スカートを可愛く演出!ギャザースカートを手縫いしよう

自分の服を作ったことはありますか?

小学生や中学生の時に、ナップザックを作ったりハーフパンツを作った経験がある方がほとんどでしょう。

学校では手縫いで裁縫もしますが、ミシンを使う裁縫もします。

さまざまなショップから既製品を購入できる現代で、かつミシンがない家庭も増えている今、「わざわざ家庭でスカートを作らなくても…」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

今回は、ミシンを使わずにギャザーのスカートを手縫いする方法をご紹介していきます。

既製品では出せない、オリジナリティあふれるおしゃれなアレンジをしていきましょう。

手縫いのギャザースカートは原型いらず

スカートの種類には、フレアースカート・タイトスカート・プリーツスカートなどがあります。

スカートと一口で言っても、種類は50種類以上あるのです。

その中で、基本中の形となるのがタイトスカートです。

タイトスカートの形を原型にして、ダーツという身体の丸みに合わせるためにカーブの位置を変えて、色々なスカートを作ります。

原型は紙に描いてそれを型紙にします。

型紙のダーツを寄せることで、色々な形のスカートに変えることが可能です。

しかし、この原型を作るためには自分のウエストやヒップ、ヒップ下がりやスカート丈を細かく測る必要があります。

1人では上手に測ることができませんので、ほかの人に測ってもらうことになります。

簡単にスカートを作りたい、という時に少し面倒ですね。

しかし、原型を作ることなく、型紙もいらずにスカートを作ることができます。

それが、ギャザースカートです。

ギャザースカートは、ウエストの部分に細かいひだを寄せることで、裾を広げてふわっとしたシルエットにしたスカートです。

ギャザースカートは、ミシンを使わずに手縫いで作ることができます。

原型も型紙もいらない、サイズを測る必要もないということなら、ちょっと簡単に作ってみたくなりませんか。

それでは、簡単にできるギャザースカートを作ってみましょう。

手縫いのギャザースカートに向いている生地

まず、ギャザースカートを作るために必要なものからご紹介しましょう。

スカートを作るための生地を用意します。

初めてギャザースカートを作る人には、柔らかくて、しかし内側が透けて見えることがない生地がお勧めです。

春先から秋口なら、細かいプリント模様が施されていると季節感を取り入れることができます。

また、綿とポリエステルの混紡繊維が扱いやすいです。

綿100%の生地は家庭科での教材でも使われますが、しわになりやすい特徴があります。

綿とポリエステルのダンガリー生地がお勧めです。

特に、ダンガリーのドット柄やグレンチェックといった生地は扱いやすく、無地よりも縫い目の失敗も目立ちません。

特に、グレンチェックの柄は規則的にまっすぐです。

チェックの線になっている糸にそって縫うことで、まっすぐ縫うこともできます。

夏物のギャザースカートなら、チュールレースを縫い合わせ手作ると夏らしいスカートになります。

生地の幅を大きく分けると「シングル幅(約90cm)」「普通幅(約110cm)」「ダブル幅(約140cm)」の3種類です。

スカートの生地を一枚で作るなら、普通幅またはダブル幅を選んでください。

あまり厚手の生地や、固い生地は手縫いで縫うには、ちょっと大変です。

冬物のウールやコーデュロイといった厚手の生地を使いたいときは、手縫いを諦めてミシンを使ってください。

縫うだけで手が疲れます。

生地を選ぶときに迷ったら、手芸店の人にスカートの生地に適しているかどうかを確認してみましょう。

スカートを手縫いする時に用意するもの

ギャザースカートを作る時は、針と糸・まち針・裁ちばさみ・糸切りばさみ・定規のほかに「くけ台」と「かけはり器」があると便利です。

アイロンとアイロン台も可能であれば用意してください。

くけ台とかけはり器があれば、直線縫いをすることができます。

ほかに、ウエスト部分に使うウエストベルト(2.5~3cm幅×70cm)とホック、または幅広(2.5cm幅×70cm)のゴムを用意します。

小学校では線を引くときにチャコペンを使いましたが、シャープペンシルがあれば十分です。

定規は短いものよりも、長めの方が一度に縦の線を引くことができます。

50cmや1mの竹尺(定規)があると便利ですね。

こういった道具は、小学校の時に初めて購入した裁縫セットに入っているものもありますが、すでに廃棄してしまったり失くしてしまったものは、100円均一のお店にもあります。

