テーラードジャケットのサイズの見方と身体に合った選び方

紳士的なファッションには、ジャケットの存在が無視できません。

身体に合わないジャケットでは、見た目が美しくないだけでなく、動きが制約されて不自由を感じます。

ところが、ジャケットのサイズは、スーツとカジュアルでは表記法も異なっていて戸惑うところです。

また、海外ブランドには、見慣れない数字のサイズ表記まである始末。

ここでは、テーラードジャケットのサイズ表記の意味と、身体に合った選び方をご紹介します。

ジャケットの選び方のポイントは色、柄、素材とサイズ

ジャケットの持つ印象のうち、最も強いのは色による印象です。

黒いスーツの男、紺の上着に身を包んだ若者、焦げ茶のジャケットを羽織ったオシャレなおじいさんなど、人の印象を伝える時に、アウターであるジャケットの色で伝えることがよくあります。

大雑把に分けるなら、ジャケットの色は、暗い色と明るい色、青系の冷色と茶系の暖色に分けることができます。

強く印象に残るのは色ですが、着ている人のこだわりが表現されるのは柄です。

柄は、チェックやストライプは細かく機械的なものほど知的に、大きな柄や配色に偏りを持った柄はカジュアルになります。

素材もまた、ジャケットの選び方には重要なポイントです。

代表的なものには、ウール、綿、麻などの天然素材と、ナイロンやポリエステルといった合成繊維があります。

ウール素材のジャケットは、落ち着きと高級感を持ち、正式な場に出る場合に相応しい素材です。

綿は印象が柔らかく、カジュアル感が増します。

麻を素材としたジャケットは、通気性が良いため夏物として使われることが多いのですが、シワになりやすいという一面も持っています。

合成繊維には、それぞれの利点がありますが、天然素材のような繊維同士の絡み合いによる風合いや保温性はありません。

天然繊維との混紡にすることによって、各々のメリットを足し算することができます。

ジャケットの用途に合わせて色、柄、素材を決めたら、いよいよサイズ合わせです。

ジャケットのサイズの基本は、ジャストサイズです。

サイズが身体に合っていないと、シルエットが崩れてだらしない印象になってしまいます。

ジャケットサイズの計測ポイント

ジャケットのサイズの選び方には、いくつもの計測ポイントがあります。

最も重要なポイントは肩です。

ジャケットの肩の位置を決める際の目安は、肩の骨の湾曲のピーク点と上腕部の最も外側のラインの中間に袖の付け根を持ってくることです。

ジャストなサイズでは、肩をつまんで1cm程度のゆとりができている状態になります。

次のポイントは胸と胴になります。

胸と胴のバランスを見るには、ジャケットのボタンを留めて確認します。

ボタンを留めて横から見た時に、ボタン部分が前に尖って出ているようであれば太すぎで、ボタンから放射状のシワが出るようであれば細すぎです。

袖丈は、親指の先端からの距離が11cmになるのが目安とされていますが、手のひらの大きさや親指の長さは千差万別です。

ちょうど良い長さの確認には、手のひらを床と水平にして袖口が手の甲に軽く触れることを目安にした方が良いでしょう。

このポーズで袖が手のひらに被るようであれば長すぎ、手の甲に届かないようであれば短すぎな判断です。

ちょうど良い長さでは、袖口から覗くシャツの袖は1cmほどになります。

着丈は、上下揃ったスーツの場合と、ジャケパン前提のジャケットでは変わってきます。

スーツは上下の生地が同じであることから全身で一つのシルエットとなるため、パンツの役割は縦の直線を強調することです。

着丈は、お尻がギリギリ隠れる長さまで伸ばして、そこから繋がるパンツには縦ラインを任せます。

上下でシルエットの切り替えが入るジャケットの場合には、下半身を長く見せるために着丈を短めにします。

パンツのヒップのピークを超えてしまえば、それほど違和感は感じません。

ジャケットは肩で着る

ジャケットは肩で着るという言葉が指すように、サイズの選び方における最重要ポイントは、肩がしっかり収まっていることです。

肩周りが窮屈だと、動きが制約されて、身のこなしが不自然なものになります。

逆に肩周りの余裕が大きすぎると、ジャケットの中で身体が泳いでしまい、シャツの首周りとの間に余計な空間が生まれたり、左右のラペルの高さがズレてしまったりします。

収まりの悪いジャケットは、借り物を着せられているかのような印象を与えかねません。

一方、肩がしっかり収まったジャケットが作るシルエットは、肩から背中へのラインが直線的で美しいものになります。

ジャケットの肩を合わせるには、やはり試着してみるのがベストです。

肩はジャケットの中で最も大きく動く部分ですし、姿勢によって前寄りがフィットする人も居れば後ろに反り気味の方がフィットする場合もあります。

採寸した数字で合わせても、実際に肩を動かしてみると違和感を感じることも少なくないのです。

肩幅の採寸をしてオーダーする場合であっても、できれば既製のジャケットでアタリを付けておくことをお薦めします。

背中に縦にドレープが入ったり、左右のラペルを引いてみてジャケットが動くようであればサイズは大きめです。

ボタンをしてみてシワが入るようであれば、サイズは小さめになります。

この時かけるボタンは、2つボタンなら上の一つがけ、3つボタンは上の2つがけ、4つボタンは中の2つがけになります。

