コートとパーカーの組み合わせ!ダサいと思われる理由は何?

アウターの代表のコートですが、目的ごとに取り替えられるほど多くは持てないことから、結局仕事用とオフ用とで兼用することを考えたくなります。

暖かい日のアウターにとフードの付いたパーカーを選択し、オシャレに色や生地を変えていくつも揃えてみたりもします。

しかし、コートのインナーを選ぶ際に、あれこれ考えた挙げ句に「着慣れているパーカー」を選んでしまってはいませんか。

その組み合わせ、「ダサい」と思われているかもしれません。

コートにパーカーを合わせるのはダサい?

「コートにパーカーを合わせるのはダサいからやめたほうがいいよ」と、よく聞くフレーズかもしれません。

確かに、コートの中にパーカーをあわせている人の中には、オシャレに関心の無さそうなコーディネートをしている人が目立ちます。

いわゆる、「ダサい」人です。

そういった人のコーディネートには、冴えないボトムスや清潔感のないスニーカーといった、無気力なアイテムが含まれています。

その無気力感が「ダサい」印象を生み、更にはコートとパーカーの組み合わせ自体を無気力感と結びつけてしまい、「ダサい」という先入観を作ってしまったのではないかと思えます。

この先入観を覆せれば、「ダサい組み合わせのコーデをしている人」という評価も拭い去ることができます。

また、コートとパーカーとでは与える印象が全く異なるので、コートを着ている時と脱いだ時の印象の落差も大きくなります。

この時の落差も吸収出来なければ、期待とのズレの分だけ「ダサい」と感じさせることになります。

パーカーがダサい理由

スウェット地のパーカーは、着ているだけでビジネスから遠ざけてくれる、カジュアルの代表のようなものです。

対して、コートの代表格のチェスターコートやステンカラーコート、トレンチコートといったフォーマル寄りなコート達は、キッチリしたファッションのアイテムです。

パーカーとコートは、もともと持っているベクトルが逆向きなのです。

逆と表現したベクトルの向き、カジュアルとフォーマルと表現してもピントと来ないかも知れません。

もっと感覚的な表現を許すなら、大人っぽいと子供っぽいと表現しても良いでしょう。

仕事の時には装いだけでなく所作においても大人っぽさを表現することが求められますが、仕事を離れてその枠が外れた時、自由の表現のために子供っぽさを取り込むことが出来るようになります。

表現のために取り入れる子供っぽさは、自分でその性質も分量も決めるのですが、自分の思い通りの表現にはセンスが必要です。

ところで、大人になってからもファッションアイテムに子供の要素を残しているのにはもう1つの可能性があります。

それは、子供の頃に見つけた、あるいは与えられたコーデを、そのまま引きずっている場合です。

大人とは、必要な情報を自分で取得し、その情報を元に自分で判断し、自己責任で表現して行くものです。

ところが、子供服のままで変えようとしない場合には、大人としてすべきことから逃げているように見えてしまいます。

センスが少しずれて、大人のコーデからはみ出してしまった場合には、子供を引きずっているのと同じ印象で捉えられてしまいます。

大人になることから逃げている姿勢のように見えるコーデが、ダサい印象の正体です。

結局のところ、パーカーだからダサいのではなくて、大人のコーデからはみ出してしまうことがダサいということです。

では、ダサいのは悪いことなのでしょうか?

