女性の皆さんは仕事でスーツを着ることはありますか。
スーツといっても、学生が就職活動で使うような黒スーツから、幼稚園児・小学生のお母さんが入学式や卒業式で着る可愛いスーツまで色々あります。
仕事や就職活動のスーツについているスカートは、ほとんどが黒のタイトスカート、またはセミタイトスカートです。
黒のタイトスカート・セミタイトスカートはピッタリとしたものが多く、静電気が帯びたり、しわや汗染みが目立つと履く人によってはあまり好まない人もいます。
そのため、黒のタイトスカートというと、就職活動用スーツのイメージがあるようです。
今回は、黒のタイトスカートについて、色々とご紹介をしていきましょう。
なぜ就職活動のスーツは黒のタイトスカート?
3月に入れば、黒スーツで歩く女性の姿を多く見かけるようになります。
そう、学生の就職活動です。
しかし、なぜ皆さん黒スーツなのでしょうか。
ほとんどの企業は「黒のスーツ」を着てくるような指定をしていません。
しかし、なぜかそろって黒のスーツを着用しています。
その多くは黒のテーラードジャケットに黒のタイトスカート、といった組み合わせです。
まれに、パンツスーツの女子学生を見ることもありますね。
ほとんどは現役の学生ですが、中には既卒といって大学を卒業した後、アルバイトや派遣社員などを経て、再度就職活動のチャレンジをしている人もいます。
既卒、第二新卒の中には大学院を出て、研究職を希望しアルバイトや派遣の仕事をしながら、30歳近くまで就職活動をしている女性もいます。
色々な就職活動をしている人がいますが、皆さんそろって黒のスーツ姿です。
それでは、今就職活動をしている学生の「親世代」はどうだったでしょうか。
1980年代、いわゆるバブル期までの就職活動では、グレーや紺のスーツ姿の学生が珍しくありませんでした。
特に女子学生のリクルートスーツというと、今では想像できないようなパステルカラーやノースリーブのワンピースにジャケットといったものもありました。
筆者はグレーのノーカラーのボレロジャケットに、ジャケットと同色のグレーのチェックのスカートのスーツで臨んでいました。
それでも、ほとんどの学生は、格好が違っていても焦る顔一つせずに希望の企業に入社する、ということが当たり前の時代だったと思います。
しかし、それが一変してしまったのが、男女雇用機会均等法とバブルの崩壊です。
まず、男女雇用機会均等法によって、女性が企業によってただの「飾り」ではなく、男性と同じ仕事をする社員として採用するようになりました。
そのため、女子学生にも男子学生と同じような「固いスーツ」を求めるようになります。
もう一つは、バブルの崩壊です。
誰もが、面接で「悪目立ちしたくない」「失敗できない」といった緊張感が、学生全体にも大学側にも、そして企業側にも広がりました。
それによって、誰が見ても無難な「地味なスーツ」となり、それがさらに「黒スーツ」にとなっていきました。
そして、黒スーツのスカートも女性らしい柔らかいイメージの、フレアースカートやギャザースカートではなく、キリッと見えるタイトスカートやセミタイトスカートになります。
黒のタイトスカートの簡単お手入れ
毎日就職活動中の学生の皆さんは、一枚の黒のタイトスカートやセミタイトスカートを、ずっと履いている人がいます。
電車の移動で座ると、スカートにしわが寄ってしまうのが気になりませんか。
5月6月の蒸し暑い季節は、汗染みが気になるものです。
面接の時にも、椅子に座ったり立ったりしますので、しわや染みがつくこともあります。
そして、連日同じスカートを履いていると、スカートのしわがどんどん取れなくなる、汗染みが気になるということがあります。
教育実習なら尚更です。
まず対策として、どんなに疲れていても、帰宅をしたらスカートをハンガーにかけて、衣料用の消臭スプレーをかけておきましょう。
しわは気になっていても、臭いは自分ではなかなか気がつかないものです。
そして、汗染みも気がつかないことがあります。
自分では気づかなくても、黒のタイトスカートだからこそ、光の当たり方で汗染みが目立つことがあります。
できるだけ、その日のうちに簡単お手入れをしておきましょう。
消臭スプレーは消臭・防臭・除菌の他に、汗染みを取る効果もあります。