針は、普通地用の短針がお勧めです。

糸は、スカートの地に合わせたシャッペスパンの手縫い糸が使いやすいです。

シャッペスパンの手縫い糸は、ミシン糸のようなプラスティックの糸巻に巻いた形になっています。

シャッペスパンの糸はポリエステル糸ですが、綿100%の布でも、綿とポリエステルの混紡でも、ポリエステルの布でも使うことができます。

生地が決まったら、使用する道具や付属品、小物も一緒に購入しておきましょう。

ギャザースカートの手縫いの仕方

手縫いでギャザースカートを作る時には、いくつかの作り方があります。

まずは、ウエストをゴムで全部作るか、それともウエストベルトでしっかりとウエストサイズに合わせて作るかです。

二つ目は、一枚の生地で作るか、二枚の生地を縫い合わせるかです。

そして、ウエストベルトを使った場合は、後ろ開きにするか横開きにするかです。

この中で一番簡単な方法は、一枚の生地を寄せて、ウエストをゴムで作る方法です。

それでは、ギャザースカートの作り方のご紹介です。

【作り方】

①アイロンで生地の地直しという作業をします。

生地は巻きで販売していると、どうしても歪んでしまいます。

そのずれをアイロンをかけて直します。

生地の端「耳」に対して、横糸が垂直になるように、丁寧にアイロンをかけましょう。

②ギンガムチェック柄などのチェック生地は、柄に合わせて横のラインを切ります。

購入時に「地の目で切ってください」とお願いすると、まっすぐに切ってもらうことができます。

③作りたいスカート丈の長さに、縫い代となるウエストのゴムを通す部分(およそ7cm)、裾上げの長さ(およそ4cm)を足した長さで生地を切ります。

手芸店では初めから、自分が作りたい長さで生地をカットしてもらうこともできますが、地直しをするとずれる時もあります。

縫い代分やずれる分を考えて、10cmほど多めに購入した方が無難でしょう。

また、生地はできるだけ正確に切りましょう。

そのためにも裁ちばさみがあると、とても便利です。

100均のはさみでも布用のはさみがありますので、布用のものを選ぶと切りやすいです。

④チャコペン、シャーペン、または生地に色が近い色鉛筆で印を付けます。

⑤まずは、生地の縦方向に右端と左端それぞれに、1~2cmの縫い代の印を付けます。

⑥柄がある場合は、どちらをスカートの上にするかを決め、上がウエスト部分になります。

ウエスト部分の印をつけます。

上から順番に1cm、3cm、3cmの長さの横線を3本引きます。

⑦下側に裾上げの印をつけます。

下から順番に1cm、3cmの印をつけます。

⑧印がついたら、いよいよ縫う作業に入ります。

手縫いの基本は、縫い始めと縫い終わりは半返し縫い、または本返し縫いです。

強度を優先したい場合は全て半返し・本返し縫いで大丈夫です。

⑨まずは、縦線を縫いましょう。

初めに引いた縦方向の線にそって、まち針を止めます。

まち針は縫いはじめと縫い終わりに1本ずつ止めて、次にその真ん中、最後にはじめに止めた各まち針と真ん中のまち針のさらに真ん中を止めます。

全部で5本止めます。

くけ台をテーブルにつけます。

くけ台にかけはり器を付けます。

かけはり器で、生地の端を止めます。

生地をピンと張りながら、線の上を縫い始めます。

かけはり器は、生地が常にピンとなるように、時々付け替えます。

もし、どうしても細かく縫えない場合は、縫い代を2cm取って、一度目に縫ったところよりも端側に、もう一度並縫い(二度縫い)をします。

これで、筒状のスカートができました。

⑩ウエストの位置につけた印通りに、三つ折りをします。

三つ折りにしたら、しっかりとアイロンをかけて折り目がつくようにします。

待ち針で、一周ぐるっと止めます。

縦線を縫ったところを起点にして、左右1~1.5cmの部分に印をつけておきます。

印から印の間の2~3cmの部分をスカート本体の生地から浮かせて、折り山から2mm内側を並縫いして折り目を抑えます。

ここがゴムの入り口になります。

