カーディガンなどのニット類は、気がつくと毛玉ができていることが多いです。
毛玉がついたままでは印象が良くないため、ただちに取り除くことが望ましいでしょう。
しかし、カーディガンの毛玉は正しい取り方で除去しないと、さらに毛玉ができやすくなってしまうと言われています。
そこで今回は、カーディガンなどにできた毛玉の正しい取り方や、毛玉ができるメカニズムなどについて、詳しくご紹介していきましょう。
カーディガンに毛玉ができる理由
カーディガンなどのニット類は、気がつくと毛玉ができてしまうものです。
そもそも、毛玉ができるメカニズムとはどんなものなのでしょうか。
毛玉の主な発生理由は、「摩擦」によるものが原因だと考えられます。
摩擦とは、腕を動かしたり、椅子に座ったり、洗濯機でカーディガンを洗った時などに生じるものです。
カーディガンの生地の先端部分が、摩擦を受けることで「毛羽」立ちます。
この毛羽同士が絡み合い、束になることで毛玉ができあがってしまうのです。
カーディガンを着ていて、摩擦は日常的に起こります。
ただ歩いているだけでも、腕を動かすことで脇や袖の内側がこすれて摩擦が起こります。
また、バッグやリュックなどを背負うことで、こすれやすい部分が増えることになります。
どんなに気をつけて生活しても、衣類に摩擦が起こるのは仕方のないことなのです。
しかし、カーディガンの素材によって、毛玉ができやすいもの、できにくいものがあるようです。
次項から、毛玉ができやすいカーディガンや、毛玉の取り方などについて詳しく見ていきましょう。
毛玉ができやすいカーディガンとは?
ここでは、毛玉ができやすいカーディガンについてご紹介していきます。
今使っているカーディガンや、これから購入を検討しているカーディガンが当てはまっていないか、事前に確認しておくと良いでしょう。
●動物繊維のカーディガン
ウール・カシミア・アンゴラなど、高級な動物繊維の素材は、毛玉ができやすい傾向があります。
動物繊維は強度が低く、摩擦の影響を受けやすいことが主な原因です。
毛玉はできやすいですが、比較的除去しやすい素材でもあるため、こまめなケアをすれば長く使い続けることができるでしょう。
しかし、カーディガンにできた毛玉を取り続けていると、だんだんと生地が薄くなっていきます。
カーディガン自体の寿命が縮まることを意味しますので、過度な毛玉の除去は注意が必要です。
●天然繊維×化学繊維のカーディガン
綿とポリエステル・綿とアクリルなどの、天然繊維と化学繊維の混紡素材も、毛玉ができやすいという傾向があります。
動物繊維との大きな違いは、混紡素材は強度が強いため「できた毛玉が取りにくい」ことでしょう。
毛玉を手で引っ張って、なかなか取れないものはほとんどが混紡素材の製品です。
毛玉ができやすく、また除去しにくいため、ニットとしてはあまりおすすめできない素材です。
次項では、毛玉の取り方として、行ってはいけない「間違った除去方法」についてお話ししていきます。
やってはいけない!間違った毛玉の取り方とは?
カーディガンなどに毛玉を見つけた時、皆さんは普段どのように除去していますか?
1つ、2つの毛玉だった場合、手で引っ張って除去してしまっているという方は多いと思います。
しかし、毛玉を手で引っ張る除去方法は、間違った取り方です。
間違った毛玉の除去方法を以下で詳しく見ていきましょう。
●手で引っ張る
毛玉を手で引っ張って取ると、一見してきれいな状態に戻ったように見えます。
しかし、毛玉になる前の正常な繊維も一緒に引きちぎってしまうことになり、この繊維が浮き出ることで、新たな毛玉ができてしまうのです。
毛玉を手で引っ張って取ると、毛玉ができやすい環境をわざわざ作ってしまうことになります。
●スポンジで除去する
食器用スポンジの「粗い目」の面で、毛玉を取る方もいらっしゃるでしょう。
一気に広範囲の毛玉が除去できるため実践している人も多いと思いますが、この方法も間違った取り方です。
スポンジをこすることで無理矢理毛玉を引きちぎっていることになり、これは手で引っ張って取る除去方法と一緒になります。
そのため、広範囲に新たな毛玉ができやすくなってしまうため、絶対に止めましょう。
手軽にできる!カーディガンの正しい毛玉の取り方とは?
