薄手のダウンでも暖かく着るためには、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか。
実はダウンには、その性質をいかした着方があります。
暖かい状態にするために、おすすめの使い方を知っておきましょう。
最初に、ダウンの種類について簡単にお伝えします。
薄手でも暖かいダウンを選ぼう
薄手でも暖かいダウンを選ぶためには、中に入っている素材や量、そして「フィルパワー」を知っておくと役立つでしょう。
基本的に、ダウンを暖かくしてくれる素材は鳥の羽です。
ダック(あひる)とグース(がちょう)の羽などを使っていますが、グースのほうが暖かいと言われています。
グースのダウンは高級感がありますよね。
そして、羽根の形状によって「ダウン」と「フェザー」に分けられます。
ダウンはたんぽぽの綿毛のように丸みのある柔らかい形で、フェザーは中心に軸がある形です。
鳥の羽を描くときに思い浮かべるのはフェザーのほうではないでしょうか。
フェザーよりダウンが多く含まれているもののほうが、暖かい傾向があります。
羽ではなく、合成繊維が入ったダウンのようなアウターもありますね。
ダウンの暖かさを左右するフィルパワーとは
・グース(がちょう)の羽のほうがダック(あひる)より暖かい
・ダウンのほうがフェザーより暖かい
ということをお伝えしました。
生地や縫製も関係しているので、必ずしも上記の法則が当てはまらないこともありますが、比較する際に参考にしていただけると幸いです。
次に、フィルパワーについてご説明します。
フィルパワーは、ダウンの膨らみ方をあらわす数値です。
フィルパワーが高ければその分、防寒性に優れていると言えるでしょう。
防寒性の高い薄手のダウンが欲しいと思ったら、フィルパワーにも注目することをおすすめします。
タウンユースであれば、600フィルパワーあれば十分に寒さをしのげると考えられます。
ちなみに、毎年大人気のユニクロのダウンは640フィルパワー前後です。
ウルトラライトダウンコンパクトジャケットや、ハイブリッドダウンパーカなど、すっきりと着られるダウンでも保温性が高く、コスパもいいのでおすすめですよ。
「まわりと被りたくない」「もっと高品質なダウンが欲しい」と思う方は、750フィルパワーより高いダウンを選んでください。
薄手でも暖かい!ダウンの性質をいかす着方
ダウンを暖かく着る方法をご存知でしょうか。
それを知っておけば、薄手のダウンをもっと上手に活用できますし、寒い思いをしなくてすむかもしれません。
○ダウンは薄着して着るほうが暖かい場合がある
ダウンは、外からの暖かさを中に閉じ込める性質があります。
暖房の効いている屋内や車内などで着る場合は、室温の暖かさによってダウン全体が暖まり、ぬくもりを得ることができます。
しかし、外気が冷たい場合には、ダウンの外側は冷え切ってしまいます。
そんなときにダウンの暖かさを確保するためには、自分の体温を利用して、内側から熱を伝えるといいと言われています。
もし厚着をしてダウンを着れば、体温をダウンに伝えにくくなります。
したがって、薄手のダウンを真冬でも使いこなそうと思ったときに、防風性の高いコートの下にダウンを重ね着するのはおすすめです。
羽毛布団も、毛布を何枚もかけた上にかけるよりは、できるだけ体と近いところで使うほうが効果的だと言われます。
軽くて暖かいダウンの性質を理解して、活用していきましょう。
天気・汗に注意!ダウンの弱点
次に、ダウンの弱点についてお話ししましょう。
○ダウンは水に弱い
びっしょりと濡れたダウンを見たことがあるでしょうか。
水に濡らすと、ダウンが薄くしぼんでしまいます。
湿気の高いところよりも、乾燥したところのほうがふっくらしますよね。
外側の素材がいくらか水をはじくものも多いですが、レインコートではないので水分を完全に防ぐことはできないでしょう。
そのため、雪や雨の日、霧が出ている日などには、薄手のダウンでは寒さを感じやすいです。
天気によっては、ダウンの上にレインコートを着たり、しっかりと厚着をしてダウン以外のアウターを着たりしたほうが防寒性が高まることがあります。
また、「薄着して着るほうが暖かい場合がある」とお伝えしましたが、汗をたくさんかいてしまうと、中の羽根がしぼんでしまうこともあります。
汗をかくシーンで、コットンシャツのような水を含む素材の上にダウンを着ると、逆効果になってしまうこともあるようです。
ダウンを着るときの注意点
それでは、ダウンを着るときの注意点についてお伝えします。
○ダウンは洗濯に注意
ダウンには適度に油分が入っていて、水分をはじくように作られているものが多いです。
洗濯することで油分が落ちてしまい、ダウンの性能が下がることもありますので、専用の洗剤を使うことをおすすめします。
暖かさを損ないたくなければ、プロに依頼したほうがいいでしょう。
○ダウン+カイロは?
ダウンを暖める熱源としてカイロを使用することができます。
カイロの熱によってダウンの羽が膨らんでくれれば、薄手でも暖かい状態になります。
なるべくダウンに近いところにカイロがあると効果的なので、下着の上に貼るよりは、ダウンの裏に貼ったりポケットの中に入れたりしたほうがいいです。
ただし、先ほどもお伝えしたように、ダウンは水分に弱いので、カイロで汗をかいてしまうと逆効果になります。
薄手でも暖かいおすすめダウン
薄手でも暖かいダウンが欲しい方に、おすすめのメーカー(ブランド)をご紹介します。
●THE NORTH FACE
THE NORTH FACEは、防寒性を高めるためのテクノロジーを追求しているメーカーです。
ライトヒートジャケットは、ポケットに入るほど小さく折りたたむことができます。
軽くて耐久性が高く、静電気防止加工も施されています。
●adidas
スポーツ用品メーカーですが、タウンユースでも着られる洗練されたシルエットのものもあります。
VARILITEライトダウンジャケットは、薄手なのに登山やMTBで使えるダウンで、ストレッチ性もあります。
●mont-bell
登山用品を扱うモンベルも高品質のダウンを開発しています。
モンベルのアウトドアジャケットは、1000フィルパワーのEXダウンが入っていて、表裏の生地には薄いシェル素材が使われています。
●AZOOKEN
AZOOKENのライトダウンジャケットはフード付きで、豊富なカラーバリエーションが魅力です。
ダウンを90%使っているので、薄手でもしっかり暖まることができるでしょう。
●CAMEL CROWN
防風性、防撥水などに優れた高品質ダウンを扱っています。
表裏には、丈夫な薄手ポリエステル素材が使われていて、中にはホワイトダックダウンが入っています。
縫製がしっかりしていて見た目は重そうに見えるかもしれませんが、実際に着てみると軽く、保温性も高いダウンです。
●Minghe
Mingheは、レジャー用品を扱うブランドです。
軽量で透湿性や防風性が高く、コスパのいいライトダウンがあります。
薄手のダウンは便利!暖かく着よう
ダウンを暖かい状態で着るためには、水分に注意して、「熱源」となるものの近くで着ることがおすすめです。
体温が低い方は、カイロをダウンのポケットに入れておくと、熱が伝わって広い範囲でポカポカしますよ。
晴れた日に屋外で、じっとしていなければいけないときには、ダウンの下に厚着をしないほうがいいでしょう。
薄手のダウンを有効に活用して、寒い冬を乗り切ってくださいね。