秋冬に活躍する定番アイテム、コート!
その善し悪しは使われている生地・素材によって決まると言っても過言ではありません。
やはり高級素材となると軽くて暖かく、その着心地も随分と違ってくるようです。
お洒落なファッショニスタともなれば、このコート素材については知っておきたいところですね
今回は、ウールにカシミヤ、アンゴラなど、コートに使われる素材についてお話をします。
コートの素材にはどのような種類が?高級とされるのは?
今回はコートに使われる素材についてお話をします。
このコートの素材には様々な種類が使われていますが、仮にコートに求めるものを暖かさとして考えるのであれば、それはダウン(水鳥の羽毛)が使われたアウターが一番だと言えるでしょう。
普段使いはもちろんですが、雪山登山やアウトドアレジャーなどでも充分活用できる優れものです。
しかし、普段使いのみであればそこまで強力な防寒機能を求めないので、ウールに代表されるニット製のコートでも充分に対応は可能ですね。
ニットは様々なコートに使われ、普段使いであれば真冬でも充分に乗り切れる防寒性は備えています。
しかしこのニットですが、ウールを筆頭に様々な種類が存在します。
「ウール」「カシミヤ」「アンゴラ」などの名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
それぞれ、素晴らしい特徴を持っています。
次項より、それぞれの特徴とその中でも高級とされるものについてご紹介します。
ダウンコートの素材は水鳥の「羽毛」!最高級はアイダーダウン!
ダウンコートは、防寒対応という観点から見ますと「最強のコート」と言われるほどに優れた機能性を誇ります。
実際に雪山登山やアウトドアレジャーでは非常に役立つ優秀アイテムなのです。
このダウンコートに使われている素材は、ネーミングそのままにダウン(羽毛)になります。
ニワトリやガチョウなどの陸鳥の羽毛は、保湿性や弾力性、吸湿・発散性に乏しいのでコート素材としては不向きで、主に水鳥の羽毛が使われています。
水鳥の中でもコートに使用されるダウンの種類は、約12種類です。
その中でも、大きく分けるとガンガモ科であるガチョウのグースとアヒルのダックのダウンがあります。
一般的には、ダックよりもグースの方が高級とされています。
さらに、水鳥の生息地によっても保温性が異なるようで、寒い北の地域に生息するグースを使ったダウンの方が暖かく上質とされます。
メジャーブランドの「カナダグース」が使うようなカナダ産グースなどは、高級グースとして知られていますね。
北方産グースでもアイルランドの「アイダーダウン」は最高級となるようです。
しかし、日本で普段使いをする場合には、そこまでの防寒性の必要は無いでしょう。
むしろ移動中の車内などではのぼせてしまうかもしれませんし、脱いだときにかさばるというデメリットもあります。
何が何でも高級志向ということではなく、使用目的に合わせて最適なものを選ばれると良いでしょう。
高級な部類に入る素材ではないが、コートでは非常に優れる「ウール」!
前項ではコートで使われる優秀素材として「ダウン」をご紹介しました。
本項ではコート素材として多用されるウールについてお話をします。
ウールとは、羊の毛から作られた天然素材で、暖かく保湿性にも優れ、シワになりにくいという特徴を持っています。
Pコートやダッフルコートなどの表地としても使われていますね。
またコート以外にも、スーツやニット製品の多くにウールが使われます。
このように多くのアイテムで重宝されるウールですが、欠点もあります。
もちろん品質により異なりますが、ウールには次のような欠点が指摘されます。
・硬く感じる肌触り
・チクチクとする感触が苦手
・着用時の着ぶくれ感
・傷みやすい(毛玉も含め)
・重い
以上のような欠点がウール利用者からは聞かれることがあります。
こういった例を程よく防止するには、混合素材もおすすめです。
注目するのは、「ウール〇〇%」といい表示です。
ウールが減る分ウールの特徴である防寒性などは失われますが、欠点を補うこともできます。
「ザ・高級」という素材ではありませんが、コート以外にも使いやすい良質素材として見逃せないアイテムになります。
少し高級になる「ラムウール」もコート素材としては一級品!