前項では、つい行ってしまいがちな間違った毛玉の取り方をご紹介しました。
ここでは、カーディガンにできた毛玉の「正しい取り方」をご紹介していきます。
どのご家庭にもあるもので、簡単に除去することができますよ。
●ハサミで切る
生地を傷めず、手軽に行えるのがハサミを使った除去方法です。
毛玉の下にハサミを入れ、毛玉だけを切っていきましょう。
ハサミは裁縫用があれば、そちらを使用してください。
誤ってカーディガンを切らないように、毛玉の1つ1つを丁寧に切っていくことが大事です。
ハサミで切ると毛羽立ちが起こることがないので、次の毛玉ができる可能性は低いでしょう。
●T字カミソリで除去
T字カミソリも、ハサミと同じように毛玉だけを除去することができます。
毛玉の上で軽い力でこすることで、生地を傷めずに毛玉だけを除去することができます。
あまり力を入れず、丁寧に行うことがきれいに毛玉を取るポイントです。
広範囲の毛玉にはこれ!カーディガンの毛玉のおすすめの取り方とは?
カーディガンの毛玉があまり多くなければ、ハサミやT字カミソリで十分除去することができます。
しかし、広範囲にわたる毛玉ができた場合、ハサミなどで1つ1つ除去するのは大変ですよね。
そこで、ここでは広範囲にできた毛玉のおすすめの取り方をご紹介します。
初期費用がかかるものですが、ニット製品に毛玉はつきもののため、1つは持っておくと良いでしょう。
●電動毛玉取り器
電動毛玉取り器は、毛玉を毛玉取り器の内部にある、回転した刃でカットするという方法です。
浮かせた毛玉だけを除去するので、正常な繊維をカットしてしまうことはありません。
安価なものもありますが、生地を傷めにくいのは2,000円~3,000円くらいで販売している毛玉取り器です。
広範囲の毛玉を一気に取り除くことができるため、安全に手早く済ませたい方におすすめです。
●毛玉取りブラシ
毛玉取りブラシは、一見して普通のブラシのように見えますが、広範囲の毛玉の除去に適しています。
ブラシをかけることで、毛玉だけでなく、毛玉になりかけている繊維に関してもきれいに取り除くことができます。
価格は3,000円ほどしますが、電池を使用しないので、長く愛用することができるでしょう。
毛玉ができにくいカーディガンが欲しい!おすすめは?
ここまで、カーディガンにできた毛玉の正しい取り方・間違った取り方などについてお話ししてきました。
カーディガンを着用するのなら、なるべく毛玉ができにくいものが良いですよね。
そこで、ここでは「毛玉ができにくい素材」をご紹介していきます。
これから購入するカーディガン選びの参考にしてくださいね。
●綿・麻・シルク100%の生地
綿・麻・シルクなどの植物繊維100%の生地は、毛玉ができにくい素材だと言われています。
保温効果はあまり高くありませんが、長く着用するのであればおすすめの素材です。
シルクは高級素材で値が張るので、綿や麻のカーディガンが良いでしょう。
●抗ピル加工が施されている生地
抗ピル加工とは、毛玉ができにくくなる加工のことを指します。
摩擦が起こっても繊維の毛羽立ちが抑えられるよう、特殊な薬品につけて繊維の強度をあえて弱くしています。
抗ピル加工のカーディガンは保温性が高いものが多く、なおかつ毛玉ができにくいため、冬におすすめの製品です。
間違っていない?普段のカーディガンの毛玉の取り方
ニット類の毛玉が1つ2つくらいであれば、普段は手で引っ張って除去しているという人は多いでしょう。
しかし、手で引きちぎる除去方法は、正常な繊維まで引きちぎり新たな毛玉を作りやすくしてしまっています。
間違った毛玉の取り方は衣類にダメージを与えることになるため、ハサミやT字カミソリなどを使い毛玉を取り除いてください。
長い目で見たら、電動毛玉取り器や毛玉取りブラシを購入しても良いでしょう。
衣類にできた毛玉は、正しい方法で除去することが大事ですよ。