コートは生地にこだわるのも大切!高級とされるものは?

コート選びは何を基準に選ばれていますか?

色や形、お気に入りのブランドなど人それぞれ様々な選び方があるかもしれませんね。

ただ、生地の素材にこだわるのもコート選びでは大切な基準にもなります。

決して高ければ良いという訳ではありませんが、高級とされるものにはそれなりの魅力があります。

今回は、そんなコートの生地素材についてご紹介していきます。

コートにおける高級な生地素材とは?

「高級なコートを買ったから丈夫で長持ちしてくれるだろう!」

この考えは、残念ながら正しくありません。

実は、高級な生地素材のコート程、皺になりやすいのです。

俗に言う良い生地、高級な生地であればあるほど皺になりやすい傾向になります。

高級な生地とは決して丈夫な生地ということではないのです。

むしろ丈夫さの観点から見れば、安価でもがっちりとした生地の方が上になりますね。

例えば、高級コートの代名詞とされるカシミアはどうでしょうか?

肌触り、保温性、艶やかな表情、希少性を兼ね備えた高級な生地の代表とされます。

しかし素材自体は非常にデリケートで耐久性は弱く、プロであるクリーニング店でも取り扱いには細心の注意を必要とします。

非常に細い糸が使われるので、ラフに扱えば皺もできますし破れてしまいます。

そう考えると「高級なコートをわざわざ買う必要がないのか?」ともなりますね。

しかし、肌触りや保温性といった素晴らしい機能性がそれを「良し」とさせてくれるのです。

数十万円のコートを買えば、恐らく無造作な扱いはしなくなりますね。

丁寧なケアとともに大切に扱うと思います。

そうすることで、品質を保ちながら長年使い続けることができるのです。

その結果、決して高い買い物にはならないのですね。

コート生地の最高級「カシミヤ」

これよりコート生地素材のうち高級とされるものをご紹介していきます。

最初にご紹介するのは、最高級とされる「カシミヤ(Cashmere)」です。

カシミヤとは、カシミヤ山羊から取った毛やそれを使った織物のことを指して使われます。

カシミヤの特徴としては、毛一本一本が非常に細くしかも密度が高い為「暖かく、絹のような滑らかな感触、軽量で光沢もある」とこれ以上ない程の高級生地素材になります。

この保温性は非常に素晴らしく、細く密度の濃い毛が空気を抱きかかえることで可能になります。

しかし、そのような素晴らしいカシミヤにも欠点があります。

カシミヤの素材は非常に細い毛から作られているためデリケートです。

摩擦や外的刺激にもろく、擦り切れてしまったり毛玉にもなりやすいというのが欠点になります。

つまり「最高級の機能性と着心地の良さ、肌触り、見た目の美しさ」を備えつつ「最高級にデリケートでもろい」という両極を併せ持つコート生地なのです。

アンゴラもコート生地の最高級!

続いてご紹介する高級コート生地素材は「アンゴラ(Angora)」になります。

アンゴラというのは、モフモフのアンゴラウサギから刈り取った毛で作られた生地のことを指して使われます。

これと似たものに「アンゴラヤギ」の毛で作られる生地がありますが、そちらは「モヘヤ」と呼ばれるもので、違うものになります。

アンゴラは、繊維が細く肌触りが良いこと、保温性に優れていること、非常に軽いことなど着心地・機能性共に優れています。

元々が純白の毛なので色の染まり方が非常に綺麗で色彩が美しいのも特徴です。

また、前述のカシミヤよりはややお手頃価格になるのも嬉しいですね。

しかし、そんなアンゴラにも欠点はあります。

一つはその素材の特性から毛が抜けやすいことと、カシミヤ同様に摩擦や外敵衝撃に弱くもろいことがあげられます。

また吸水性には優れているのですが、水を吸ってしまうとフェルト化現象が起こり固まってしまうこともあります。

これらのことからコートの場合には取り扱いには注意が必要となるので、他の素材と混紡されたものの方が使い勝手は良いかもしれませんね。

ラムウールもコート生地ではなかなかの高級品!

