デニム生地は、使えば使うほど風合いが増すので、そのジーンズだけの個性を作り上げることができます。
そのため、新品のジーンズをウォッシュ加工したり、わざとダメージを与えたりして楽しむ人々が増えています。
ジーンズ加工をDIYで行うのなら、ダメージ加工がおすすめです。
というのは、ダメージ加工は一番手軽にできる加工方法だからです。
ではジーンズのダメージ加工は、どのようにすればよいのでしょうか。
ジーンズ加工の種類
ジーンズの加工方法は、大きく次の4つに分けることができます。
・ウォッシュ加工
・ブリーチ加工
・ダメージ加工
・ペイント加工
ウォッシュ加工の定番といえば「ワンウォッシュ加工」ですが、この加工方法を最初に考案し、実施したのは日本のメーカーだとされています。
新品のジーンズをワンウォッシュすることで、色落ちや縮みを防げますし、デニム生地特有のゴワゴワ感を低減できます。
石などと一緒に洗濯機にかける「ストーンウォッシュ加工」や、セルロース分解酵素を使ってユーズド感をだす「バイウォッシュ加工」も、人気のあるウォッシュ加工です。
また、かつて主流だった「ケミカルウォッシュ加工」は、現在でも一定の人気を保っています。
漂白剤を使用するブリーチ加工は、個性的なジーンズを作り上げるのに向いています。
ヤスリやカッター、おろし金を使ってジーンズにダメージを与えるダメージ加工は、「シェービング加工」や「サンドブラスト加工」、「クラッシュ加工」などが主流です。
ペイント加工には、ペンキを使ってペイントするやり方と、染料スプレーを使ってペイントするやり方があります。
また、アップリケやワッペンを自分で縫いつけるのも、ジーンズ加工に含まれます。
DIYでジーンズを加工するならダメージ加工が簡単
前項では、ジーンズ加工の種類についてみてきましたが、これらの中でDIYで加工におすすめなのが、ダメージ加工です。
ワンウォッシュ加工は主にメーカーが販売前に実施するもので、個人が行うワンウォッシュは加工とは呼びづらい面があります。
ストーンウォッシュ加工は小石などを使用するので、洗濯機を傷める可能性がでてきます。
ブリーチ加工は漂白剤を買ってくればできますが、自分の思い通りに漂白するのはなかなか難しいものです。
またブリーチ加工は、失敗すると外で履けなくなることもあります。
ペイント加工は、自分の思い通りのジーンズを作りあげられるのが魅力ですが、センスが問われるので要注意です。
履かなくなった古いジーンズで練習したり、余った布切れなどで練習したりした後で挑戦するのがよいでしょう。
ダメージ加工は、加工する範囲やダメージ具合を、加工しながら調整できるのがメリットです。
ヤスリやカッターなどがあれば直ぐに加工できますし、失敗してもある程度ならリカバリーすることもできます。
また、毎日少しずつ加工できるのも、ダメージ加工のよい点です。
ジーンズの加工は、まずはダメージ加工から始めてみましょう。
ダメージ加工のやり方とは
ジーンズのダメージ加工で使用する、主な道具は次のとおりです。
・ヤスリ
・カッター
・ハサミ
・おろし金
・手を保護する手袋
・段ボール紙
また、ピンセットもあると便利です。
ダメージ加工をほどこすジーンズは、あまり伸縮性の強くないものがよいでしょう。
というのは、ストレッチタイプのジーンズにダメージ加工をほどこしても、思ったほどの効果がでませんし、ダメージを与えた個所から破けてしまうこともあるからです。
また、ジーンズのダメージ加工には刃物を使うので、手が滑ってケガをしないよう注意が必要です。
滑り止めのついた手袋の着用は、必ず忘れないようにしましょう。
ジーンズは円筒形をしているので、一緒に後ろ側にまでダメージを与えないよう、あらかじめ適当な大きさにカットした段ボール紙を入れておくのが大事です。
その後、直接ジーンズにヤスリやカッター、おろし金などでダメージを与えていきます。
自然なダメージ感をだすのなら、ヤスリやおろし金がおすすめです。
裾の部分の「アタリ」をだすのにも、ヤスリやおろし金が役にたちます。
余分な白糸がある場合は、ピンセットで抜き取ると自然な感じになります。
古いデニム生地で練習し、慣れておくのもよいでしょう。
ダメージを与え過ぎたら?
