スカート丈を短くしたい!裾上げ方法とウエストの関係は?

長いスカートを短くして履きたいとき、どうしていますか?

裾の縫い代を増やして、短くしますか。

裾を切って、さらに短くしますか。

しかし、裾を切ってスカート丈を詰めてしまうと、元の長さで履くことはできません。

また、裾が広がるスカートの裾上げは難しいです。

そのため、スカートのウエスト部分を折って、一時的に短くして履く人もいます。

しかし、ウエスト部分を折って履くのは、本当にスカート丈を短くするために良いのでしょうか。

もっと、いい方法はないのでしょうか。

今回は、スカートの裾上げとウエストの関連性についてお話をしましょう。

ウエストのサイズ調整とは違う!スカートの裾上げは難しい

スカートのウエストの太さは、安全ピンなどを使って、一時的に変えることができます。

鍵ホックの位置をずらすだけで調整可能です。

ウエスト部分のサイズ調整は、難しいようで意外と簡単にできます。

一方スカート丈は、裾上げの縫い代を調整することで長くしたり短くします。

たかが縫い代の調整ですが、意外とこれが面倒で難しい作業です。

スカート丈を長くするには、裾上げ分の縫い代をほどきます。

縫い代があまりないと、長くする丈には限界があります。

裾上げの縫い代は、3cmくらいが理想的です。

長くするときは、2cmまで裾を伸ばすことができます。

しかし、最近市販されている化学繊維のスカートは、ミシンで裾上げをしているものがあります。

ミシンで上げている場合は、1cmくらいの縫い代でミシンで縫ってあります。

1cmでは、スカート丈を伸ばすことは不可能です。

それでは、スカート丈を短くする時は、ただ裾上げの縫い代を増やせば良いのでしょうか?

そんなに簡単に裾を上げてスカートを短くできたら、自分でもやってみたいと思う人もいますね。

スカートの裾上げはそんなに簡単なものなのでしょうか。

意外なことですが、スカートの裾上げの調整は、ウエストの調整よりも面倒で難しくなります。

それは、なぜなのでしょうか。

扇形のスカートの裾上げはウエスト直しよりも面倒

裾の部分を初めの縫い代よりも多めに折り上げれば、スカート丈は短くなります。

単純に考えると、これで簡単にできるように思えます。

確かに、購入したスカートの裾上げの縫い代が3cmなら、縫い代を5cmにすればスカート丈は2cm短くできます。

しかし、扇形に裾が広がっているスカートをそのまま折り上げるとどうでしょう。

スカートの形が扇形なら、裾上げの縫い代も扇形になります。

折り紙で、細長い扇形を作り、そのまま折ってみてください。

どうしても、折り上げた部分が余ってしまいます。

たくさん折れば折るほど、ずれは大きくなります。

スカートの形がセミタイトやタイトスカートは、あまり大きなずれはありません。

しかし、サーキュラースカートやフレアースカートの場合は、全体にかなり違いが出ます。

サーキュラースカートは円形に作られたスカートですので、3cm分の裾を上げるだけでも、かなりのずれが出てしまいます。

例えば、スカート丈60cmのスカートの裾に3cmの縫い代を付けて裾上げをするとします。

ウエスト部分があるので正確には違いますが、簡単に半径60cmの円を描くことをイメージしてみてください。

半径60cmの円の周径は376.8cmです。

3cm分の縫い代を取るためには、半径63cmの円を描きます。

半径63cmの円の周径は395.64cmです。

単純に円という形で考えても、18.84cm違います。

3cm分の縫い代を上げると18cm以上も扇の外円が余ってしまうのです。

同じようにフレアースカートスカートでも、5~10cm分のずれが出ます。

サーキュラースカートやフレアースカートは、ただ裾上げをするだけでも、あまった分を均等に消すようにしてまつります。

3cmの縫い代が5cmになれば、それだけあまる部分が多くなり、さらにハードルが高くなります。

そのため、スカートの裾をそのまま上げるだけでスカートを短くするのは、難しくて面倒なのです。

スカートの裾を切って裾上げ

スカート丈をそのまま短くしてしまっても良い、という場合は縫い代が増えた分裾を切ってしまうという方法もあります。

スカート丈を短くしたい分だけ切ります。

ウエスト直しではできない荒業です。

この時、しっかりとした毛や厚手の綿のスカートなら、印をつけてきれいに切ることができます。

しかし、ポリエステルなどの化学繊維では、印がつきにくくハサミも滑ってしまい、きれいに切るのは難しいです。

元の裾線と並行に切らないと、きれいに裾上げをすることはできません。

裾を切る前に、裾上げを縫う段階までの手順をイメージしてみましょう。

裾上げは、扇形のスカートを上げるため、あまった分を調整しながら縫い上げます。

【切った裾上げの仕方】

①裾を丁寧に切ります。

切ったところをロックミシン、またはミシンの立ち目かがりモードで、ほつれないように縫います。

②切った線のスカート全体の幅と、縫い代として上げる部分の幅の長さを比べます。

数センチなら、少しずつ調整をしながら、裾を上げます。

③あまった分が多い場合は、切った裾から0.5~1cmのところをぐし縫いしましょう。

ぐし縫いとは、しつけ糸などで細かい並縫いをすることです。

ぐし縫いをした糸を、少しずつ引いて裾上げの縫い代を細かくギャザーで寄せていきます。

この時、一か所に固まらないように、均等にギャザーを寄せましょう。

スカートの脇線や後ろ開きの縫い代を待ち針で留めてから、寄せると良いでしょう。

④縫い代部分が均等に上がったら、待ち針で留めて、まつり縫いで裾上げをします。

ポリエステルのスカートなら、三つ折りにしてミシンで縫うこともできます。

ミシンで縫う場合は、必ずしつけをしてから縫ってください。

ただまっすぐに縫うのとは違うため、普段小物作りなどで慣れている人でも、ずれてしまいます。

どうしてスカートの裾上げのためにウエストを折るの?