並縫いをしていない部分を、細かい並縫いで丁寧にスカートに縫い付けます。

縫う場所は、三つ折りした折り山から2mmくらい内側を縫います。

⑪裾をアイロンで三つ折りにします。

まり針をしっかりと止めます。

裾は、斜めまつりで裾上げします。

斜めまつりは細かすぎるとつってしまいますので、1.5cmくらいの縫い目にしましょう。

⑫ウエストにゴムを通します。

ゴムを自分のウエストに巻き付けて、自分のウエストの長さプラス2cmで切ります。

ゴムが中で抜けないように、しっかりと通し一周したら、ゴムのはじめと最後を1cmほど重ねて、しっかりと縫って留めます。

この部分がスカートをはくときの、後ろ中心になるようにすると形が良くなります。

手縫いで縫う時は、まっすぐに縫えるように、かけはり器を利用しましょう。

一目一目丁寧に縫わないと、せっかく出来上がっても着て歩くことができません。

縫い目はできる限り丁寧に縫ってください。

スカートにギャザーを寄せる時の注意

ゴムを入れると、用意した生地の幅110cmに対してウエストの周径分の差がギャザーになります。

できあがりのウエストが65cmなら、45cmがギャザーとなります。

しかし、あまりギャザーが多いと、スカートが膨らみすぎて不格好になることもあります。

その場合は、生地の幅を少し切っておきましょう。

ただ切っただけでは切った部分がほつれてしまいますので、ピンキングバサミでほつれないように切っておきましょう。

ピンキングバサミがない時は、100均のジグザグに切ることができるハサミで切ります。

膨らみ方はギャザーの量によっても変わりますが、生地の種類によっても違ってきます。

膨らみを生かしたふわっとしたシルエットを楽しみたいときは、ハリのある生地を用意しましょう。

逆にあまり膨らませたくない時は、柔らか目の生地を用意します。

ギャザーを偏りなく寄せたいときは、スカート生地の前中心に印をつけておきます。

ゴムを通した後に、前中心から脇にかけて、左右ができるだけ対称になるように、ギャザーを寄せていきます。

次に、後ろ中心から脇にかけて同じように左右対称にギャザーを寄せます。

目見当になってしまいますが、偏りをなくすだけで、スカートの出来上がりの形がかなり違ってきます。

手縫いギャザースカートの応用

コスプレ衣装や子どものかわいいスカートを作りたいときに、基本のギャザースカートが作れると、応用してオリジナルのスカートを作ることもできます。

例えば、短めのギャザースカートを幅違いに3枚作って、段々に重ねるとティアードスカートというものが作れます。

可愛いお嬢様気分やお姫様気分を味わいたいと思ったら、サテンの生地を使って作ってみましょう。

ティアードスカートは、手縫いでも簡単にできますので、子どもの晴れの日に作ってあげても良いですね。

ハリのあるチュールレースを使って、何枚も重ねて作ると広がってアイドルの衣装のようになります。

リボンやレースで飾れば、そのまま仮装パーティーなど華やかなシーンでも活用できます。

普通のギャザースカートに色々な応用をしたいときは、ミシンよりも手縫いの方が附属品を付けることが楽です。

特に、何枚も生地を重ねて縫う場合は、ミシンではうまく抑えの下に生地が入らない時もあります。

手縫いの方が、どんどん縫い進めることができます。

チュールレースでギャザースカートを作る時は、裾上げをする必要がありません。

ほかでは購入できない、オリジナルのギャザースカートを作ることもできます。

生地を切りっぱなしで縫うことができます。

二枚重ねなら、普段使いもできますのでぜひ作ってみてください。

可愛いギャザースカートを手縫いで作ってみよう

ギャザースカートは、子どもでも大人でも、女の子らしく可愛いらしく演出します。

ミシンがないから服が作れないことはなく、ギャザースカートなら道具や材料を揃えることができれば手縫いで作ることができます。

自分でお気に入りの生地を購入し、既製品では手に入らないオリジナルのギャザースカートでおしゃれを楽しみましょう。