「スカート男子」なる言葉はご存知でしょうか?
ファッションアイテムとしてスカートを合わせる男性を指して使われるのですが、一部では非常に話題となっているのです。
上手に着こなすと男性としてのお洒落ファッションに捉える「肯定的な意見」、女性的な印象が強いスカートを男性が着用することへの嫌悪感から「否定的な意見」とに分かれます。
今回は、このスカート男子ファッションについて考えてみます。
男子がスカートを穿くのは、ファッションなのか?
今回、スカート男子ファッションについて考えてみます。
男性がスカートを合わせることに関しては、肯定派・否定派それぞれが存在します。
そもそも男性が合わせるメンズスカートというものは、男性ファッションの一つとして1980年代に欧米で登場したものです。
当時の人気アーティストなどが着用して話題になりました。
日本でも、これを模したタレントさんなどの活躍もあり承知されていた感があります。
確かに今でも、ジーンズの上に巻きスカートをお洒落に合わせている男性を見かけることもありますね。
このような見地からすると、趣味は人それぞれで、着用者がファッションとしてスカート男子ファッションに身を包むのであればそれでよいとも考えられます。
しかし、女性的アイテムを男性が身に着けることへの嫌悪感や前述のようなパンツの上ではなくボトムスとして合わせた場合、男性の素足が覗く出で立ちへの嫌悪感などがあるのも事実です。
また、女装愛好家のような女性アイテムとしてスカートを着用する嗜好の方々との軋轢などが生じる問題もあります。
そして、非常にデリケートな問題ですが、性的マイノリティの方々のことを考えると安易にこの件は語ることはできないかもしれません。
スカート男子ファッションの前にスカートの歴史を振り返る!
今回のスカート男子ファッションを考える前に、そもそものスカートの歴史について振り返ってみましょう。
もともとスカート(の形状)の衣類は、現代のように女性専用のアイテムではありませんでした。
古代のエジプト文明やヒッタイト帝国などにおいては男女問わず、布を腰に巻く衣装スタイルが一般的でした。
これは現代の巻きスカートと似ています。
パンツが登場する以前は、男女共に現代の巻きスカートのように布を巻くスタイルが主流だったのです。
中世の西欧諸国では少しずつ変化があらわれ、裾の広がった形状のものが女性用アイテムとして独立し、男性衣服との差別化がされ始めます。
そして、それが時代と共に進化して今のスカートのような女性専用アイテムとして定着してきたのです。
スコットランドの民族衣装となるキルトのように、男性がスカート(の形状のもの)を身に着ける衣装は今でも多く残っています。
日本では明治になり洋装文化が導入される頃には、スカートは女性専用アイテムとしての認識がされています。
それ以前の和装時代には、袴などはありますが、やや曖昧なところもあったかも知れません。
今でも、浴衣などは男女共に裾部分はスカート形状に類似し、それを当然として着用しているのですから、男性のスカートファッションを否定はしかねますね。
日本のスカート男子ファッションの現状!
男性がスカートを穿くことはファッションとして考えると流行があります。
今は、流行というよりは一部の根強い愛好者の方々の間で、注目を集めているファッションと定義しても良いのかもしれません。
現状として、スカート男子ファッションに身を包む人の多くは女性用のスカートを着用する場合が多いように思われます。
これは、一部では男性用にデザインされたスカートが存在するものの、一般流通として考えると男性用のスカートにお目にかかる機会は非常に少ないことを示唆しています。
クールビズの一環として男性がスカートを着用する試みがあったり、著名な方から男性ファッションとしてスカートの選択肢があるべきとする主張もあります。
このようなことから、スカート男子ファッションに対しては少しずつ追い風が吹きつつありますが、まだ一般認識レベルまでには届いていないというのが現状かもしれません。
これを打破するには、スカート男子ファッションに身を包んだ男性の姿が街で普通に見られるようになることですね。
実はモード系として認知もされている男性スカートファッション!