学生服がある中高生のスカート丈は、ひざ下というのが一般的です。

一方海外の学校では、ほとんど私服です。

海外で学校の制服がある国や私立の学校のスカートも、日本と同じようにほとんどひざ下の長さになります。

私服の学校の女子学生はジーンズが多く、あまりスカート姿というのはないようです。

日本の女子高生のように短いスカートで学校へ行く、というのは海外では珍しく、スカートを履くならきちんと、それ以外ならジーンズ姿、というのが一般的です。

日本の学校の校則でもそれは決められていると思います。

しかし、自由な校風の学校では、裾上げをせずにウエストを折ってスカート丈を短くして履いている人もいます。

なぜ、短くするために裾を上げるのではなく、ウエストを折るのでしょうか。

経験者の方はわかりますね。

いかに自由な学校でも、式典の時は校則を守るのがルールです。

厳しい先生によっては、自由な校風の学校でもスカート丈が短かすぎると注意されることもあります。

その時、簡単に校則通りのスカート丈にできるように、ウエストを折って一時的に短くしています。

しかし、ウエストを折ってスカート丈を短くすると、ウエストベルトでしっかりとウエストを締め付けることがなくなります。

成長期の中高生がウエストをしっかりしめないと、どんどんウエストが太くなります。

人間の身体は重力に逆らうことはできませんので、ウエストにくびれのない、寸胴な体型になります。

また、いつも折って履いているとスカートにもくせがつき、スカートの形が崩れる原因にもなります。

こんなことをしなくても、10代は魅力的な年齢です。

しっかりと校則通りのスカート丈で、制服を着ましょう。

ウエスト部分でスカートを短くする裾上げ方法

スカート丈を短くするために、裾を切らない、裾上げはそのままで短くする方法もあります。

プリーツスカートのように細かいひだが入っていると、裾を切って裾上げを直すということが難しくなります。

プリーツスカートは、見た目以上に裾幅が広く、手間がかかります。

三つ折りにしてミシンで簡単に裾上げをすることもできません。

そこで、ウエストベルトを一度外して、ウエスト位置でスカートを切って、その分全体に上げて丈を短くするという方法を使います。

プリーツスカートは、ほぼ長方形の生地でスカートが作られているため、ウエスト位置でスカートを切っても、周径が変わることはありません。

そのため、こういった方法でスカート丈を短くしても、ウエストが太くなるという心配はありません。

この方法は裾を切って上げるよりもきれいにできますが、ウエストベルトやファスナーを一度外して付け直す、という手間がかかり技術も必要です。

普段から洋裁に慣れている人ならお勧めの方法ですが、あまり得意ではないという人は難しいかもしれません。

ウエストベルトを外し、ファスナーを外したら挫折してしまいそう、という人はやめておきましょう。

プリーツスカートの場合は、お直しの専門店でもこの方法を使っています。

手間がかかるため、その分お直しの値段も高くなります。

簡単スカートの裾上げ方法

長期的ではないけれど、一時的にスカート丈を短くしたいということはありますか。

例えば、他人のスカートを借りたけれど、どうしても長くて自分には合わないというような時です。

このように、スカートを一時的に短くしたい、裾上げをするのは面倒だけれど短めに履きたいという時、どうしたらいいでしょうか。

テレビのアナウンサーやレポーターの人は、毎日おしゃれな服を着ていますが、コーディネーターが選んだレンタルもあるようです。

衣装を貸し出すのは、普通のレディースのお店ですが、テレビで使ってもらうとすぐに同じ服を購入する人が現れるため、宣伝効果に良いということです。

しかし、それがアナウンサーやレポーターにピッタリ合うサイズとは限りません。

以前はガムテープで裾を上げるという方法もあったそうです。

今はレディースのお店も千差万別、レンタルのショップも多いので、こういった話もなくなりつつあります。

それでは、一体どうしたら良いでしょうか。

一番簡単で、誰でもできる裾上げの方法はベルトの活用です。

ウエスト部分に男性のように革のベルトをしめるだけで、ウエストが上がり、その分スカート丈が短くなります。

スカートにピッタリ合ったベルトがあれば一番ですが、なければ色や幅は普通のもので大丈夫です。

上からセーターやオーバーブラウスで隠してしまうなら、スカートを少し上まで上げて、自分が履きたい長さに調節し、ウエスト部分をベルトでしっかり固定します。

これで長時間履いていてもずれることなく、自分の好みの丈のスカートを履くことができます。

ベルトでしめることで、ウエストをゆるくすることもありません。

ウエストの引き締め効果もあります。

スカートの裾上げは自分に合わせて

ウエストの太さもですが、スカートの長さも身長に合ったものを履くことが大切です。

市販されているスカートは、日本の平均身長をもとに、丈の長さを決めています。

自分のスカートが長いと思ったら、ウエストを折って履くのも良いですが、頑張ってスカートの裾上げをしてみましょう。

裾を切ったりウエストを外すのは難しくてできないという場合は、ベルトを使って調整することもできます。