目次 1 ジャケット生地の基本をおさえよう2 新しく誕生したおすすめのジャケット生地3 コーデが広がるおすすめのニットジャケット4 おすすめのカジュアルなジャケット生地「コットン」5 3シーズンOKの […]
ジャケット生地の基本をおさえよう
例えば、定番のテーラードジャケットと言っても、ウール素材はビジネス向け、リネンやコットンはカジュアルスタイルと、その印象は大きく変わります。
ドレス感ある素材なら、会社に着て行くことも可能かもしれませんが、カジュアル感が強い素材はおすすめできません。
それでは、ジャケット素材にはどのようなものがあって、どのようなシーンに合っているのか見てみましょう。
まずは、定番のウール素材です。
【ツイード】
ジャケットの定番となっているツイードは、スコットランドの家庭で手織りされていた、毛織物が始まりとされています。
羊毛生地のなかでも厚手で粗く、素朴な風合いとざっくりとした肌触りが特徴です。
ツイード川流域で織られていたことで、「ツイード」という名が付けられました。
他にも、シェットランド諸島の羊毛を使った「シェットランド・ツイード」や、ハリス&ルイス島の島民が伝統を守りながら織っている「ハリスツイード」などがあります。
落ち着いた柄はビジネスシーンで、カラフルなチェック柄はカジュアルに着ることができます。
【フランネル】
ウールを基本素材に織り込んで、後から起毛させた薄手の毛織物のことで、古くは婦人用の肌着として使われていましたが、その後、スーツ素材として使われることが多くなりました。
薄手で軽いフランネルは、保温性が高いので秋冬コーデには重宝するでしょう。
スーツでしたらビジネスに、ジャケットだけでしたらカジュアルな着こなしになります。
新しく誕生したおすすめのジャケット生地
これまで、ニット素材はジャケット生地には向いていないと言われていましたが、技術の進歩により作ることができるようになりました。
【ニット】
ニットと言えば、主にセーターやカーディガンに使われる素材でした。
それは、素材を編むことで生地にしているので、伸縮性が高すぎてしまい、ジャケットのようなデザインはなく、ショートガウンのようなものまでしか作ることができなかったからです。
しかし、近年では技術の進歩によって、しっかりとしたニットが開発され、テーラード型のようなジャケットが作れるようになりました。
フロントボタンが2つから3つ付き、適度な伸縮性で着心地が良く、シワになりにくいので、部屋着のようにリラックスして着られるジャケットです。
ニットジャケットの位置付けとしては、あくまでもラペル(下襟)付きのカーディガンというアイテムなので、基本的に袖ボタンが付いていません。
もともと、ニットはカジュアルな素材なので、通常ビジネスシーンにはおすすめできませんが、どうしても着て行きたい場合は、編み目のごく細かいものを選ぶと良いでしょう。
また、秋から春まで3シーズン着られるので、コーデの幅も広がります。
寒い季節にはコートのなかに着たり、タートルネックニットを合わせたりすることで、ファッション性とともに防寒対策にもなります。
コーデが広がるおすすめのニットジャケット
ニットのなかでも、おすすめのジャケット生地をご紹介しましょう。
【ウールジャージー】
ウールは、ジャケットやスーツに使われる基本素材ですが、そのウールを「織る」のではなく「編んだ」ものがウールジャージーです。
ジャージー生地と言えば、スポーツウェアを思い浮かべる方も多いと思いますが、技術の進歩により、ウールを細かく編むことができるようになりました。
編んであることで、伸縮性が高くなり、肩や腕、肘などの動きにも無理なくフィットし、着心地の良い作りになっています。
生地が伸びやすい、ポリエステル混紡のストレッチ素材と違い、ウールジャージーは生地が伸びてしまわないので、型崩れしにくいという特徴があります。
動きやすく、上品な生地は、編立にもよりますが、ビジネスでもカジュアルでも着ることができるでしょう。
1年を通して着られるので、1枚あると便利に着まわせます。
