寒くなってくると、コートを着て外出する機会が増えます。
愛用しているコートは出番も多いですから、ボタンの開け閉じをしているうちに糸が弱ってしまって、気づけばボタンが取れてしまうことも多いですよね。
取れてしまったボタンを付けなおしたりと、お気に入りの衣服を自分で繕って大切に着ることは、ものを大切にする習慣へと結びつきます。
そこで、この記事ではコートにボタンを取り付ける際の縫い方やコツについてご紹介します。
コートのボタンが取れた時には自分で取り付けよう!縫い方は簡単!
寒い季節になると、外出にコートが欠かせません。
シャツなどと違って着る頻度が高くなりがちなコートは、その分痛みも早くなりやすいので、ボタンのようなパーツが取れてしまうトラブルも多発してしまいますよね。
もしボタンが取れたからといって、コートそのものを着なくなってしまってはもったいないです。
次々とトレンドのコートを着るのもいいですが、愛着のあるコートを繕いながら大切に着るのも豊かなライフスタイルではないでしょうか。
かといって、修理してくれる場所を探すのも手間ですし、すぐに着たい場合には困ってしまいますよね。
そこで、自分でボタンの付けなおしにチャレンジしてみませんか?
裁縫は学生以来だという方もいらっしゃるかもしれませんが、意外とボタンの縫い方は簡単なので、裁縫に苦手意識がある人も挑戦してみてください。
きっと今あるコートへの愛着も深まって、より大切に着られるようになりますよ。
基本的なボタンの縫い方
それでは初めに、生地にボタンを取り付けるための基本的な縫い方をおさらいしておきましょう。
まず、針に糸を通して、糸の端に玉結びをします。
糸を取り付けることができたら、ひと針目はコートの生地の表側から刺しましょう。
ひと針目を表にすることで、ボタンの取り付け位置を正確にできます。
ボタンを2~3回縫い付けたら、根巻きを行います。
根巻きという言葉をはじめて聞いた方もいらっしゃるかもしれません。
根巻きとは、ボタンと生地の間に糸を巻き付けることです。
生地とボタンをつなぐ糸が擦れ切れてしまうことから保護して、ボタンが取れにくいようにする効果があります。
糸全体を保護できたら、根巻きの最後の輪に糸をくぐらせて、しっかりと止めます。
そのまま針を裏地側に通して、玉止めを行って、糸を切れば完成です。
以上が基本的なボタンの取り付け方です。
次の項からは、コートのような厚手の生地におけるボタンの縫い方についてお伝えします。
ボタンの縫い方!コート特有のテクニックとは?
コートのボタンを縫い付ける場合、シャツのような薄手の生地にボタンを縫い付ける場合とはまた勝手が違ってきます。
そこで、コートのような厚手の衣服にボタンを取り付ける場合の縫い方や、コツについてご紹介します。
まず、コートの特徴についておさえておきましょう。
コートは防寒のために厚い生地が使われていて、そのために重いという特徴があります。
ボタンは、上記のような厚くて重い生地どうしをつなぎとめる役割を果たすために、丈夫でなければいけません。
そこで、ボタンを縫い付ける糸には20番手の糸を使うことをおすすめします。
番手とは糸の太さを示すもので、数字が小さいほど太い糸だということを表します。
一般的な裁縫糸は50~60番手ですから、20番手は太くてしっかりした糸だとわかりますね。
また、糸が太いということは、針も太めのものでないと糸を通すことができません。
コート用やデニム用、または厚地用と表示のある針を使うようにしてください。
負荷がかかるボタンの縫い方!力ボタンを使ってみよう!