パーカーが嫌われる理由

大人コーデにパーカーが嫌われる理由は、加減を間違うとダサいからと限った訳でもありません。

嫌われる理由を、もう少し掘り下げてみましょう。

コートやテーラードジャケットといった、フォーマル寄りのアイテムと組み合わせた時、カジュアル側の代表のようなパーカーは、アンバランスな存在になります。

そのアンバランスを解決しないままで出歩くのは、相手に理解と許容を求めてしまうことになります。

浮いたパーカーは、子供っぽさを強調することで自分は無責任であることを宣言し、その宣言に了解を得た気でいるように見えてしまうのです。

相手を「責任を果たせる大人」として認めようとしている人からすると、この無責任宣言はとても「じれったい」表現なのです。

特に、社会に受け入れられるような生き方を指導する立場の大人は、嫌う傾向があります。

相手にじれったさを感じさせないためには、自分がシッカリとした大人であるということを理解してもらう必要があります。

それは、良くする間柄では日頃の行いで証明することができます。

しかし、そうでない相手に対しては、見た目でアピールするしかないのです。

大人コーデの中に、無責任やだらしなさを感じさせない取り込み方が必要になります。

話がややこしくなってしまいましたが、パーカー自体がダサい訳でも、嫌われている訳でもありません。

コーデに持ち込む際の加減を間違えるとダサいコーデとなり、無責任にも見える印象を扱う人間の姿勢によっては嫌われる原因にもなります。

しかし、自分のファッションの一部として「取り込むことで生まれるダサさ」を理解して使うならば、そのダサさは愛嬌として映ります。

同様に、責任からの開放をセッティングする立場の人が使うならば、パーカーの持つカジュアル感は、自信の無い参加者が持ちがちな緊張を解す役割をしてくれます。

「ダサさ」も「無責任感」も、着る人が理解していてコントロール出来ていれば、効果的な武器になることもあるのです。

コートとパーカーの合わせ目

全く別のベクトルを持ったコートとパーカーですが、あくまでもそれは単品で持つ印象のお話です。

元は布で作られたトップス同士です。

どちらかの印象をベースにして合わせるならば、そこには色、生地、形の要素しか残らなくなります。

あとは、大人のコーデの範囲を踏み越えてダサいコーデにならないようにアイテムで調整します。

相応しい下限の具合が見つかると、遊び心を加えた大人コーデや、責任から開放された休日を演出できるようになります。

例えば、生地の質感の似ているピーコートは、比較的パーカーと合わせやすいコートです。

黒のチェスターコートであれば、モノトーンの中にパーカーの個性を沈めることができます。

ベージュのトレンチコートに白のパーカーならば、清潔感を失わずに済みます。

どういった組み合わせでも、合わせる際のベースはコート側に置いて考えるようにしましょう。

元々のフォーマル感を、パーカーでカジュアルダウンするのだと考えると良いと思います。

その崩す度合いが小さければ、許容の度合いも大きくなります。

逆に、崩し方を大きくするほどコントロールが難しくなり、冒険の度合いが高くなります。

下手な崩し方をしてしまうと、部屋着に仕事用のコートを引っ掛けて来てしまったかと思わせるようなだらしなさを作ってしまいますので気を付けましょう。

パーカー以外は崩さない、といった考え方も悪くないと思います。

コートにパーカーを合わせてみる

それでは、実際にパーカーを組み合わせて作る「ダサいと言われないコートコーデ」を見てみましょう。

【トレンチコート】

トレンチコートとパーカーの間には、生地感の接点がありません。

この組み合わせを活かすには、パーカーはトレンチコートを着る人から感じる強い意思を薄め、カジュアルダウンのためだけに使うことです。

パーカーの存在感を消すには、トレンチコートと同系の色でまとめることです。

足元はカジュアルダウンさせた分だけ、キレイ目のスニーカーが合わせやすくなります。

トレンチコートは合わせが大きくボタンを留めると首元が窮屈になりますが、半端に上だけ開けるのではなく、ガウン代わりのつもりで前を開けて着た方がサマになります。

【ステンカラーコート】

ステンカラーコートの生地もまた、パーカーとは接点が薄い素材が使われます。

これもまた埋もれさせるべきかというと、事情は少し変わってきます。

ステンカラーコートはシンプルで個性を主張しないことが持ち味で、そのまま着ただけでは生真面目なサラリーマンの通勤着になってしまいます。

その薄い個性は、パーカーの個性と喧嘩せずにフォーマル側に引き戻す役割をします。

ボトムスには、パーカーに合わせて細身を持ってくると良いでしょう。

【チェスターコート】

カジュアルの代表のパーカーに対し、最もフォーマル側に寄ったチェスターコートですが、意外にもパーカーとの相性は悪くありません。

シンプルに空いているだけで寂しい首元に、パーカーのフードをポイントとして追加することができます。

また、流行りのチェスターコートには色や生地のバリエーションが広がっており、実際に合わせてみて楽しくなる組み合わせを探してみるのも良いでしょう。

流行り目なのは、アウターとボトムス、シューズまで黒で統一した中にグレーのパーカーを合わせる、モノトーンコーデでしょうか。

オシャレな方には、白のニットパーカーにも挑戦して欲しい組み合わせです。

【ピーコート】

プレッピーの定番アイテムであるネイビーのピーコートは、生地感の近いパーカーとも合わせやすい優秀アイテムです。

生地感の差が強くないため、ピーコートとパーカーが作るシルエットも一体感が強く、ある程度の着崩しもだらしなくなりません。

ただ、ボトムスやシューズの組み合わせまでカジュアルに寄せすぎると、学生っぽい印象を作ってしまうので注意しましょう。

ダサいのは着こなす側の意識

見る前から「ダサい」という先入観を持ってしまうコートとパーカーの組み合わせですが、実は組み合わせ自体ダサいわけではありません。

コートとパーカーの組み合わせをダサくしてしまうのは、着こなす側の意識の持ち方のようです。

ダサいと感じさせるのは、コートとパーカーの組み合わせの中に子供っぽさを取り込んでしまうこと。

そして、着崩しすぎること、清潔感を感じさせないことです。

これらを避けることができれば、コートとパーカーの組み合わせは決してダサいものにはなりません。

基本は、コートが作るフォーマル感を壊さないようにして、そこにカジュアルダウンのアイテムとしてパーカーを持ち込むということです。

できるなら、フォーマルなコーデを完成させたうえで、そこにパーカーを取り込むことが望ましいようです。

インナーをパーカーに切り替えたうえで、仕上げのつもりでボトムスとシューズのアイテムチェンジをすれば、失敗が少なくなります。

パーカーコーデを作ってから、そこに足せるコートというのは、ピーコートくらいのものでしょう。

キチンと清潔にがオシャレの基本

どんなオシャレでも、清潔感を伴わないで成立するオシャレはめったにないでしょう。

特に、汗をかくような活動的なコーディネートには、清潔感が必須です。

スウェット地のパーカーにも、清潔感が大切なポイントです。

コートとパーカーのコーデには、キチンと感と清潔感がとても大切なポイントになります。

キチンと感と清潔感に気を付けて、大人のカジュアルコーデを楽しみましょう。