ニットの素材で暖かいものはどれ?冬の暮らしをぽかぽかに

寒い冬を乗り切るために、ニットのセーターは手放せませんよね。

しかし、ニットの種類は幅広く、どれがより暖かいのか分からないために、ニット選びに悩む方も多いことでしょう。

おしゃれを楽しむためにはデザイン性も大切ですが、やはり防寒対策としての暖かさも重要です。

そこでこの記事では、ニットの中でも暖かい素材から、そのお手入れ方法まで詳しくご説明していきます。

暖かいニットを選ぶために!まずは素材の条件を知っておこう

ニットのセーターは、冬に大活躍するおしゃれアイテムの一つですが、様々な素材のものがあります。

寒い冬だからこそ、より暖かいニットを選びたい方も多いのではないでしょうか。

では、ニットの素材についてご紹介していく前に、まずは暖かいニットの条件を3つ知っておきましょう。

①保温性
②吸湿性
③通気性

まず、保温性は糸と糸の間にある空気の層によって作り出されます。

重なり合った空気の層は、空気が固定されれば熱を逃がさない断熱材の役割を果たします。

そのため、網目の詰まっていない、もこもことした厚手のものがより暖かいニットになります。

また、吸湿性に優れた素材は、吸湿した際に発熱する特性がありますが、通気性も備えていることで、吸った汗(水分)を外に逃がすことができます。

逆に、吸水性、通気性が備わっていなければ、汗をかいても外に出すことができないため、体を冷やす原因に繋がります。

これらの3つの条件は、暖めた体の熱を逃がさないためのポイントと言え、より暖かいニットを選ぶ上では欠かすことができません。

では、この条件を踏まえた上で、次項から暖かいおすすめなニットをご紹介していきましょう。

カシミヤは暖かいニットの素材

まず、ニットの暖かい素材として定番なのは、「カシミヤ」です。

カシミヤとは、カシミヤ山羊から採れる獣毛繊維で、中国北西部、モンゴル、イランなどが原産です。

寒暖の激しい環境で生きるカシミヤ山羊は、粗毛で覆われた内側に、空気を溜め込んだ産毛を持っています。

この産毛がカシミヤの繊維となるのですが、希少価値が高い理由には、1頭から150~250gしか採ることができない生産量の少なさが関係しています。

肝心の特徴としては、まずは保温性・吸水性・通気性に優れているという点が挙げられます。

カシミヤの繊維には、外気の侵入を抑えて熱を断つ「断熱」の特徴があるため、暖かい空気を逃がすことなく内に留めることができます。

また、カシミヤの吸水性により空気中の水分を吸収し、通気性により放出します。

この仕組みによって、暖かい空気を損なわずに、一定の湿度を保つことができるのです。

さらに、カシミヤの肌触りと伸縮性は、他の獣毛繊維と比べて秀でています。

繊維は極めて細いため、多く束なった繊維でも肌へのあたりは滑らかで、負担は非常に少ないと言えます。

これらの機能性を考えると、カシミヤが着心地抜群の暖かいニットとしておすすめされるのも納得ですね。

カシミヤニットをより長く使うためのポイント

ニットの暖かい素材として、1つ目にカシミヤを挙げましたが、日頃のお手入れには特には配慮が必要です。

と言うのも、カシミヤの繊維はきめ細やかで、非常にデリケートな素材であるからです。

面倒だからとお手入れを怠ってしまったり、間違った方法でお手入れをしてしまうと、カシミヤの持つ機能性が損なわれる場合もあります。

カシミヤのニットをより長く使っていくにも、正しく着用し、正しいお手入れ方法を知っておきましょう。

・汚れや埃、毛玉はこまめに除去

カシミヤは性質上、毛玉ができやすいデメリットがあります。

着用後はできるだけブラッシングを行い、毛玉が出てきたらハサミで除去してください。

ただし、手入れ用のブラシは柔らかい天然繊維のブラシを使うようにしましょう。

合成繊維のブラシは、カシミヤ本来の繊維を傷つける恐れがあり、さらに毛玉や埃を誘発させかねません。

・クリーニングは控える

カシミヤの素材は水に弱いため、クリーニングによって繊維の滑らかさや風合いが損なわれてしまいます。

そのため、クリーニングに出すことは控え、日頃のお手入れをしっかり行いましょう。

クリーニングが必要な場合は、カシミヤの実績があるクリーニング店を選ぶようにします。

・日をあけて着用する

お気に入りのカシミヤニットは愛用したくなりますが、連続の着用は毛玉の発生に繋がります。

毎日連続して着用することは避け、1日着た翌日は休ませるようにしましょう。

以上のポイントに注意して、カシミヤのニットをより長く使えるようにしてください。

ウールも暖かいニットの素材としておすすめ