前項でご紹介したように、日本においてスカート男子ファッションはまだ標準的認知を受ける程には至っていません。
しかし、世界に目を向けるとどうでしょうか。
メジャーなファッションブランドに「トムブラウン」があります。
このトムブラウンは実に先鋭的なファッションブランドなのですが、先般このブランドのファッションショーで男性のスカートファッションが大々的に紹介されたのです。
当然プロのモデルさんが着こなすのですから、その出で立ちは非常に美しいものばかりです。
そのまま素人が着こなせるのかとなるといささか疑問はありますが、世界規模でみるとスカート男子ファッションは標準化への方向に向かいつつあるのかもしれません。
もちろん、日本以上にスカート男子ファッションに対して厳しい目を持つ国もあります。
しかし、このファッションショーからもお分かりいただけますように、肯定的な見方もあるのです。
そのような場合には、むしろ現在ではこのスカート男子ファッションは、最先端ファッションとして位置付けられている場合もあるのです。
まずはパンツの上にアクセントとしてスカートを!
それでは、スカート男子ファッションのお洒落なコーデをご紹介していきましょう。
ボトムスとしてスカートを穿くのに抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。
最初は、ボトムスはパンツでその上にアクセントとしてスカートを合わせるコーデをご紹介します。
【チェック柄スカートを合わせてみる】
トップスに白シャツ、ボトムスに黒のスキニージーンズを合わせてみましょう。
テッパンのモノトーン、カジュアルコーデです。
ここに腰にネルシャツやカーディガンを巻くような感じで、白黒チェックの巻きスカート(バンダナスカート)を合わせてみましょう。
スカート感はほとんどなく、お洒落なワンポイントとして映えます。
足元は、黒のスニーカーでスタイルアップ効果とともにモノトーンコーデを締めます。
こうすることでスカートのワンポイントがお洒落に映えるカジュアルコーデが完成します。
【赤のタータンチェック柄スカート】
この場合の巻きスカートを、白黒チェック柄から赤のタータンチェック柄に変えるのもお洒落です。
スコットランドの民族衣装キルトを連想させる出で立ちは、スカート男子ファッションの最先端かもしれません。
色味的に少しフェミニン感がでますが、スカート男子ファッションとして違和感はありません。
このように、まずは「パンツの上に巻きスカート」から入ると抵抗感は少ないかもしれませんね。
ボトムスとしてスカートを合わせたモードコーデ!
最後にご紹介するのはスカート男子ファッションで、スカートを完全にボトムスとして合わせたコーデになります。
【紺のロングスカート】
トップスにブルー系ニット、ボトムスに濃紺のロングスカート、アウターとして紺のロングカーディガンを合わせてみてはいかがでしょう。
ブルー系のグラデーションが統一感のあるコーデです。
足元は、黒の靴下に黒のスニーカーでグラデーションもカジュアルに完結させます。
シルエットも色使いもお洒落なスカート男子カジュアルコーデが完成します。
【青地に黒のチェック柄ロングスカート】
トップスに青と白のボーダーニット、その上にGジャンを合わせます。
ボトムスには青地に黒のチェック柄スカートのコーデはいかがでしょう。
こちらもブルー系のトーンでまとまりのあるお洒落なコーデになります。
ポイントは、ニットをボトムスにインすることとボトムスをハイウエストにすることです。
こうすることで、スタイルアップ効果とお洒落感が増長されます。
足元に黒のローファーをチョイスすれば、お洒落なスカート男子ファッションの完成です。
これらの場合に前項のようにスキニージーンズを合わせてスカートイメージを軽減する方法もありますが、その場合にレギンスなどを合わせてもお洒落に映えます。
スカート男子ファッションに注目
今回、スカート男子ファッションについてご紹介しました。
男性がスカートを着用するファッションは、今はまだ一部の方々の間でのファッションという位置ですが、いずれ市民権を得るかもしれません。
否定理由が感覚的でしかないのです。
つまり、綺麗にお洒落に着こなせば、万人に受け入れられるはずです。
そうなると、メンズファッションの一勢力ともなるかもしれませんね。