続いてご紹介する高級コート生地素材は「ラムウール(Lamb’s Wool)」になります。

ラムウールと言うのは、生後数か月(6か月とされることが多い)以内のメリノ種の仔羊から刈り取った毛で作られた生地のことになります。

ラムウールは、ウールにおける欠点を補うために作られたウール素材とも言えますね。

特徴としては、繊維が細いので非常に柔らかくてしなやか、肌触りが良いです。

勿論、軽くて光沢があり保温性も抜群に良いので、冬には非常に役立ってくれます。

これら以外にも「熱伝導率が低いので冬暖かく夏には涼しい」「吸湿性と放湿性に長けている」「弾力性があるので皺になりにくい」などの特徴もあります。

ラムウールの中でもジーロンラムウールが品質や機能性、使い心地全てにおいて最高峰とされます。

しかし、欠点としては仔羊の毛を使うことから、ウールよりも高額になります。

また、水にぬれるとフェルト状になりやすい点や、ウールほどではありませんがチクチク感を感じる場合もあるようです。

高級ではないが、コート生地ではウールは外せない!

最後にご紹介する高級コート生地素材は「ウール(Wool)」になります。

この場合には高級という言葉は外しても良いかもしれません。

それ程にウール素材は馴染みのあるものになっていますね。

ウールとは、羊の毛から作られた生地のことを指して使われます。

ウールの特徴は、何といっても保温性と保湿性が高いことになります。

丈夫なので皺になりにくいというのも大きな特徴ですね。

生地としての使い勝手が良いことから、コートだけではなくニット製品やスーツなどにも幅広く使われていて、馴染みのある生地ではないでしょうか。

因みに、コートの場合にはダッフルコートやPコートなどによく使われます。

非常に便利に様々なアイテムに使われるウールですが、やはり欠点も存在します。

もっとも感じられるのは、肌触りかもしれません。

前述の素材に比べると硬さが感じられますし、ウール独特のチクチクとした感じがあります。

これが苦手でウール製品を敬遠する方も多いようです。

また、重たいというのも欠点としてあげられます。

ウールのセーターなどの場合に、ハンガーに掛けておくと重さで型崩れや伸びてしまうこともあるようですね。

これら以外にも「縮みやすい」「変色しやすい」「気軽に洗濯ができない」なども欠点としてはあげられるようです。

高級コートをおさえるならこのブランド!

これまでコートの素材について、様々ご紹介してきました。

特徴や欠点などを考慮してご自身にあったコート選びをされると良いですね。

最後のこちらの項目では、コートの有名ブランドをご紹介しておきましょう。

【Michelangelo ミケランジェロ】

こちらミケランジェロはイタリア発のブランドになります。

ミケランジェロでは、長く使うことができる本格コートでありながら手が届きやすい価格帯で提供しているのが特徴的です。

生地はイタリアの高級生地を使っているものも多く存在します。

少しでもファッションに興味がある方であれば、コート選びの際にはおさえておきたいブランドです。

【Valditaro ヴァルディターロ】

ヴァルディターロは、日本を代表するセレクトショップ「SHIPS」が展開するコラボブランドです。

このヴァルディターロ、コートの価格帯は相場価格ではありますが、その生地感や縫製技術のクオリティが非常に高いことで有名なのです。

結果的には、コストパフォーマンスが非常に優れたものになります。

デザインもお洒落で、一見するとオーダーメイドとも思えるほどの仕上がりのものが多いです。

【Stile Latino スティレラティーノ】

スティレラティーノは、なかなかお目にかかれない希少ブランドです。

実は、ナポリ三大ブランドといわれる内の一つである有名な世界最高ブランド「Cesare Attolini チェザレアットリーニ」のセカンドラインなのです。

この技術と経験を活かして、より斬新なコレクション作りを目的に立ち上げられたのがスティレラティーノです。

着心地の良さに先鋭的なデザインは一見の価値ありです。

価格的に気軽には手が出せないですが、ここぞという時のためにも一着あると嬉しいですね。

以上が注目の有名コートブランドになります。

機会があればぜひ一度覗いてみてください。

コート選びは生地にも注目して行いましょう!

今回、コートの生地についてご紹介してきました。

コート選びの際には、是非この記事にも注目をしていただきたいですね。

勿論、それは高ければ良い、高級であれば良いというものではありません。

それぞれの生地にそれぞれのメリットデメリットが存在するのです。

これらを見極めると快適なコートを手にすることができます。

デザインなども良いですが、この生地選びも慎重に!