前項でコートの素材として、高級という部類には入りませんが優秀な素材として「ウール」をご紹介しました。
しかし、ウールには多くの欠点も存在します。
この欠点を補った素材が、ウールよりも高級となる「ラムウール」です。
ラムウールとは、ウール同様に羊の毛を使うのですが、生後数か月以内という仔羊から刈り取った毛を使うものになります。
成獣から刈り取るウールに比べ、ラムウールは毛が細く柔らかいので肌触りも非常に滑らかなのです。
これは成獣となる前の仔羊の毛だからこそ得られる特徴です。
狩り取れる羊毛も必然的に少量となるため、通常のウールに比べてラムウールは高額・高級になります。
この特性から、ラムウールはコートだけでなく、首に巻くマフラーなどの素材として使われることも多くあります。
ウールが苦手な方でもラムウールであれば、気にすることなく付けることができるようです。
ウールの特性を活かしつつ、ウールの欠点を補うことができるラムウールは、少々高級となりますが非常に使い勝手の良い素材です。
ふわふわ柔らかな「アンゴラ」もコート素材としては優秀な高級品!
続いてご紹介するコートに使われる優秀素材は、高級の部類にも入る「アンゴラ」です。
アンゴラとは、思わず抱きしめたくなるようなもふもふ感が特徴的なアンゴラウサギから採取した毛になります。
同じアンゴラの名前を持つアンゴラヤギの毛から作られるものは、一般的には「モヘア」と呼ばれる別素材になります。
ふわふわした感触が人気な素材で、肌触りの良さに防寒・保温効果、軽量とコートに必要な重要ポイントをしっかりとおさえているのです。
また元の毛が白となるので、染色が鮮やかで素敵な色味のアイテムになります。
また、アンゴラはこれらの要素からコートのみならず、マフラーやセーターなどにも使われることも多いです。
高級素材ではありますが、後述する高級素材「カシミヤ」ほど高額にならないのは嬉しいですね。
しかし、そのようなアンゴラにも次のような欠点があります。
・やや高額商品となる
・摩擦や水に弱く傷みやすいというデリケート素材
・毛が抜けやすい
つまりアンゴラは、非常に優秀なアイテムではあるものの、取り扱いとケアに注意が必要となるのですね。
これを軽減するには、混合素材の活用もおすすめです。
アンゴラとウールなど他の素材との混合にすることで、これらの欠点を軽減させることが可能です。
忘れてはいけないザ・高級素材「カシミヤ」
最後にご紹介するコート素材は「ザ・高級」の代名詞「カシミヤ」になります。
リッチな感覚が魅力となるカシミヤは、誰もが知る高級素材の代名詞でもありますね。
カシミヤは、カシミヤヤギの毛から作られ一本一本の毛が細く密度も非常に高くできています。
細く密度が高いことで空気を溜め込むことができるので、保温性・保湿性に優れるのです。
また吸水性も素晴らしく、汗をかいてもすぐに吸水し発散してくれます。
まるでシルクのような上品な肌触りに美しい光沢のある滑らかさ、「繊維の宝石」とされるのも頷けますね。
また、非常に軽いのでコートを長く着ていても苦になりません。
まさに、高級の名に恥じぬ素晴らしさなのです。
しかし、そんな素晴らしいカシミヤにも欠点があります。
・デリケートな素材なので摩擦にもろく、擦り切れや毛玉になりやすい
・水染みになりやすいので雨や雪に注意が必要
最高の着心地の良さの一方、使い勝手の悪さを併せ持つのがカシミヤなのです。
これを軽減させ、上手にカシミヤコートを使うには、やはり混合素材にすると良いかもしれません。
また、1頭のカシミヤヤギからとれる量は150グラムと、非常に貴重なカシミヤは高価になります。
そのため、カシミヤではないウールが混合されている偽物が出回るなど問題も起きているのです。
購入の際には、よく確認をしましょう。
コート選びは高級素材を充分に理解したうえで!
今回、コートに使われる素材についてご紹介しました。
馴染みのあるウールやダウンからカシミヤまで、コートには様々な素材が使われています。
高級とされるものは、確かに暖かく肌触りも良いので優れたコートではありますが、その一方でケアが大変となるデメリットもあります。
ヘビーローテーションとなるコートの場合には、高級も嬉しいですが使い勝手の良さも大切です。
双方の天秤にかけて選ぶ必要がありますね。