そして、最近の衣料用の消臭スプレーは、ただ消臭・防臭だけでなく、しわを予防する効果が含まれるものもあります。
多くの衣料用の消臭スプレーは、消臭・防臭・除菌が目的ですが、しわとり効果があるスプレーも数種類あり、持っていると便利です。
消臭スプレーは脱いだ後だけでなく、出かける前にもシュッとかけるだけで、防臭効果が長続きします。
しわとり効果のある消臭スプレーの中には携帯用のスプレーもあり、電車から降りた後に、スカートの折りじわにさっとかけることができます。
就職活動だけでなく、仕事でスーツを着たり、タイトスカートを履く女性に便利なアイテムです。
お天気が悪い時にタイトスカートを履く
タイトスカートやセミタイトスカートには、裏地がついています。
特に、綿の普段使いするスカート以外、仕事用で使う毛の生地のスカートなら、必ずついています。
汗やしわ以外にも、スカートを履いていて気になることはありませんか。
例えば、乾燥していたり、逆に雨が降っている時です。
冬は乾燥して、色々なところで静電気が発生しやすい季節です。
スカートの裏地はポリエステルが多く、静電気を帯びやすいため、ストッキングや黒タイツにまとわりつくことがあります。
特に、タイトスカートの場合は気になります。
そんな時は、静電気防止剤を裏地にかけておきましょう。
柔軟剤にも静電気を防止する効果があります。
洗濯機では柔軟剤を使った後にすすいでしまいますが、すすがずに脱水して履いても大丈夫です。
もちろん、柔軟剤には化学物質も含まれていますので、肌が弱い乳幼児用ものはしっかりすすいで下さい。
そもそもポリエステル裏地が大丈夫な人なら、柔軟剤をすすがずに履いても大丈夫です。
逆に雨の時はどうでしょうか。
雨が降っている、雨になりそうなときは履く前に「防水スプレー」をかけておきましょう。
仕事や就職活動先に行くとき、スカートがびしょぬれ、というのは気持ちがいいものではありません。
タイトスカートは、どうしても身体にピッタリとつきやすいデザインです。
静電気でまとわりつくのも、雨に濡れてまとわりつくのも嫌なものです。
お天気が悪い時は、こういった工夫もしてみましょう。
クリーニングに出すときに撥水加工をしてもらう、というのも方法の一つです。
黒のタイトスカートをしっかりお手入れ
おしゃれ着洗い洗剤は品質が上がり、家での洗濯は幅広くなりました。
もちろん全てが大丈夫、というわけではありませんが、既製のスーツについているスカートや、一般に市販されている黒のタイトスカートは、ほとんどが家の洗濯機で洗えます。
それでも心配という場合は、手洗いしましょう。
土日で仕事が休み、就職活動が休みというタイミングで洗うといいです。
毛100パーセントではなく、ポリエステルが混ざった繊維なら洗って大丈夫です。
スカートはあまり小さくならない程度にたたみ、ネットにいれます。
洗濯機に入れる衣類の量が少ないと、繊維を傷めることがあります。
一緒にセーターやカーディガンなども入れて洗いましょう。
使用する洗剤は、必ず「おしゃれ着洗い用」のものを使って、洗濯機のコースも「おしゃれ着洗い」に指定します。
脱水が終わったら、手早く干して下さい。
この時、丸く小物を干せる物干しがあればいいですね。
乾いたら、仕上げに充て布をしてアイロンをかけてます。
裏地からかけるから、充て布がいらないということはありません。
裏地の素材によって、熱に弱いものもあります。
必ず充て布をしてアイロンをかけましょう。
そして、季節の変わり目は必ずクリーニングに出しましょう。
黒のセミタイトスカートの製作
セミタイトスカートを手作りする際、生地はあまり必要ありません。
スカートの中でも簡単に作れるのが、セミタイトスカートです。
黒のセミタイトスカートを作るなら毛の生地がいいですが、ポリエステルが少し入っているとしわになりにくく、家で洗濯することもできます。
他に、裏地・ファスナー・鍵ホック・ベルト芯・ミシン用の糸・手縫い糸を用意します。
セミタイトスカートは、囲み製図と言って、市販されているものでも洋裁用の本や雑誌にあるものでも作ることができます。
本や雑誌のセミタイトスカートが長すぎるなら、裾上げの時に調節します。
【作り方】(囲み製図を使う)
①まず、製図を切ります。