続いて、コートにボタンを縫い付ける時のテクニックをお伝えします。
前述した通り、コートの生地には厚くて重いものが使われている場合が多いです。
こういった生地どうしをつないでとめるボタンには、大きな力がかかってしまうということは自明ですよね。
そこで、ボタンにかかる負荷を分散するために、「力ボタン」というテクニックを使ってみましょう。
力ボタンというワードに聞き覚えがない方も多いと思いますが、多くの方は知らず知らずのうちに力ボタンを見たことがあると思いますよ。
それでは、力ボタンをどこで見かけるのかというと、ボタンが取り付けられている生地の裏地です。
裏地についている小さなボタンのことを指して、力ボタンというのです。
力ボタンは、生地の表側についているボタンと共通の糸で結ばれています。
ボタンを普通の縫い方で生地だけに付けた場合、ボタンに強い力がかかると生地がダメージを受けて破れてしまう恐れがあります。
しかし、力ボタンを使うことで、ボタンにかかった強い力を力ボタンが分散してくれるため、生地に加わるダメージが最小限になるのです。
力ボタンの縫い付けは簡単で、ボタンを縫い付ける時に、生地の裏地側に出した糸を力ボタンに通すようにして縫い付けるだけです。
もしお気に入りのコートのボタンが取れてしまった時には、ひと手間加えてしっかりと付けなおしてあげましょう。
ボタンごとに縫い方は違う!糸のかけかたで個性的に!
コートによって、様々な種類のボタンが使われていますよね。
ボタンの種類によって、縫い方も若干ではありますが違いが生じます。
そこで、この項ではボタンによる取り付け方の差異や、個性的な取り付け方についてご紹介していきます。
■2つ穴ボタン
オーソドックスな形状の2つ穴ボタンは、取り付けで迷うことはあまりないと思います。
唯一気になる点があるとすれば、穴を横一列に使うか、縦一列に使うかという点でしょう。
一般的な既製品の洋服では、穴を横に使って、糸が一文字になるように取り付けられていることが多いようです。
■4つ穴ボタン
4つ穴ボタンは糸のかけ方に工夫をすることで、衣服を幅広く個性的にアレンジすることができます。
既製の洋服に初めからついているボタンは取り付けが甘いことが多いので、着る前に自分で付けなおすことをおすすめしますが、その際に糸のかけ方をアレンジして自分だけの衣服にすると楽しく着こなすことができますよ。
糸のかけ方には、以下のようなものがあります。
・X字形
オーソドックスな縫い方です。
交点がこんもりとしてしまうので、そこに摩擦が集中してしまうという弱点もあります。
・=の形
こちらもオーソドックスです。
縦横を入れ替えても印象が変化しますよ。
・N字形
上記の=の形に斜めの糸も加えた形です。
縫い付ける際に、斜めの糸の向きを間違えないように注意してくださいね。
・V字形
V字形は、見ようによってはハート形にも見えます。
かわいらしいワンポイントになりますよ。
・鳥脚形
V字形の間に縦線を加えた形です。
形がユニークなだけでなく、ボタンの中心がずれるためボタンを掛けやすくなるというメリットもあります。
■脚付きボタン
脚付きボタンは、厚手の生地を留めやすいようにあらかじめ脚がついているボタンです。
根巻きが不要なので、2~3回しっかりと縫い付けて、そのまま玉留めで処理してください。
以上の他にも、個性的なボタンが手芸店などで入手できますよ。
ボタンを高級感のあるものに付け替えるだけで、衣服そのものがよりしっかりとして見える効果が期待できます。
ボタンが取れてしまったことをきっかけにして、全てのボタンを好みのものに交換してみるのもおすすめですよ。
実際にコートにボタンを取り付ける手順!
それでは最後に、実際にコートにボタンを縫い付ける手順と注意点を見ていきましょう。
スタートは一般的な衣類と同じです。
生地が厚くて針も太いため、縫い方に力が必要に感じた場合には指ぬきを使ってください。
裏地では力ボタンに糸を通して、表地に針を出します。
はじめの注意点として、ボタンと布地の間に多めに隙間をあけましょう。
生地が厚いため、隙間が少ないときつくてボタンを留められません。
基本的には生地の厚みに合わせますが、目安としては5mm以上スペースをあけて、しっかりと根巻きしましょう。
根巻きを終えたら、糸の始末を行いますが、この方法も特殊です。
根巻きをした糸の柱に針を刺し、糸を通してください。
力がいりますが、2~3回糸を通せばしっかりと固定できます。
固定できたら、糸を柱のきわでカットして、ボタンの取り付けが完了です。
自力でコートにボタンを取り付けよう!オシャレアイテムを大事にする習慣を
以上、取れてしまったコートのボタンを再び自力で取り付ける方法についてご紹介してきました。
厚手の生地にボタンを縫い付ける場合には、針と糸の太さに気を付けてください。
また、力ボタンや根付けのようなテクニックを活かして、もう取れないくらいにしっかりとボタンを取り付けておきましょう。