ペイント加工やブリーチ加工に失敗したジーンズは、リカバリーするのが大変です。
ミスした部分を消そうとして、さらに失敗することも考えられます。
その点ダメージ加工なら、リカバリーする方法があるので安心です。
破れたジーンズやダメージが大きくて履けなくなったジーンズは、リペアすればまた履けるようになります。
リペアはジーンズ専門店でしてくれますが、自分で行うことも可能です。
破れたジーンズは、内側からあて布をすればまた履けるようになります。
ダメージ加工で失敗した場合も同様なので、あて布をあててリカバリーしてみましょう。
その際に気をつけるべきポイントは、あて布を縫う糸の色です。
できるだけジーンズの色と、同じ色の糸を使うようにしましょう。
違う色の糸で縫えば目立つので個性を表現できますが、センスがないととても野暮ったくなってしまいます。
また、あて布ではなく、アップリケやワッペンを上から縫いつけるという方法もあります。
あて布をあてるよりも簡単ですし、自分だけのジーンズを作りあげるのにも向いています。
ジーンズ用のワッペンなどは通販でも買えるので、自分好みのものを用意しましょう。
ジーンズのペイント加工にも挑戦してみよう
ジーンズを加工するならダメージ加工が簡単なのでよいのですが、世界に1つしかないジーンズを作るとしたら、ペイント加工がおすすめとなります。
ペイント加工には前述したようなデメリット(センスが必要で失敗すると大変)がありますが、それでも挑戦しがいのある加工方法だといえるでしょう。
ペンキを使ったペイント加工は、色味がはっきりとしているのが特徴です。
デニム生地ににじむ心配がないので、イマジネーションどおりの絵を描くことができます。
ただしその反面、主張が強くなり過ぎる傾向があることは覚えておきましょう。
配色を間違えると、目立つ分汚らしくみえてしまうこともあります。
染料スプレーは刷毛を用意する必要がないので、そのまま直ぐに絵や文字を描くことが可能です。
ペンキは塗り方によっては厚みが生じることもありますが、染料スプレーならそういった心配はありません。
ペンキよりも描くのに時間がかからないので、型紙があれば同じような文字を、何本ものジーンズに簡単に描けます。
ただし染料スプレーは、にじむこともあるので注意しましょう。
また、発色をよくするためには何度もスプレーする必要があります。
文字や絵によって、ペンキとスプレーを使い分けるのが大事です。
ウォッシュ加工はプロに任せるのがおすすめ
ダメージ加工は一部分の加工に向いていますが、ストーンウォッシュやケミカルウォッシュといったウォッシュ加工は、ジーンズ全体を加工するのに向いている方法です。
ストーンウォッシュをDIYで行う場合、洗濯機を傷める危険性がありますが、ケミカルウォッシュならその心配がありません。
DIYでケミカルウォッシュをするのは、脱色剤を買えばいいだけなので、ある意味簡単です。
バケツやタライなどに脱色剤と水を入れ、ジーンズを浸しておけばできます。
手順としてはとても簡単ですが、ケミカルウォッシュ特有のまだら模様を作りだすのが、実は大変なのです。
脱色剤にそのまま入れただけでは、全体的に白いジーンズができあがって終わりです。
味のあるまだら模様を作るなら、脱色剤が均等にならないようにする工夫が必要です。
また、脱色剤は肌には刺激が強すぎるので、手荒れの原因となることもあります。
こういった点を考慮すると、DIYで加工するよりもジーンズ専門店などに加工を依頼する方が賢明だといえるでしょう。
費用はかかりますが、完成度は高くなります。
お店によっては、複数のウォッシュ加工を請け負っているところもあります。
自分の希望を伝え、望みどおりのジーンズに加工してもらいましょう。
DIYでのジーンズ加工に挑戦してみよう
ジーンズの加工方法の中でDIYしやすいのは、ダメージ加工ですが、失敗してしまうこともあるでしょう。
その場合は、ジーンズ専門店でリペアしたり、自分で修復したりできます。
DIYで自分だけのジーンズを作りあげる喜びには、とても大きなものがあります。
まずは簡単な、ダメージ加工から試してみませんか?