
前項で、糊付けスプレーを使って、デニムにヒゲやハチノスとなる皺を作りました。
この状態にして履き続けることで皺部分が色落ちをしていくのですが、せっかく皺付けを施したのですから、少しでも早く色落ちもさせたいですよね。
愛好家の皆さんなら、一度はこの皺部分を指でつまんで擦り色落ちをさせた経験があるのではないでしょうか。
実際に、この指でつまんで擦る方法は、色落ちには効果的なのです。
そして、それをさらに効果的にする方法があります。
それはウェットティッシュを使う方法です。
指でつまむ際に、ウエットティッシュでつまむようにして擦ると、一層色落ち効果がアップします。
擦ったあとのウエットティッシュを確認してみると、色落ちしているのが実感できますよ。
また、このウエットティッシュに塩素系の漂白剤を少々染み込ませると、より効果的になります。
ただし、この場合にはゴム手袋を必ず着用することと、あまりやりすぎると広くなりすぎて自然な感じの仕上がりにならなくなりますのでご注意ください。
あくまでも、前項で作った皺を色落ちさせる付随処理です。
糊付けスプレーでできるその他のデニムアレンジ!
糊付けスプレーで、デニムにヒゲやハチノスの皺を付けられることはこれまでにお話ししました。
もちろん、これら以外にも創意工夫で糊付けスプレーを使った様々なアレンジ方法がありますよ。
例えば、「ウォッチポケット」です。
デニムのポケットの中、その上部分にもう一つ小さなポケットがあります。
これはウォッチポケットといい、もともとは懐中時計を入れるためのポケットです。
時代と共に懐中時計を使う人も減り、用途はコインや小物をいれるポケットへと変わっていきました。
そのため、「コインポケット」と称される場合もあります。
このウォッチポケットもお洒落な皺出しをするにはうってつけの箇所です。
ジッポライターなどを入れて、その跡をお洒落に施す方も多く見受けられます。
これも糊付けスプレーを使えば簡単にできるようです。
デニムを履いたままの状態で、ウォッチポケットにジッポライター(無ければ代わりになるような小物でも可)を入れて、そのまま上から糊付けスプレーを吹きかけます。
ウォッチポケットにはその状態で負荷をかけながら、しばらくそのままでいれば完成です。
ジッポライターを取り出しても、膨らんだ状態で固まってくれます。
これ以外にも、ちょっとした遊び感覚のお洒落を探してみるのも楽しいのではないでしょうか。
デニムに使える糊付けスプレーにはどんな種類があるのか?
では、デニムアレンジに使える糊付けスプレーにはどのようなものがあるのでしょうか。
主だった商品をご紹介ます。
【ザ・ランドレス:スティフィンアップ クラシック】
クラシカルな素敵な香りが漂う糊スプレーになります。
糊の匂いにもお洒落を求めるのであれば、こちらが良いですね。
【キヨピカファクトリー:キヨピカ洗濯のりスプレー】
何といってもリーズナブルな商品です。
今回の目的には、こちらも充分使えます。
【恵美須薬品化工:タフターチ】
ムラになりにくく、スプレーがしっかりと浸透してくれます。
インターネット上でも、こちらを使っている方が多いようですね。
【花王:キーピングハンディスプレー】
誰でも一度は聞いたことがある名前ではないでしょうか。
もっともメジャーな商品ですね。
【ジョンソン:カンターチ】
実はこちら使い勝手が良く、デニム愛好家に多く使われる糊付けスプレーなのです。
しかし製造が終了してしまい、在庫が無くなり次第終了になってしまいます。
そのため、この記事をお読みいただいた時点での存在は不確かです。
以上のように、糊付けスプレーはざっと見てもこれくらいのものがあります。
薬局やドラッグストア、インターネット通販など興味があれば一度覗いてみてください。
スプレーではなくデニム全体に糊付けするのもあり!
これまでに糊付けスプレーを使って部分的にデニムに皺を付け色落ちを促進させる方法をご紹介してきました。
これ以外に、全体的に糊付けを行い、デニム全体にアタリを付ける方法もあります。
しかし、こちらは少々豪快過ぎるので、あくまでも参考程度としてご紹介しますね。
①濡れた状態が理想ですので、「濯ぎ」と「脱水」を行います。
②デニムの裏側全体(ポケット布は回避)に、液体のりを塗っていきます。
この際、腰部分や膝裏部分はもちろん、もっともアタリを期待したい箇所などは念入りに行いましょう。
③まんべんなく塗り終わったら、裏返しのまま形を整えて干し、乾燥をさせます。
この際、ハンガーにデニムを筒状に形を整えて干しましょう。
こうして筒状にしないと生地同士が張り付いてしまう恐れがありますので、特に注意してください。
④乾燥したら完了です。
完成したものは、そのまま立つほど糊でバキバキになっているかと思います。
ここから履き込むことで、デニムにアタリを付けていくことができるのです。
ただし、この場合には履いた時の違和感はもの凄いですし、仕上がりも様々あることはご理解のうえお試しください。
さっと一手間でお洒落デニムを作るのもあり!
今回、糊付けスプレーを使ったデニムのお洒落アレンジをご紹介いたしました。
もちろん、デニムは長く付き合ってこそ味わい深くなるものなのですが、今あるデニムでもその感覚を味わいたいと思うのも理解できます。
そうすることで満たされるのであれば、この糊付けスプレーを使った一手間で施すお洒落デニムアレンジも充分ありと言えますよね。
もしかしたら、今の時代の新しい形のデニムとの付き合い方かもしれません。