スーツのジャケットサイズの選び方

スーツの選び方に使われるサイズ表記には、A体、B体、Y体といった分類が使われています。

この表記法は長さだけでは表せない体型の差を、ジャケットの胸囲と胴囲の差の違いで表しています。

特にスーツに場合には、ジャケットが身体にフィットすることを前提としているため、この体型表記が使われることが一般的です。

標準体型になるのはA体で、胸囲と胴囲の差は12cm程度の差があります。

B体になると差が6cm程度となり、かなりゆったりしたボックス型のシルエットになります。

逆に、細身のY体は、胸囲と胴囲の差は16cmにまで広がり、肩からウエストにかけての三角形が強調されてきます。

A体とB体の間にはAB体が、B体よりも更にゆったりしたサイズとしてE体やO体を設けていることもあります。

逆に、細めの体型にはA体とY体の間にYA体、更に細めのJ体が存在します。

体型表記のアルファベットの後に付けられた数字は、身長の目安を表しています。

身長の目安は着丈を基準に計算され、着丈×2+25で算出されたものです。

身長が155cmから160cmなら3、160cmから165cmなら4というように5cm毎に区切って番号付けされており、180cmから185cmになると8が割り付けられます。

例えばA6というと、身長は170cmから175cmで胸囲と胴囲の差は12cm程度(胴囲は82cmなら胸囲は94cm)なら、着丈は75cm前後となります。

この規格は、JIS規格で定められている日本独自のもので、身長の目安から出された数字は共有されています。

カジュアルショップでの選び方に使われるサイズ表記

一方、カジュアルショップで扱われるジャケットでは、身体へのフィット感よりも出来上がったシルエットの好みが反映されます。

体型はブランド毎に固定される傾向があり、サイズ表記では大きさを示すS(small)、M(medium)、L(large)といった大雑把なものが使われます。

更に、このサイズ表記も国ごとの標準体型を元にしているため、同じサイズでも縫製された国や市場とする国によって、大きさはまちまちです。

このアテにならないサイズ表記を避けるために国際基準が設けられており、メンズものの場合はサイズ表記をXS、S、M、L、XLと定めています。

日本のサイズとは一段ズレており、国際基準のXSは日本のSに、国際基準のMは日本のLに相当します。

アメリカやイギリスでは、国際基準のXSを34と表記し、以降、2ずつ増えて、Sは36、Mは38、XLは42としています。

他の国でもスタートの数値が違うものの以降の数値の増え方は同じで、フランスではスタートのXSが38でXLが46、ドイツやイタリアはXSが44でXLが52となります。

しかしながら、これらの数字はあくまでも目安でしかなく、シルエットはブランドによって全く異なるものだということを理解しておかなければなりません。

必ず試着して、動いた時の着崩れの仕方などをチェックするのが、カジュアルショップでのジャケットの選び方です。

ジャケットのボタンの留め方

ジャケット選びにはサイズだけでなく、色や柄、素材と共にジャケット自体のデザインも重要です。

そのデザインの中では、ボタンの数も選び方のポイントの一つになるでしょう。

ジャケット選びをしていると、ボタンの数によって印象が変わることに気付きます。

ジャケットの始まりは、礼装用のアウターです。

そのデザインは、1つボタンのタキシードやモーニングスーツという形で完成されました。

2つボタンのジャケットの元は、ビジネス用にデザインされたもので、礼装とは異なるという意味合いを込めてボタンが増やされました。

ただ、ボタンは増やされましたが、下のボタンは飾りボタンとしての意味合いが強く、基本は外したままになります。

3つボタンも、2つボタンのバリエーションとして誕生しましたが、シルエットはやはりボタン1つがけが美しいことから、中には上のボタンを段返りボタンとしてラペルの裏に隠し、逆側のボタンホールを見せるものが多く存在します。

ボタンは1つでも2つでも3つでも、基本的に留めるボタンは1つだけです。

これは、ジャケットは羽織るものであってシルエットを保つために、身体の動きによって生じるシワやネジレを避けるために許されたルールです。

特に、下のボタンを外すことを許すのはアンダーボタンマナーと言われます。

4つボタン以上のものは、ファッション的な挑戦として作られているものなので、ジャケットの基本からは外れたものです。

ボタンの扱いで知っておきたいのは、ボタンを留める場面と外す場面の使い分けです。

立っている姿勢では、ボタンを一つかけて筒状のシルエットを作ります。

座っている時には、シワをさけるためにボタンを外して前を開くのが基本のマナーです。

サイズ選びの際にも、ボタンをかけて確認するのは立った状態で、ということになります。

ジャケットのサイズ選びは肩周りから

身体にフィットしたジャケットを選ぶ際、最初に合わせるのは肩まわりということになります。

肩を合わせたらボタンを留めてシルエットの確認、最終的に袖丈と着丈で確定させるのが理想です。

その流れでフィットするものを選べなかった時には、思い切ってデザインを変えてみるのも良いでしょう。

インナーと違い、ジャケット自体が形を持っていますので、自分の体型とのマッチングが鍵になります。