ニットの暖かい素材として、2つ目におすすめなのは「ウール」です。

ウールとは、ご存知の通り羊毛のことですが、一般的にメリノ種の羊毛を指し、「メリノウール」と呼ばれています。

原産はオーストラリアやニュージーランドが挙げられ、日本に輸出されるウールの多くがメリノウールです。

メリノウール素材は、ウールの中でも最もランクが高い素材で、他の羊毛と比べて非常に繊細な繊維でできています。

まず、ウールの暖かさには「クリンプ(縮れ)」が関係しており、伸縮性のあるクリンプがたくさんの空気を含むことで、保温効果を生み出しています。

また、撥水性にも優れているため、雨や泥などを弾いて汚れから守る特徴がありますが、それに相反するように吸湿性にも長けています。

この「良いとこどり」な機能によって、冬はもちろん、夏でも涼しく着用できる魅力的なニットと言えますね。

ウールニットの洗濯方法!正しいやり方でより長く愛用しよう

ウールのニットをより長く使うためには、ブラッシングや汚れを落とすなど、カシミヤと同様に日頃からのお手入れが重要になってきます。

また、ウール素材は非常に繊細なため、洗濯が可能なウールのニットであっても、洗う際には適切な方法で行うことが大切です。

では、ウールのニットを洗濯する際の流れについて、以下で見ていきましょう。

・洗濯表示のチェック

まずは、タグとしてついている洗濯表示をチェックし、自宅で洗えるか否かの確認をします。

「洗濯マーク」や「手洗いマーク」があれば、自宅で水洗いをすることができます。

ただし、「手洗いマーク」の場合は、洗濯機よりも手洗いのほうが望ましいと認識しておきましょう。

「洗濯不可マーク」の場合は、自宅では洗わずにクリーニングに出してください。

【洗濯手順】

①前処理

いきなり洗濯機にかけずに、まずは汚れに前処理を行います。

気になるシミ部分に水をなじませ、中性洗剤の原液を少量もみ込んでおきましょう。

この前処理を行うことで、汚れをより落ちやすくします。

②洗濯ネットに入れる

この際、シミ部分が外側になるようにたたんで入れてください。

②手洗い、おしゃれ着コースを選んで洗濯

デリケートなウール衣類には、おしゃれ着用洗剤のような中性洗剤を使いましょう。

より柔らかく仕上げる場合は、柔軟剤を使っても良いでしょう。

③平干しする

平干しネットを使って、型崩れしないように乾燥させてください。

間違った方法で洗濯してしまうと、ウールの保温性や撥水性が損なわれる場合があるので注意してください。

以上の洗濯方法を参考に、暖かいウールのニットで冬のおしゃれを楽しみましょう。

大切なニットに汚れが付いてしまったら速やかな応急処置を

これまでに、おすすめする暖かいニットの素材について、お手入れ方法なども踏まえてご説明してきました。

カシミヤやウール以外のニット素材でも、前述したお手入れ方法とほとんど変わらないはずなので、より長く使えるように日頃から心掛けてください。

しかし、大切に愛用しているニットでも、使う頻度が増えることで汚れる機会も多くなります。

洗濯が可能な素材であれば問題ありませんが、洗濯ができない素材だと、汚れた直後の対応次第でシミになってしまう場合があります。

そこで最後に、ニットに汚れが付いてしまった際の、応急処置についてご紹介していきましょう。

●必要なもの

・タオル、ハンカチ(ティッシュでも可):3枚ほど

・ハンドソープ

●手順

①汚れ部分の裏側にタオルをあて、まずは少量の水でなじませます。

②次に、汚れ部分にハンドソープを少量なじませ、その上からもう1枚のタオルをあてます。

汚れを吸い取るようにポンポンと叩いてください。

③汚れが取れたら、タオルに症状の水を含ませ、なじませた洗浄剤を叩きながら吸い取ってください。

④最後に、乾いたタオルで水分を拭き取ります。

以上の手順で応急処置を行ってください。

処置で注意したい点は、擦って汚れを落とそうとすることです。

無理に擦ってしまうと、汚れが余計に広がってしまうため、注意してください。

また、あくまでも応急処置なので、シミが完全にとれていなければ、クリーニングできれいにしてもらいましょう。

冬はおしゃれに暖かく

冬をおしゃれに暖かく過ごすためには、ニットのデザインはもちろん、より暖かい素材や機能性も重視したいものです。

そのためには、その素材がどのようなものなのかを知り、自分の求めているものと照らし合わせてみると良いでしょう。

また、きれいに長持ちさせるためには、日頃のお手入れや使い方にも配慮が必要です。

暖かいニットで、冬の寒さを乗り越えていきましょう。