②製図は出来上がり寸法のものが多いので、指定されている「縫い代」を忘れずに取ります。
ない場合は、1か所3cmを目安にしましょう。
③表地と裏地のダーツを縫います。
表地のダーツを外側に、裏地のダーツを内側に倒してアイロンをかけます。
裏地はダーツを入れずに、タックにする方法もあります。
表地と裏地は、同時進行で作る方が楽です。
④脇や裾にジグザグミシンをかけます。
⑤脇線を縫います。
後ろ空きの場合は、後ろ中心線も縫います。
縫い代は開いて、アイロンをかけます。
⑥裏地の脇は、下まで全部縫わずに、10cmくらい上を縫いどまりにしておきます。
裏地の脇線は開いたら、下10cmのところを裾に向けて、カタカナの「コ」の字型に縫っておきます。
裏地は、裾線を1~2cmの三つ折りにしてをミシンで縫い上げておきます。
⑦ウエストベルトを作ります。
ウエストベルトを、表地につけます。
⑧表地を裏返しに、裏地をその上に被せるように重ねます。
この時、縫い代は表地と裏地が向き合うようにします。
⑨内側のウエストベルトの縫い代で、裏地を挟むようにつけます。
⑩表地にファスナーを手で縫い付けます。
この時、5mmくらいの星止めという縫い方をします。
半返し縫いの「半」が「1mm」くらいすくう縫い方です。
裏地は、ファスナーが開くときに邪魔にならないように、ファスナー金具よりも数mm外側にまつり縫いで縫い付けます。
⑪ホックを止めます。
⑫表地の裾を上げます。
必ずしつけをして、裾線がねじれないように注意しましょう。
出来上がったら、全体にアイロンをかけておきます。
気になる黒タイトスカートの形と丈
黒のタイトスカートが、必ずしも仕事着や就職活動用とは限りません。
中には、ニットや化学繊維のものもあります。
ニットやポリエステルの黒タイトスカートには、ミニ丈のものや逆にロング丈のものもあります。
就職活動や仕事用のタイトスカートは、、完全にピッタリとしたタイトスカートというわけではなく、身体に余裕を持たせたセミタイトスカートになります。
スカート丈も、動きやすいように膝丈、または膝下ギリギリくらいの長さです。
脇線のラインは、腰から下はストレートになっています。
しかし、ロング丈のタイトスカートはふくらはぎくらいまであるため、動きやすいようにニット生地を使っていたり、裾が少し広がったものもあります。
おしゃれ着になりますので、固い仕事というよりも普段使い、またはママ友ランチや学校行事で出かける時向きになります。
もちろん仕事で履く人もいますが、ヒップラインがはっきり出てしまいますので、スタイルに自信がないとなかなか履くことができません。
これは、色に関係なく黒のタイトスカートでも、下着の線が「形」としてくっきり見えてしまうこともあり、下に履く下着にも気を使います。
お尻やお腹がポッコリ出ないための下着を身につけたり、ガードルの下で太ももがムチッとでないための工夫も必要です。
逆にミニのタイトスカートは、美脚に自信がないと履くことができませんね。
仕事用の黒スーツのセミタイトスカートの丈がなぜ膝下かというと、どんな体型の人でも一番きれいに見える長さだからです。
セミタイトの形にしている理由も同じで、裾幅が最も足がきれいに見える幅に仕上げているからです。
また、セミタイトにすることで、お尻のラインも外から目立たないようにしています。
就職活動が終わっても、黒のセミタイトスカートはどんな色のシャツにもセーターにも、ジャケットにも合います。
就活用と終わったらお蔵入りにせず、仕事で存分活用して下さい。
そして、スタイルに自信がある女子学生の皆さん、就職が決まったら、思いっきり好きな丈の黒タイトスカートを履いて下さい。
タイト・セミタイトスカートの黒は就活用?
黒のタイトスカート・セミタイトスカートについてご紹介しました。
就職活動で使っている人はもちろん、仕事で履いている人も、天候に左右されず気持ちよく、タイトスカート・セミタイトスカートを履きましょう。
黒は地味、セミタイトスカートは固いというイメージがありますが、上に合わせるもの一つで、華やかにもなります。
就職が決まったら、春になったら、黒のタイトスカート・セミタイトスカートを「就活用」としまわずに、自分らしいコーディネートで、上手に履いてみましょう。