ウールのパンツを合わせるとビジネスシーンに、ワーク系のデニムやチノと合わせるとカジュアルな着こなしになります。
おすすめのカジュアルなジャケット生地「コットン」
【コットン】
コットン=綿は、日常でもさまざまなものに使われている、馴染み深い素材です。
コットン生地は、耐久性が高いのでワークジャケットに使われることが多い素材です。
しかし、しなやかで薄手のコットン素材は、テーラード型ならウールのジャケットと同じようにビジネスシーンでも着ることができるのでおすすめです。
特にコットンを綾織り(ツイル)にした、コットンツイル生地であれば、より良いでしょう。
コットンツイルは、丈夫で肉厚、肌触りが良く、伸縮性が高いという特徴があります。
また、通気性も良いので、薄手のものを選べば、春や夏などにも着ることができます。
ラギッドな表面感があるものは、シャツと合わせてユニフォーム的な着こなしが似合います。
ボトムスもチノやデニム、ツイードなど、ラギッド感のあるものにするとまとまりが良いでしょう。
タイドアップするときのボトムスは、コットンやウールのようなマットな質感が合います。
タイドアップとは言え、コットンはカジュアルのイメージが強い素材なので、オフィシャルなシーンでの着用は避けた方が良いでしょう。
3シーズンOKのおすすめジャケット生地
【リネン】
リネンとは麻のことで、ざらりとした質感ですが、しなやかで通気性が良いので夏の素材として多く使われています。
イタリアの伊達男は3シーズン、リネンを着ると言われています。
日本でも同じように、リネン素材は春から秋まで活躍することでしょう。
新品のあいだは、テカリが出ているものもありますが、これは生地を押し潰す「チンツ」という加工がされているためです。
麻は自然素材なので、繊維の太さが一定ではなく不揃いなため、シワになりやすいのですが、このこなれ感のあるシワがリネンの魅力でもあります。
やや粗めに織られた生地は、通気性に優れ、吸水性が高いという特徴があります。
伸縮性はほとんどありませんが、引張り強度は高いので、着心地は抜群です。
日本では、リネン生地のジャケットですと、腕まくりをしてTシャツの上から羽織るような、リゾートのイメージが強くなります。
しかし、ホップサップと呼ばれる、リネンを使ったメッシュ生地であれば、ビジネスでも着ることができます。
通気性に優れているので、特に夏の暑い時期はホップサップのジャケットはおすすめです。
時代の流れでビジネスでも使えるようになったジャケット生地
【ナイロン】
化学合成繊維であるナイロンの特徴は、耐久性が高く弾力があり、吸湿性が低く熱に弱いという特徴があります。
したがって、ジャケット生地として使用した場合は、水に強く、シワになりにくい、ということになります。
もともとはスポーツ素材ですが、「シャカシャカ素材」として質感を楽しむ、テーラード型のジャケットが人気を集めています。
これまで、ナイロンのジャケットは、カジュアルなものとして扱われてきましたが、近年ではITやベンチャー系の企業など、比較的服装が自由な職場では着る人が多くなっていると言います。
それは、ナイロンが持つ機能性が、都会的なイメージだということが大きいようです。
鞄のなかに入れておいてもシワになりにくいので、クライアントに会うときや打ち合わせなど、必要に応じてジャケットを着ることができるというのも、理由のひとつです。
商品によっては、ジャケットを折りたたみ、小さなポーチに入れて持ち運びできるというものまであります。
ナイロンジャケットに合わせるのは、鹿の子シャツやポロが良いでしょう。
ボトムスは同じシャカシャカ系のものにすると、きれい目コーデになるのでおすすめです。
時代に合ったおすすめのジャケット生地
今回は、定番のジャケット生地から、技術の向上とともにジャケット生地として扱われるようになったものや、時代の変化によってビジネスシーンでも着られるようになったものなど、さまざまな生地をご紹介してきました。
また、カジュアルなイメージが強いものでも、織りや色などを工夫すれば、ビジネスでも着ることができます。
ぜひ、ジャケットを選ぶときの参考にしてください。